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真の力

気がつけば4vs3にまで縮まった人数。しかし残りはツワモノ揃いのAllends。どうやって戦っていくのだろう?

寝不足で身体がだるい・・・・・明け方の戦闘なのか、その後の情事が原因なのかは、治自身定かではなかったが・・・向かい側の席でハツラツと仕事や指示をこなす玲子を見て、


『いったいどっちが超人なのだろう・・・・』


・・と真剣に考え込んだりする。

結局、6時から8時までみっちり愛の確認を上から下から前から後から・・・・たっぷりとさせられてしまい。出勤する頃には太陽の色が黄色に見えた程疲れ果てていた。









アフター5で次長、部長会議が急きょ開かれる事になった。チャンスである。


『治ちゃん♪・・・ご飯待っててね!』


玲子から来たメールであった。


『うん♪お風呂に入って待ってるからね!』


こう返す治だが・・・・・・・・・何とも馬鹿馬鹿しいやりとりである。

そう送信した後に、香奈と階堂にそれぞれメールを打ち、情報が入ったと告げる。大事な情報は顔を見て伝える事に決めてあるので、例のネットカフェにて待ち合わせする事になった。












三人そろってから終焉の魂の話をした。もちろん自分がキーマンである事はオブラートに隠して説明した。概ね納得した二人である。


「そうですか・・・・そんな方法が・・・・」


「じゃあ、簡単ですね!統治者さえ倒してしまえば、解決じゃないですか?」


香奈はいつでもポジティブである。反して階堂はデメリットを十分考えた上で行動する。


「そう簡単な話ではありません。他の3人はそれぞれが一筋縄ではいかない能力者ですし、統治者を直接叩けるチャンスが仮にあったとして、いよいよとなれば・・・・その終焉の魂とやらを生み出せばいい訳だから・・・」


「結局・・・・全員を揃わせずに、一人一人倒していく以外に、勝機はないんだろうな。」


「ええ、そう思います。」


二人の男性が納得していると・・・・女性である香奈は不服そうに漏らす


「ええ・・・だって、どこにいるかも判らないし・・・だいたいどうやって一人ずつ倒すんですかぁ?」


それについては治も気になったが、階堂の事だ、なにか策を講じていると推測する。


「ああ、実は、光と炎・・・即ち京極と高倉についてはもう目星は付いてます。」


「「ええ?!!」」


二人揃って驚嘆の声を上げた。











「実は・・・ここに隠れてAllendsの動きを調べていた時に、中の二人に見憶えがあったんです。」


「知り合いだったって事ですか?」


すかさず香奈が食いついた。


「いいえ!あった事はありませんでした。しかし見た事はある・・・・その事がずーっと気にかかっていたんですが、先日柴田さんに初めて会った時に、遠くからですが京極の顔を確認しました。その時思い出したんです。その二人・・・高倉と京極の共通点を。」


「何だ?共通点って!」


「職業です。」


「「職業?!!」」


またもやユニゾンで同時に答える。













「あの二人はメディアでしばしば顔を出す有名人だったんですよ。もっとも高倉は元ボクサーで現在解説者・・・そして京極は役者ですから・・・まったく同じではないんでしょうけど。ひとくくりにしてしまえば、テレビタレントという職業になります。」



言われて見れば・・・・京極はちょっとその辺にはいない程整った顔をしていた。残念ながら格闘技音痴の治には、ボクシング解説者なる高倉には全く見憶えはなかったが・・・


「なーんだ・・・俳優だったんだ・・・・どおりでかっこいいと思った・・・」


その見かけに惑わされて、さんざん追い込まれたことをもう忘れている香奈である。


「・・・で?目星が付いているってのは・・・」


治が話を本題に戻した。


「ええ、実はタレントってのは、みんな殆ど芸能事務所に所属しています。事務所によってアーティストが得意な事務所があったりお笑いタレントがたくさんいる事務所だったり・・・オールマイティにいろんなタレントを抱えていたりと多岐にわたっている事務所もあります。」


