どうしてファンタジーの世界に女学生がいるのさ?!
一九六七年夏。
鳥取県立由良育英高校二年女子一番。西尾由紀子と言う少女がいた。
概ね良くある話だが彼女は神社の境内にて親友の武田彰子と遊んでいたところ隠されていた古井戸の戸板を踏み抜いてしまいそのまま落下。溺死するところ神隠しに遭い、不思議な世界にたどり着いた。
その世界こそ『箱庭』と呼ばれる各国王族と宗教的指導者『神聖皇帝』率いる人間族と『魔王ディーヌスレイト』なる魔導人形を崇める魔族の二つの種族が666年に渡って相争う戦乱の地だったのである。
事情を知らぬ魔族たちが由紀子を子供と誤解し、保護しなければ今頃由紀子は三枚おろしになっていた。全然嬉しくない。
こともあろうに由紀子。
魔王を倒すために召喚された『勇者』の一員でありながら魔王の本拠地ど真ん中、魔王城はノーム砦(※現バルラーン絶対領域)の古井戸に落下した。
彼女は水運にも幸運にも見放されているようである。
そして彼女の不幸気質と水運の無さは後にこの世界をも救うのだがその話は別にしたい。
この物語は何故か『バスケットボール』を行うことになった魔王軍と人間たちの顛末を通して、和平成立に至るまでを描いた物語。
に。なる筈だ。たぶん。