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第六章 - 新たなる仲間

 神器を使い雑魚狩りを始めた俺達は無双モードになり始めていた。


「なぁ俺たち最強じゃね?」

「当り前です!私とご主人様がコンビを組めば敵なしですよ!」


 こんな感じに調子に乗った俺達はゲーム内で言う『勇者』でなく『魔王』のようになっていた。

俺たちがどれくらい『魔王』かというと不幸の俺が雑魚のおとりになりユキが神器 ハートブレイカーで俺が連れてきた雑魚を一気に叩き潰す。この一連の動作をユキはデッドリターンと名付けた。

(俺は名前がダサすぎてかなり恥ずかしかったが)


「よし!そろそろアルカディアに戻るか」

「そうですねかなり『Bit』も貯まりましたし」


 俺が城下町を歩くとこの世界の人たちは物珍しそうに俺を見る。

それもそのはず俺は初瀬ヶ丘学院高等部の制服のまま来ていたからだ。

この世界ではこのような格好は珍しい為、良くも悪くも目立っている。


「おい!そこの兄ちゃん」


 服屋のおっさんに俺は呼ばれた。多分服についてだろう・・・


「珍しい服着てるな。それってどこで作られたんだ?」

「これはですね―特別に作られた服でして・・・」


 異世界の服と言っても馬鹿にされるだけだろうし適当に誤魔化しておいた。

やっぱり夢世界に来たわけだしこの世界観に合う服を買うか。


「よかったら俺のところの服と交換してくれないか?好きなの選んでいいからさ」

 驚きの答えだった。しかしこの世界の時代背景は中世。別に物々交換くらいならそう珍しいものではないのだろう。服に困っていた俺は好都合だった。


 俺はに赤のコートに黒のベスト、ファンタジーならどこにでもありそうな長ズボンを選んだ。

さらにここの店主は気前が良くブーツまでくれた。


 俺達はとりあえず宿屋に泊まることにした。

ユキが大きなため息をつく。それに誘われるように俺も大きなため息をついた。


「俺達以外にも戦える人間はいないのか?」

「どーでしょう?明日にでも酒場に行きますか?」

『酒場』それは異世界ファンタジーなどで言う冒険者達が集まる和みの場である。


「酒場か・・・明日行くか。あと俺はもう走りつかれたから寝るな」


 俺がロウソクの灯りを消そうとした瞬間―

「あ、私が寝ている間に襲わないでくださいよ。美少女である私の寝ている姿を見れば賢者タイムも終わってしまうと思いますが抑えてくださいね」

「なんで俺がお前に好意を寄せている前提で話が進んでいるんだ?」


 俺達はこんな会話をしているといつの間にか寝てしまっていた。


 ―俺達は朝早く起きて昨日、言っていた通り酒場に向かった。


 酒場には筋肉質な男や全身黒のローブのようなものを包んだ魔法使いらしき人がいる。

俺達はとりあえず席に座って作戦会議をした。


「酒場には魔法使いらしき人がいるけどバグって魔法(仮)は使えないんじゃないのか?」

「使えないのは私たちだけですよ。NPCの元々の能力に魔法(仮)が備わっていればバグとかは関係なく使えます」

 相変わらず理不尽な世界だ。俺たちに対して―


「あの―」


 俺達に声をかけてきたのは10歳くらいの女の子だった。

僧侶のような格好をしていた為多分僧侶の娘だろう。迷子か?


「どうしたんですか?」

 ユキが答える。やっぱりこういうことは女性に任せるのが一番だ。

俺はあの子を怖がらせまいとその場から立ち退いた。


 しばらくするとユキとあの少女が一緒に来た。


「ご主人様!この子ってば仲間になってくれるそうですよ!」

「そんなわけないだろ!俺の前でもう一度聞いてみろ」

「私達の仲間になりたいんですよね?」


 ユキが問うと少女はコクリと小さくうなずく。

するとユキはドヤ顔で俺を見てきた。


「えーっと歳はいくつかな?」

「10歳です!」

 やはり子供か・・・しかもユキは仲間にする気満々だ。


「やっぱり危ないだろ。他のやつにしないか?」

「でもこの子強いですよ?」

「・・・・・・?」


 強い?この少女が?ありえない。俺は半信半疑で魔法(仮)が使えるか少女に問う。

そしたら最強の回復魔法を使えると少女は言うのだ。でも俺はいくら最強の回復魔法が使えたとしても身の安全が心配で本当に仲間になりたいのか聞いた。

 やはり回答は同じで仲間になりたいと目を光らせて言ってきた。

俺は二人の圧に押され結局俺達のことを説明して少女は仲間になることになった。

(純粋でよかったー)


「あ、そういえば名前はなんていうの?」

「なのって言います!」

 どうやらこの少女は『なの』という名前らしい。

「俺は丈槍 優。それでこいつが―」

「ユキです!お気軽にユッキーとお呼びください」

「ではユキさん!お兄ちゃん!改めてよろしくお願いします!」

「・・・!?」

「なの?お兄ちゃんって?」

「ダメですか?私のお兄ちゃんに似ていた為、そう呼びたくて」

「ダメじゃないけど―」

「では『お兄ちゃん』と呼ばせてていただきます!」


 少女は嬉しそうにそう言った。


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