第1章 転生
最近小説を書き始めました。
よろしくお願いします
「ん、もう朝か。起きなきゃ」と言いながら布団をどけ、起きる。「学校やだなぁ〜」と独り言をこぼす。
「やっぱりつまんない子だなぁ〜」とそのどこから見ても平凡な青年を見ていた【何者】かが言う。
その青年はどこから見ても平凡そのもの。
とくに飛び抜けた才能もなくクラスでも友達は数えるほどしかいない。
青年の名は大村一成(17歳)彼女無し
特技:無し
あだ名:カズ
ザ・平凡高校生なのである。
今日もいつもと同じ通学路を通り学校へ行く。いつもと何も変わらない風景。いつもと何も変わらない近所の人。いつもと何も変わらない日々だ。
一つを除いては...
交差点を右折したとき違和感を感じ、前を見る。
こちらに向かってダンプカーが向かってきている。
『はぁ!?やばいやばいやばいって!』
『死ぬ死ぬ死ぬ!』
しかしダンプカーは容赦なく迫ってくる。
『危ない!!』
誰かが助けに走ってくる
しかしもう間に合わないだろう
『ガンッ!!』鈍い音が聞こえる
どうやら僕は死んでしまったようだ
そこで僕の意識は途切れた...
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「....のかぁ」 「...死ぬのかぁ」
「神様でも死ぬのかぁ」
誰かがぶつぶつと独り言を喋っている
誰だ...?
そっと目を開ける
するとそこには真っ白な世界が広がっていた。
「え?」「ここどこ...?」
頭がズキズキと痛む。
そうだ、さっき僕はダンプカーにひかれて死んだんだ。
じゃあここは天国?
「あぁ、まだやりたいこといっぱいあったのになぁ...」
彼女も欲しかったし、友達ももっと欲しかったなぁ〜。真っ白な世界を見て黄昏ていると
「なーに黄昏てんのさっ」
「いてっ!」
誰?なんか叩かれた!?
隣を見ると中学生くらいの女の子が立っていた。
「誰?」
「『誰?』じゃないわよ!あんたをわざわざ助けてやろうとした神様じゃない!」
「はぁ?何言ってんだ?」
「覚えてないの!?」
「覚えてるような覚えてないような」
必死に記憶を辿るが曖昧になっているようであまり思い出せない。
「助けようとするんじゃなかったよ」とぶつぶつと不満を口にする自称神様
今時の中学生は自分を神様だと思ってるらしい。
「まぁ百歩譲って君を神様だとする。で、ここどこ?」
「はぁ?決まってんじゃない天国よ? そんなことも知らないの?」
「知るかー!!ってやっぱり天国なのか。」
「そうよ?これから転生でもしよっかなぁ〜」
「え!?転生すんの!?俺もしたい!!」
次の人生では彼女できるかもしれないし。
「しょうがないわね〜 まぁ長年見守っていたのに助けてあげられなかったから転生させてあげるわ!」
そんな簡単にできるんだ...
でも長年見守っていたってどういうことだ?
まぁまた今度聞いてみよう。
「また同じ世界じゃつまらないしどうせなら異世界とか行きましょう!」
「おぉ!異世界転生か!本当にあるんだなぁ!」
感激のあまり興奮してしまう。
「まずは自分の役職を決めなきゃね!」
自称神様はノリノリだ。
まじでゲームみたいだな...と思っていると、どこからともなく巨大なガラガラが現れた。
あ、ポケ○ンじゃないよ
「さぁ役職を決めようじゃないか!」
どうやらこれで役職を決めるようだ。
「せいっ!」
神様が気合いを込めてガラガラを回す。
出てきたのは赤い玉
そこに『魔』と書かれていた。
どうやら火の魔術師のようだ。
「やったー!」
自称神様が喜ぶ。どうやら強キャラのようだ。
「おぉ!」
俺も強いの出すぞぉ!
気合いを込めてガラガラを回す。
出てきたのは緑色の玉
そこに『農』と書かれていた。
嫌な予感がする。
「ぷぷっ」
自称神様が笑う。
どうやら僕の嫌な予感は的中したようだ。
「農民...w」
さすがに自分に嫌気がさした。笑うなぁ!
「うぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
怒りの矛先を自称神様へと向ける。
「あまりに平凡すぎて...」
「ごめんよ」
本当に反省してるようだ。
「やり直しはできないの!?」
必死の願い。
「すまない...それはできない。」
終わった...
「まぁでも農民も割と強いかもよ!?」
自称神様それはフォローになってない。
「まぁまずは転生してみよう!」
そうだよな まずは転生だ!
「きっと異世界だから何回死んでも大丈夫だよね?」
半分確信を持って質問すると
「え?ライフは3つだけだよ?」
一瞬思考が停止した。異世界では何回でも蘇ることができると思っていたからだ。
「は?え、嘘だ!だってモンスターとかいるんでしょ?ライフが3つなんて無理だよぉぉぉぉ!!!」
もう転生が始まっているらしく、僕の悲鳴は自称神様には届かなかったようだ。
真っ白な光が僕を包む。
気づくと森の中にいた。
「あれ?ここが異世界かぁ綺麗だなぁ」
装備を確認すると農民らしく鎌や鍬を持っていた。どうやらゲームのような4次元ポケットはないようだ。
ふと見ると自称神様も隣で景色を堪能していた。
そういえばまだ名前聞いてなかったなと思い聞いてみる。
「なぁ、名前はなんていうの?」
少し間を置いてから
「フェル」
と彼女は答えた。
「可愛い名前だな」
というと少し顔を赤らめて
「ありがと」
と言った。
楽しい会話をしながら歩いていると、不意に木の影の近くに気配を感じ目を凝らす。
がさがさと音をたててその気配の正体が姿を現わす。
尖った耳、不揃いな歯、凶暴そうな目
おそらくゴブリンだろう。頭の上に
【ゴブリン】♂1LVと書かれている。
ここはゲームっぽいなと思いながら戦闘態勢に入る。しかし戦い方を知らないカズはなにも知らずに突っ込んでしまう。それに反応したゴブリンは尖った爪を振り下ろす。
カズは間一髪でかわしたがLVの低い農民は身体能力が低く、転んでしまう。そこにゴブリンが歩み寄りとどめを刺そうとする。
「うわっ!」
『死んだ』そう思ったその時だった、とてつもない熱を発する火球が飛びカズを助ける。
「今度はちゃんと助けたよ!」
薄い胸を張って誇らしげにするフェル
「ありがとう」
と笑顔で言いながら立ち上がる。
「本当にありがとな」
ここから二人の異世界での冒険が始まる。
面白いと思ってくれたら幸いです。
これからもよろしくお願いします!