「なるほど・・・・・そこが共通点。」


「はい。」


またもや妄想まっしぐらだった香奈はまったく話についてこれなかった。


「またぁ・・・・二人だけで納得しないで下さいよ。判るように説明して下さい!」


そう言われて、がっくりくる二人だったが・・・

階堂が仕方なく説明を始める。


「つまり、説明の最後に出てきた、オールマイティな事務所に二人は所属しているって事です。」


「へー・・・・じゃあそこに行けばあの人たちが今どこにいるのかが解るんですね!」


「・・・いや、事務所側はタレントのスケジュールは明かしませんよ!」


途端に表情が曇る香奈


「・・・じゃあ駄目じゃないですか!!」


「ちょっと待って下さい。もうスケジュールは抑えてますから。」


「え?今の話と違うじゃないですか!?」


「もちろん、正式に手順を踏めば断られます。その為にここに籠ってるって訳です。」


治もここまで聞けば方法がおぼろげながら判ってきた。


「・・・・ハッキングか?」


「ええ・・・もちろん違法行為ですが。」














どちらから倒すべきなのか・・・・結論は簡単にでた。

京極である。まず光の執行者である京極は、闇の執行者の階堂に対して絶対に有利であるという法則、そしてやはり京極の能力に『癒し』があるという事実。いくら高倉を追いつめても肝心なところで京極に回復されてしまっては元も子もない。


したがって京極と高倉のスケジュールの確認をして二人が離れている時間帯、場所に出向いて待ち伏せ、倒す。という骨組が出来上がった。













次の日曜の昼過ぎ、香奈と治は、お台場にあるテレビ局に来ていた。

京極が今現在収録中の子供向け番組の撮影でこの局に入っている。そして高倉は大阪の試合の解説に行っているとの事。今日を逃すと二人が離れる機会は遠い。まだまだ若く売り出し中の役者である京極は「仮面ライダー」の主演に抜擢され、子供とともに熱を上げる主婦層のファンのお陰で、この後のスケジュールも順調に埋まっているらしい。との階堂情報である。


『だいたい世界を破壊するなんて言ってる奴が人気でなくていいんだよ。』


・・・・と、ひとりぶつぶつと恨めしげに京極の出待ちをしている若い主婦達の黄色い声援を眺めている治である。


「きゃーっ!!!京様ーっ♪」「京様ーっ!!こっち向いてぇ!」


出入口が色めき立ってきた。


「治さん!!加速して下さい!あの人こっちに気が付いてるみたいです!!!」


そう言われて京極を見た時にはもう姿が消えていた。


『しまった!!』


すぐに加速に入った治の目の前には眩い光が迫っていた。とっさに横に避けて自ら転がる。

頃がった先には右手を光らせて京極が待っていた。


「しゃがんで!!」


香奈の声がして”ブブーン!!”と唸る音が迫る。治とは逆方向に飛びカマイタチを避ける京極。衝撃刃がコンクリートにぶつかり”パキーン”と弾けた。


「危ない危ない・・・ミョンの二の舞はご免こうむる。」


見渡せば、3メートル程上空をまるで燕のように両手を広げて滑空する香奈が京極に迫っていた。香奈は今度こそ仕留めようと・・・両手を内側に振りおろした。

クロスしたカマイタチが京極を襲う。しかし・・・にやりと笑う京極・・・


”・・パパーンッ・・”


何かで衝撃波がはじけ飛んだ。良く見れば京極の周りが淡い光で覆われている。

カマイタチが通じなかったことに驚きはしたものの、そのまま突っ込む香奈が見える。

京極はまるで大刀のような形に形成した光の束を構え、香奈が来るのを待ち受けていた。


『いかん!・・・風が効かないんだ・・・』


となれば・・・・後は「アレ」しかない。とっさに治は自分の力を解放する。


『加速!!!』












勝負はあっという間についた。当たり前である。世界が止まっている中で行動していた三人。そのうちの二人が治の目の前でさらに止まったのだから。


あと二メートルに迫った香奈と京極の間に駆け込み、とにかく力いっぱいぶん殴る!!

おそらく二〜三分の(治の意識経過時間)間に100発程ブチ込み、最後に助走をつけて思いっきりとび蹴りをかます。それだけの速度差なのだろう、めり込んだ部分は戻らず、蹴りがヒットした首から上の部分ははじけ飛んだ。そこまでいって、加速の段階を下げた。


「あれ?」


勢いよく舞い降りる香奈。すでに京極の身体は電球が切れる寸前のように激しくひかり・・・・

消えてしまった。


「なんで?・・・消えちゃいましたよね・・・今・・・」


「ええ?・・・香奈ちゃんのカマイタチが当たったんじゃないの?・・・」


冷や汗をかきながら慌て説明をする治だが・・・・


「ふーん・・・・そうですか・・・やっぱり、なんか隠してますね・・・治さん?」












とても信用してくれそうにない雰囲気である。











ついに力を解放した治である。あとは統治者・・・・そして。

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