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僕は遣い魔  作者: コウ
4/7

魔法少女と契約

火トカゲさん‥‥

もう愚痴らないで。


散々罵られちゃいました。

流石の僕も 堪える程に。


《俺の言葉が届くから、もっと巨大な魔力を持ってると思ったのに……

小さい魔力で、コチラ世界の体を構成してしまったから、こんな姿なんだよ。

本当に‥‥はぁ。》


最後は、溜め息ですか‥‥

何か‥‥スイマセン。


それでも僕の事が気に入った様で、僕の肩に乗っかっている。


このコ強いから、まぁいっかぁ。


「あの~‥‥‥」

申し訳なさそうに 魔法少女が話し掛けてきた。


存在をすっかり忘れてた。


「んっ?何?」

間抜けな返事を返す。


「えっと‥‥

そのコって、アナタが召喚したんですか?

そのコは、使い魔?」


ヨク、ワカラナイ、デス。

外人になった気分。


言ってる事は勿論、理解出来てるんだけどね。


《俺をコチラの世界に安定させたのは、お前だ。

でも、お前に召喚された覚えもないし、使い魔になった覚えもない。

そう言ってやれ。》

はぃ‥‥

この感じって、僕より火トカゲさんのが、上だね。


「コッチの世界に来るのに僕の魔力を使ったらしいけど、使い魔になった覚えない。

そう言ってるよ。」


とりあえず、仰ってた事を伝えましたよ。

はぁ‥‥トカゲより下って‥‥


改めて、自己嫌悪です。


「へぇ‥‥

さっきから気になってたんですが、貴方って、言葉以外の声が聴こえてるんですか?」

魔法少女の興味は、僕に移ったみたい。


ジロジロと僕を見ている。


感じ悪っ。


散々、ジロジロと見た後に、何かを考えてる様子。


この世界の事が全く分からない僕は、コイツに頼るしかないのかも。

でも嫌いなんだよなぁ。


「あの~‥‥」

どうしようか考えている時に、魔法少女の方から、話し掛けてきた。


「何っ?」

話しは、聞いといてソンしないハズ。


「3食と眠る場所は、私が保証します。

お金も少しなら。

だから、私と契約しませんか?

使い魔になってください。」


使い魔って‥‥

何なんだ?


そりゃあ、何となく分かるよ。

ゲームとか、ファンタジー小説とか好きだから。


でも使い魔の定義?が分からない。


「あのさぁ、使い魔って、正確には、どんな意味?」

きちんと意味を成す言葉になったのか分からないけど、念のために聞いてみる。


《まぁ、要するにパシリだな。》

トカゲさん。

パシリとかって言葉知ってらっしゃっるんですね。


「えっとぉ‥‥そのっ‥‥」

まごまごと、答えにくい答えを 当たり障り無く言おうと、言葉を探している魔法少女。


「大体は、火トカゲさんに聞いたよ。

それで、僕のメリットって

【三食、少しの給料、住む部屋】ってだけ?

それなら、普通に働いても同じでしょ?」

使い魔って響きが、働く事よりもデメリットが、ある事を臭わせてる。


《お前‥‥只の弱虫じゃなかったんだな。

少しは頭、回る様だ。》

トカゲさんって、かなりキツいのね。

はぁ、泣きそっ。


「たっ、 確かに、そうかもしれないです。

でも契約を結べば、私と繋がる事が出来るんです。」

魔法少女の熱弁。


でも繋がるって‥‥

ちょっとエロい事を想像しちゃいました。

ゴメン。



「つまり、魔力の少ない貴方は、私の魔力を使う事が出来るんです。

こう見えても、魔力量には自信ありますし。

お願いします。」

最後には、深々と頭を下げた。


どうなの?


と言う感じで 肩のトカゲさんを見ると


《なかなか面白い事を考えたな。

確かに使い魔は、主人の魔力を借りて力を奮ったり、コチラ世界に安定する。


お前と契約すれば、お前が、あの娘の魔力を使える筈だな。


だが‥‥

人間同士が契約したのを俺は知らん。

どうなるかは、神のみぞ知る。だな。》

何だかワクワクして、らっしゃいませんか?


悩んでいると

「分かりました。

三食昼寝付き、おやつ付き。

4勤2休。

給料は、金貨2枚銀貨50枚。

プラス成果給。

これで、どうですか?」

魔法少女は、自信満々。


そもそも金貨や銀貨の貨幣価値が分からない。


「銀貨一枚で、何が買えんの?」

ストレートに尋ねた。

もう、面倒くさくなってきたから


「銀貨一枚で、ですか?

えっとぉ‥‥その‥‥

分かりません。」

下を向いて、恥ずかしそうにしている。


こうやって、見てると可愛いんだけどね。


「分からないって?」

その歳‥‥まぁ、見た目年齢なんだけど、それで知らないって。


「私‥‥お財布は、持たせてもらえなくて。

でも、金貨2枚銀貨50枚は、まぁまぁだと思います。」


本当っぽいけど‥‥


トカゲさんは、トカゲさんで、楽しんでる感じだし。


このままでは、何も始まらないよなぁ。


「う~ん‥‥

はぁ~‥‥‥‥

‥‥‥」


自分でも決断力ないと思うよ。

はぁ~‥‥


「分かったよ。

契約するけど、役に立たないからって簡単に解除するなよ?」

肩に乗ってるトカゲさんは、笑ってるみたい。


だって、好待遇なら、それに見合わなきゃ解約されちゃうでしょ。


「分かってますよ。

それに私から、お願いしたんですから。」

そう言うと、僕の額に指を付け


「%$@$#‥‥」

(我 汝‥‥‥)

呪文が止まる。


「えっと‥‥お名前伺っても、よろしいですか?

契約するのに名前を知ってると、より強く力を発揮出来るんです。

その前に私は

シルクス=フィン=エリスと申します。

エリスと呼んで下さい。」

小さく頭を下げる魔法少女。



「僕は、宮村 コウ。」


僕の答えに


「ミャムラー・コゥと仰るんですかぁ。

珍しいお名前ですね。」

エリス真顔だし。


《くっくっくっ。》

やっぱり、火トカゲさんは、笑ってる。


「僕の名前は

ミ・ヤ・ム・ラ・コ・ウ。

分かった?」

この世界では、ミャムラーより、もっと珍しい名前なんだろうなぁ。


「ミヤムラ・コウさん?」

エリスの頭の上には、クエスチョンが飛び交ってるのが見える様だよ。


「そうだよ。」

僕は、短く答えて目を逸らす。


名前を呼ばれただけなのに何だか、ちょっとテレた。


「じゃあ、改めて。」

そう言うと目を閉じる。


「&$#@\^+*‥‥」

(我、 汝【宮村 コウ】と、ここに契約を結ばん。)


呪文と共に僕の額に付けた指が、少し熱を持った様に感じた。


「契約は、完了しました。」

ニッコリ笑顔のエリス。


何か変化あんのか?

前と同じなんだけど。


「とりあえず帰ります。

着いて来て下さい。」

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