ボッサンと愉快な仲間たち
私が初めて書いた連載小説です。
今読み返すと酷い出来ですが、投稿しておきます。
第1話-ボッサンと愉快な仲間たち-
‥ボッサン‥ボッサンってば!‥
「ん?誰だ?俺の名前を呼ぶ奴は」
「ボッサン、もう起きなって。ぷっ」
笑いをかみ殺しながらボッサンを呼ぶユオ。
「うるせーなー。もうちょっと寝かせろよ」
目を瞑ったまま文句を言うボッサン。
「顔でも洗って目~さましな。ぷぷっ」
肩を揺すりながら笑いを堪えてボッサンを起こすユオ。
「さっきから何笑ってんだよ。バカじゃねーの。あ~昨日は飲み過ぎたな~」
渋々ソファーから起き上がって、洗面台に向かうボッサン。そして目をこすりながら鏡を覗き込む。
「ん?まぶたの上に何か書いてあるぞ?」
片目をつぶってみると、まぶたの上に少女マンガ風のキラキラした目がマジックで書いてあった。
「ゴルァ~!誰じゃ~!こんなもん書いた奴は!しかも油性マジックで書きやがって!」
水でジャブジャブ顔を洗いながら激怒するボッサン。
腹を抱えて大笑いするユオ。
「あ、それ僕ッス。居眠りこいてるのバレないように、目を書いときました~。ハハハハ~」
マジックを持ちながら平気で言い放つモリモリ。
ゲラゲラ笑うユオ。
「ハハハハ~じゃねーよ。これじゃベルばらのオスカルじゃねーか。神よ!今一度光を!」
両目をつぶって手を伸ばすボッサン。
「そのセリフはアンドレ。ヒャハハハハ~」
笑い転げるユオ。
「どっちだってええわ!」
ユオに首四の字をかけるボッサン。
「いててて。なんで僕なの」
「うるせー。笑い過ぎだ」
「うぅ‥ぐるじ‥い‥」
首に巻かれたボッサンの腕を叩くユオ。
「もうその辺にしとけ。それより、昨日のやまの聞き込みに早く行ってこい」
じゃれ合っている二人を冷ややかな目で見ながら言うラッキーデカ長。
さて、ここは川口警察署の捜査1課の部屋。
アンドレ、じゃない ボッサンこと荻野目勇次。刑事生活25年。叩き上げのベテラン刑事。いつも酔っ払ってる。
ユオこと三神田龍一。まだ1年目の新米刑事。アニオタで武器オタ。
もりもりこと盛田一義。10年目の中堅刑事。新婚ホヤホヤ。
ラッキーこと神倉裕次郎。せっかちな捜査1課のボスである。
「了解です。ほらユオいくぞ」
ボッサンは、四つん這いでゼイゼイいってるユオの襟元を掴んで部屋を出て行った。