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世界を終わらせるもの

やっとの事で香奈の救出を終えた三人が確認する現状・・・組織の思惑はどこにあるのか?

やっとの思いで香奈の救出を終えた。


「みなさん・・・すみません。」


「いや・・・いいんだけど・・・どうやって近づいてきたの?京極」


治は済んだ事を気にするタイプではない。


「三人で会った後、30分くらいしてからですかね・・・京極さんから電話があって。治さんが、能力者に待ち伏せされてるから、撃退を手伝ってほしい。って」


「あちゃ−・・・・俺が出汁に使われた訳だ!」


「はい・・・で、駅前で待ち合わせしていたら京極さんからまた電話が、そのあたりは危険だから移動するように!って・・・言われるままにあるいて路地に入ってから急に後から・・・」


「・・・で、私が起こすまで記憶がないと・・」


「はい。すみません。」


「まあ、仕方ないさ!お陰で能力者が二人減ったし・・・」


「結果論ですね。」


憮然とした顔で語る階堂であったが、それ以上香奈を責める事はしなかった。












「現状確認しましょう。」


階堂からの提案である。現在の組織の人数、能力について3人で情報を交換する(といっても治にはなにもないのだが・・・)


「まず、氷使い、水使い、そして雷撃使いの3人を倒しました。数の上でいえば対等に近づいた。と言えるでしょうが・・・・・なんといっても残りが問題です。」



「光の京極、炎の高倉、重力の優斗、で・・・創造と誕生を司る能力者ってのが残ってる。」


「・・・・あたしはその創造と何とかっていう人にはあった事ないです。どんな能力なんでしょうか?」


「私も調べはしてみましたが・・・・皆目見当もつきません。ただ・・・・」


「ただ?何なんですか?」


治はいらついていた。判らない事が一番不安を煽る。今までもほとんどがギリギリの戦いだったことを思えば、これからが本当の試練になるのは言うまでもない。



「・・・・その創造と誕生の能力者。『統治者』と呼ばれていて、「Allends」の創始者であり、リーダーなのは間違いありません。」


「・・・でも、どんどんメンバーが減ってきているのに、何故組織は行動をおこさないんでしょうか?世界を破壊するって・・・・具体的にどうやってやるつもりかしら?」


「そこは俺も考えてた。いくら能力者がいるからって、片っ端から破壊していっても、なかなか全部はねぇ・・・・核兵器かなんか使うつもりかな?」


「それはありませんね。」


いきなり階堂が核心をつく。


「何でですか?」


「我々能力者は、地球という星の意思を持つ者の執行者なんですよ?全世界を滅ぼしたって、地球自体を破壊してしまうような方法を取るとは思えません。なにか手があるんだと思います。」


「じゃあ・・・・なにか生物兵器というか、病原菌をばらまくとか・・・」


「うーん・・・・ピンときませんねぇ・・・」


「ねぇ・・・・治さん!あなた、たしか意志を持つ者と会話できるって言ってましたよね?」


「え?・・・あ、ああ。出来るけど?」


「会話?!会話が出来るんですか?「神」と・・・」


「・・・やっぱり俺だけなのかなぁ・・・話せるのは・・・」


「恐らくそうなんだと思いますよ。イレギュラー(規格外)としての力なんでしょうね。」


「・・・で?相手の思惑を聞けっていうんだろ?」


「はい!」


「・・・・どうかな?難しいかもしれないよ?」


「ええ?何故ですか?」


「あいつは最初に言ったんだ。『全部破壊するか、救うか選べ』って。どちらにしても地球を救う救世主として選ばれたんだってね。だから、俺達は人類の救世主ってわけじゃあない、そこを俺だけに協力してくれるとは・・・・思えないなぁ・・・」


「つまり・・・・・神はどちらが勝っても構わない。という訳ですね?」


「うん・・・多分。」


「えー?でも?・・・聞くだけ聞いて下さいよ!ダメ元で!!」


口を尖らせて訴える香奈に、苦笑しながら頷く治だった。












もう夜が明ける頃である。その場で解散してそれぞれが戻って出直す事にする。


「とりあえず、もう残された時間は少ないと思ったほうがいいでしょう。毎日連絡を取り合いながら、敵の思惑やアジトを探っていきましょう。」


階堂の言葉に二人は頷き、別れた。













なんとか、玲子に気づかれずにベッドに戻る事が出来た。

二時間後には一緒に起きて朝食をとる予定である。治はそのまま深い眠りに入っていった。











『起きろ・・・』


『起きろ・・・・』


アースの声が響く。


『何だよ・・・・・まだ寝かしてくれよ』


『身体は睡眠状態だ。文句はないだろう。』


『・・・で?なに。』


ぞんざいに返答する治である。


『お前・・・・私に聞きたい事があるんじゃないのか?』


・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・


『・・・・・・・・・・・・あ!』


『まったく寝ボケよって!』


『そうだった・・・・組織が世界を粉々に破壊するってのは・・・どんな方法を取るのか教えてくれないか?』


『・・・・・・』


『おい!アース!!』


『・・・・・本来ならば一人、いや片方だけに味方するのは協定違反なのだが・・・』


『協定って?神様同士のか?』


『ああ、しかし私はすでにお前に関わりすぎている。とっくに協定違反かもしれんな・・・』


『・・・で?どんな奥の手があるんだよ!』


『・・・・創造と誕生を司る能力者がいる。』


『ああ、最初に聞いたよな・・・』


『その能力者は「統治者」といって、全ての能力者を束ねる存在だ。イレギュラー(規格外)のお前を除いてな。』


『・・・ふーん・・・で?そいつの特殊能力が関係してくるのか?』


『そうだ・・・統治者はこの世界に終わりを告げる「終焉の魂」を生み出す事が出来る。』


『終焉の魂?なんだそれ?爆弾とかそういう・・・』


『違う。何でも飲み込んで消し去ってしまう・・・・・判り易くいえば小型のブラックホールのようなものだ。そして統治者によって命じられたものだけを吸いつくす事が出来る。』


『・・・・・・うわー・・・やっばいじゃん!!それってその気になったらすぐできちゃうもんなの?』


『生み出すのはたやすい。しかし大きく育てなければ効果は薄いだろう。』


『育てるって?難しいの?』


『時間がかかるのだ。成長させるには加速の能力を持った者が不可欠。』


言われてしばらく考える治である。


『・・・・・って、俺?俺の事だよな!』


『そうだ、創造の力と加速の力が合わさって、はじめて終焉の魂は機能する。』


『だから、俺の事を組織は気にしてたのか?』


『恐らくな。』


『おまけにもう一つ教えてくれよ!』


『どんなことだ?』


『その統治者ってやつ・・・・どこにいるんだよ?』


『わからん。』


『・・・へ?』


『能力を授かった瞬間からだいたいの把握は出来ていたのだが・・・統治者だけは、どこに隠れているのか・・・・』


『アースに判らないんじゃどうしようもないな・・・』










とりあえず、仕事の後、また話し合って今の話を伝えなければ・・・

そう思いもう一度眠りにつこうとすると・・・・・なにやら隣から艶めかしい息遣いが・・


「治ちゃん・・・ねぇ・・・仕事に行く前に・・・」


そういいながらその柔らかい身体を擦り寄せてくる玲子である。


「・・・今何時?もう6時だよ・・・・あ、ああ、そんなとこ・・・」







まったく抵抗できずに朝食抜きになるまで愛し合う二人なのである。











解った事実はあまりに恐ろしいものだった。

治はイレギュラーとして統治者を阻止する事ができるのか?

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