救出 -後編-
ボッサンとモリモリは、マンション“ブラックエンペラー”に着いた。
「モリモリ、ベランダのピンクのパジャマを探すんだ」
「了解ッス」
モリモリは双眼鏡で探し始める。
「お!」
モリモリの声にボッサンは身を乗り出した!
「あったか?」
「スケスケのブラジャー発見!」
「真面目に探せ!」
「あ、あった。ピンクのパジャマ!8階のベランダっすね」
「よし!8階だな」
ボッサンとモリモリは、エレベーターで8階に上がる。
「ここだな」
ドアの前まで来た。
すると隣のドアが開き、宅配便のお兄ちゃん(バンバンJr)が出て来た。
「ありがとうございましたー!」
深々と頭を下げる。
ボッサンがニヤリとした。
部屋の中では、部下のタカノブがテレビを見て大笑いしている。
「ヒィッヒッヒッヒッ!あ~腹イテ~!」
ピンポーン♪
「あん?誰だ?」
ドアの所に行って、覗き穴を覗きながら
「誰だ!」
「亀さんマークのオソイ宅配便でーす。お届け物でーす」
「何も頼んじゃいねーぞ。間違いだろ」
「住所はここなんすよね」
「知らねーよ。帰れ、帰れ」
「このまま帰ったら、上司に怒られちゃうんすよ。ここに来たって言う証拠に一応ハンコ下さい」
「しょうがねーな。ちょっと待ってろ」
ドアの横に張り付いてるボッサンがお兄ちゃんに親指を立てる。
カチャカチャとチェーンロックを外す音。
宅配のお兄ちゃんを横にどかす。
カチャン とロックの外れる音。
一呼吸置いて、ボッサンはドアを思いっきり蹴っ飛ばす!
ドアが勢いよく開く。
ボッサンとモリモリが突入する。
ドアの後ろにいた部下は、吹っ飛ばされていた。仰向けになりながら、腹に差してあるベレッタに手をかけた!
ボッサンはその手を踏んづけて
「警察だ!動くな!」
44マグナムを顔に向ける。
「動くと鼻の穴が3つになるぜ」
と言って鼻の頭に銃口を押しつけて撃鉄を起こした。
「ヒィ~!」
モリモリは突き当たりの部屋に入る。
ボッサンは、部下をうつ伏せにすると、後ろ手に手錠を掛ける。
「俺、もういいっすか~?」
宅配のお兄ちゃんが部屋の中をのぞき込んで言った。
「あ~もういいよ。有難う、助かったよ。それから、お前仕事変えた方がいいな。俳優をやれ」
「あざ~っす」
と言って走って行った。
モリモリは、横になってるユオを起こして口のガムテープを剥がす。
「助かった~!!」
ユオのロープを解くモリモリ。
「救出成功~」
ボッサンが銃をホルスターに戻しながら入って来た。
「ユオ、大丈夫か」
「ボッサン遅い~!」
ユオは嬉しそうな顔で2人を見上げていた。