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真実

『ディスポーザブル』

 十年前に登場した体感リアルタイムFPS。

 これが未だに現役なのは、戦闘で得たポイントを現金に還元することが出来たからだった。

 広告表示すら無いので、ファーミングやスミッシングの一種ではないかと疑われた当初はプレイヤー数も少なかったが、今や登録アカウント数が一億人を超えている。

 既にプレイを辞めている人や、複数のアカウントを登録しているケースもあるが、それを鑑みても世界で一番人気のゲームには違いない。

 プレイヤーは『用捨人形ディスポーザブルズ』と呼ばれる身長三メートルほどの人型ロボットを操り、侵略者である『化生メタプレェシァ』から国を守るというコンセプトで作られている。

 倒した敵の種類や数によってポイントを取得し、人形と武器の購入を行う。

 用捨と頭に付くだけあって人形は使い捨て出来る。

 遠隔操作が出来るという設定なので、搭乗者は人形が破壊されても死なずに、替えの人形へと乗り換えることが出来るわけだ。

 全てが汎用機であるという無駄にリアルな設定が玄人受けしているのかもしれない。

 問題点を一つ挙げるならば、難易度が年々上昇していることくらいか。

 昔はどんなゲームでも必勝パターンというものが存在していた。しかし、人工知能が発達するにつれ、敵キャラが自分で思考し、ランダムに行動する。

 ぼくのように公開当初からやり込んでいるユーザーですら、攻略が難しくなってきている。

 一年前にあった特別ミッションにしてもそうだ。

 朝鮮半島から対馬へと渡る敵を阻止するための拠点防衛戦。

 攻略戦と違い、安全にポイントが稼げる為に、アメリカはもちろん、EUやカナダ、オーストラリア、ブラジルなど、普段見かけないユーザーが数多く参加した。

 ぼくのようなソロプレイヤーは遊撃に回り、部隊クランを組んでいる団体は一つの生き物であるような統率力を示し、大量の敵を屠っていく。

 軍隊というのを見たことは無いが、ぼくのような素人からしてみれば、彼らは現実の世界でも軍人になれるのではないかと思う。

 属島を含めても面積が約七百平方キロ程しかない対馬島。

 ぼくが知りうる限り最も多彩で、単位面積当たりでの参加人数が最も多い戦いだった。


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