廃人プレイヤーがゲームの世界に迷い込んだようです
≪序文≫
高校を卒業した後は特に目標もないまま実家の近く大学に入学。ゼミで仲良くなった友人から勧められ
「Tempest」というVRMMOを始めた。始めたての頃は装備もなく友人の行くクエストにひたすらついていき装備を作ってもらっていたものだ。ある程度下位ランクのクエストも自力でクリアできるようになったころから
「Tempest」にはまり込み、大学が休みの日は1日中やりこみひたすらレベルを上げ装備を作りギルドにも所属した。半年程ギルメンや大学の友人とクエストに行っていると大学の友人を追い抜いてしまいプレイスタイルが合わなくなりギルメンとばかり遊ぶようになった。そのうち大学よりも「Tempest」を優先するようになり、講義を休む日も増え留年を繰り返すうちに退学となった。親から説教され、家を出ろと言われたが、そのまま居座り10年。レベルも武器スキルもレベル999でカンストして、今では廃人プレイヤーの仲間入りしてひたすらエンドコンテンツをやっている。1クエスト2時間かかるクエストを300回することで手に入る伝説級武器をひたすら作り、何個持っているかが廃人たちの唯一の自慢だ。俺はというと全武器種が10種あるうちの7種所持している。今日も起きて伝説武器を作ろうとしているとお知らせ欄に衝撃のニュースが入っていた。それはサービス終了のお知らせで3か月後2040年12月31日の11時59分に「Tempest」がなくなるというものだった。そのお知らせを見て今までの人生を思い返し、自分のやってきたことが無意味になることを知り自殺を考えたがそんな勇気もなく、思いおとどまった。エンドコンテンツをやる気もなくなりログインしてギルメンと話すだけの日が続き、ついにサービス終了する時がやってきた。
「ついにこのゲームも終わっちゃいますねキュリオスさん」
ギルメンとして10年間一緒に遊び続けてきたキュリオスさん。
「上位に上がるまで手伝ってくれて俺が追い付いてからは一緒にエンドコンテンツを数百回と一緒に行ったのは忘れません。Tempestが終わってもずっとギルメンでいてくださいね」
くさいセリフを言ってしまった気もするが最後くらいいいだろう。
「リョウ今までありがとう。このゲーム終わっても他のゲームでまた一緒にやろう」
そう言ってログアウトしていった。
リョウというのは俺のキャラ名で本名の一部からとったものだ。
「他のゲームなんてしばらくする気になれませんよ・・・キュリオスさん」
もう誰もいなくなったギルドの席を見てぼそりと言った。
「最後になにか簡単なクエストでも行くか・・・」
サービス終了まであと10分。1番最初の壁になるクエスト「大鳥のいななき」
今では簡単すぎて1撃で倒せてしまうが装備レベルを落としていけばそれなりに遊べるだろう。
装備していた伝説武器や装備を外し、初期の頃遊んでいた大鳥装備通称(バード装備)を付けてクエストに1人で出発した。
大鳥ことクレセントバードのいるエリアまで行くとこちらに気づき三日月型の翼を広げのが雄叫びを上げて突っ込んでくる。
「懐かしいな。最後にこのクエストに行って8年くらいなるかな最初はこの突っ込んでくるやつすら避けれなくて死にまくったっけ」
クレセントバードの攻撃を避けながら敵の動きを思い出す。こんなに弱かったかなとか思いながら攻撃していると敵を倒すことができ報酬画面移る。
「もうサービス終了時間か・・・この画面から切り替えたら強制終了でこのゲームも終わりか。長いようで短い10数年だったな・・・これが終わったらアルバイトでもしてまじめに働くか」
今更感があるがちゃんと働いて家を出るかなどと考えつつ報酬画面を終え街に戻るボタンを選択する。
「もう年越しか親ともちゃんと話さないといけないな。」
そして街に戻らず強制終了される・・・はずだった。
思い付きで書き始めました。
ストーリーを書くのは初めてなので至らない点も多いとお思いますが、暇つぶしに読んでもらえると嬉しいです。