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古傷

 ユオの情報で今晩RJが日本を脱出する事を知り、場所と時間を特定するべくRJの部下を尋問中である。

「いい加減吐いたらどうだ!」

両手で机を叩く。灰皿が跳ねる。

部下のタカノブは椅子にふんぞり返って鼻くそをほじりながら言った。

「だから知らねーって言ってんじゃん。まー知ってても言わねーけどな」

「てめー!ふざけやがって!」

ボッサンはタカノブの胸ぐらを掴んで怒鳴った!

「殴る気か。殴ったら訴えてやるぞ」

ボッサンは渋々手を下ろすと、スタンドライトを引ったくって部下の顔にライトを当てた。

「吐け~!!」

「わ~、テレビで見たことある。ほんとにやるんだ。コントみたい」

笑いながら答えるタカノブを見て、ボッサンはスタンドライトを置いて腕組みをする。

「次はあれでしょ。生まれは何処だ~とか、親は元気か~とか言うんでしょ」

「・・・」

図星であった。

ボッサンは取り調べ室を出た。

「完全になめられてる」

うなだれているボッサンにユオは言った。

「ボッサンは取り調べ向いて無い」

すると、何処からとも無く現れて、ボッサンの肩をポンと叩く人物がいた。

「手こずってますな」

ボッサンは振り返って言った。

「アヤさ~ん!」

?

 紹介しよう。綾波零冶朗。通称“落としのアヤさん”

来年定年のベテラン刑事。アヤさんの手に掛かると、どんなに強情な奴でも自白してしまうと言う、落としのプロである。

酒が大好きで急性肝炎になって入院していたが、一週間で退院してしまいその足でここへ来たのである。

ボッサンは心配そうに聞いた。

「アヤさんもう大丈夫なんスか?」

「病院の飯はマズくてな。酒も飲めんし。一週間も居りゃ~充分だろ」

「それ、マズくないスか?」

「そんな事より、俺が居ない間に面倒な事になっとるな」

「そうなんスよ。今日逮捕した奴もなかなか強情で」

「分かった。俺にまかせろ」

と言うと、取り調べ室に入っていった。


5分後、アヤさんが取り調べ室から出てきた。

「落ちたぞ。午後7時に本牧埠頭B突堤1号岸壁 貨物船“ジェニー”」

「さすが、落としのアヤさん。なんて説得したんスか?」

「なぁ~に。昔のMGOの事をちょっと聞いたら、ボロボロ泣き出してすぐ喋ったよ」

「www」

ラッキーデカ長が立ち上がって言った。

「時間が無いぞ。本牧埠頭に急行してくれ!」

「了解!」

ボッサン、ユオ、モリモリは本牧埠頭に向かった‥


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