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佐々原3

 ぼくが食堂で食べているのを見つけると、アレクシーは必ず隣に座ってくるようになった。

 いわく、一人で寂しそうに食べてるからとのこと。

 余計なお世話だ。

 今日は仕事の関係で長居をしていられないらしく、アレクシーは先に食堂を出て行った。

 話かけられていた為に、落ちていた食べるペースを上げて、手早く栄養補給を済ます。

 席は限られているので、長く使っていると、他の隊員に睨まれる。

 アレクシーが過去、そういった視線を気にした様子は無い。

 自分のペースで喋り切り、自分のテンポで食事を済ます。

 さすがだと思う。

 しかし、女子というのはなぜ、喋りながらもああも早く食べられるのだろうか。

 首を傾げつつ、部屋に戻ろうと食堂から出る。

 出口には佐々原がトレイを持って立っていた。

 中身は手つかず。

 汁物から湯気が昇っていないところを見ると、長いことこの場にいたらしい。

 こちらをじっと見上げている。

「よう」

「うん」

 何か用事があるのかと待ってみたが、何も話しかけて来ない。

 首を傾げつつ、ここに居ては往来の邪魔になる。

「また訓練でな」

 そうして、部屋に戻ろうと佐々原の横を通り過ぎる。

「アレクシスとはよく話す」

 通り過ぎ様に声を掛けられたので、振り返って見ると佐々原は既に食堂内に消えていた。

 アレクシーが勝手に話しかけてくるとか、勝手に隣に座ってくるのだとか。

 色々な反論が思い浮かび、追いかけて反論しようかとも考えたが、さっき自分で話しかけられるとご飯が遅くなると嘆いたことを思い出す。

 そうしてどちらか迷っていると。

 トレイを乱暴に置く音が、食堂内から聞こえた。

 ぼくは中を覗いて確認するような愚を犯さず、逃げるように部屋へと戻った。

 佐々原が何を怒っているのか。

 なんとか訓練までには辿り着きたい。

 不機嫌な時の彼女のプレイは厭らしさに磨きがかかる。

 回避できるルートがあるのならば、そちらを選択したい。

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