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ささやきを返し

どうしてこうなった。

思えばあの時からおかしいとは思ってはいたんだ、ただその違和感が確信に変わらなかっただけだ。

目を覚ました時、他の仲間達は例外なく意識を失い倒れ、ちょうど最後の一人がぐるりと身体を回され、地面にキスをして目を回していた。



「ん、中々早いお目覚めだったな。」


どうしてこうなった。


「起きて早々で悪いが、もう一度、次は暫く起きなくていいぞ。」


革靴の音を響かせながら、近付いてくるメイドに後ずさり。


「良い夢を。」


突然世界が回り、俺の意識はそこで途絶えた。






「ふう、疲れた。」


そう言いつつも、少しも疲れた素振りを見せずに腕を伸ばし息を吐くベリアに、ネフィアはぱちぱちと手を叩きながら声をかける。


「お疲れ様ー、いやあ鮮やかなお手並みでしたねー。」

「ああ疲れた、誰かさんが手伝ってくれればもっと早く終わっていただろうに。」

「こんなかよわい少女に、いやこんなかよわい美少女をそんな荒事に巻き込むなんてっ……。」

「……。」

「あっ冗談だって、可愛い冗談ってやつ、文字通り。」


無言でにじり寄ってくるベリアに、後ずさりしながらベリアの腰元に差された棒状の物を指差しネフィアは首を傾げる。


「でもほら、それ使うまでもなかったんでしょ?じゃあわたしが居ても居なくても変わらなかったって。」

「……まあ、それは。」


不満気に頭を掻くベリアの様子に、からからと笑い、ネフィアは言葉を続ける。


「それじゃ適当に縛っちゃってよ、はい縄。」

「お前は本当に……、少しくらい手伝ってくれても罰は当たらないと思うんだが。」

「荒事含めこういうのはベリアの仕事ー、ほらほら役割分担。」


そんなネフィアの様子にため息を吐きながらも、気絶している男性達の手を後ろ手にきつく縛り始めるベリアを眺めながら、近くにあった古い机にとんと腰掛けネフィアは小さく呟く。


「というか、実際手伝おうとしたらそれはそれで怒るくせに。」

「当たり前だ、お前に万が一の事があったらどうする。」


背を向けたまま大柄の男性の腕を縛り上ているベリアの、意図せぬ返事にネフィアは少し驚きながらもまた小さく呟いた。


「……よく今の聞こえたね、ちょっとびっくりだよ。」

「お前の声ならどこに居ても聞こえる、一言一句聞き漏らさずにな。」

「やだ素敵、世が世なら訴えてた。」

「さてさっさと終わらせてしまうか。」

「うわあ露骨。」

「都合の悪い事は聞こえないようになってるんだよ。」

「うわあ最低。」

「聞こえんな。」


なんておひとかしらと悪態をつくネフィアを黙殺し、背を向けたまま淡々と作業を続けるベリア、だが。

その頬は紅く染まり整った眉をひそめており。

ネフィアに聞こえない程小さい声でぽつりと呟いた。


「柄じゃないな、詩人にでもなったつもりか、私は。」


ああいやだキザったらしいと頭を一度強く振り、気持ちを紛らわせるかのように、ベリアは男性達の腕を先ほどまでよりも若干強めに縛り上げるのだった。

なんて稚拙な文章なのか

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