逆転
ボッサンとユオに、RJの部下たちがジリジリと迫っていた。
ボッサンは周りを見渡して、ダンボールの中の新聞紙を見つけると、手早く丸めてメガホンにして、天井に向けて言った。
「こちらは川口警察だ!倉庫の周辺は完全に包囲した!武器を捨てて降参しなさい!」
声が倉庫全体に響きわたると、部下たちはキョロキョロしてビビり始めた。
「ユオ、奴らが撃ってくるまで撃つなよ」
ボッサンはホルスターから44マグナムをスラリと抜いた。
ユオもニューナンブを抜いて構えた。
「撃て撃て~!」
RJのかけ声で、部下3人のMP5が一斉に火を吹いた!
ボッサンとユオが隠れてる木箱はたちまち穴だらけになる。木の破片が上から降って来る。
ボッサンはチャンスを待っていた。
部下3人はあっという間にマガジン一本撃ち尽くした。
3人ともマガジン交換。
するとボッサンは、ユオを木箱の外に蹴り飛ばした!
「わ!何すんの!」
部下たちはマガジン装填!コッキングレバーを戻してユオに銃口を向けた!
次の瞬間、ボッサンは箱の反対側に飛び出して部下3人に向けてトリガーを引いた!
見事命中!3人は吹っ飛んだ。
それを見ていたRJは、倉庫の外に逃げて行く。
そして車の走り去る音。
ボッサンは額の汗を拭って立ち上がり、ユオに声をかけた。
「大丈夫か~」
ユオは腰をさすりながら立ち上がり、ボッサンに文句を言った。
「ボッサン、ひで~や~」
「上手くいったろ?」
そう言って銃をホルスターに回さずに戻した。
応援を呼んで、部下3人を逮捕(急所を外してあった)。武器も押収。
大井埠頭周辺に非常線を張ったが、RJは捕らえられなかった。
署に戻ってデカ長に報告して、ユオは自宅に向かった。
ユオはアパートで1人暮らしを始めて1年になる。
アパートの階段を上がりながらユオは思った。
「今日は結構活躍したな」
ドアの鍵を開けて中に入る。
ドアを閉めた時、後ろに気配を感じた。
とっさに振り返った!
バチバチバチッ!
ユオはその場に倒れた。
その足元には、スタンガンを持った男が笑って立っていた‥