基本的ルールがなっていません
「くたばれぇええええええええええええええっ?!!!!! 」
魔王直属。炎魔将『サラマンダー』の『じごくのかえん』が発動。
慌てて風魔将『シルフィード』が封印魔法で周囲の被害を軽減した。少しは遠慮しろ。炎魔将!?
「ククク。血が燃える」お前には血が無い。サラマンダー。
「フハハハハ。愉快愉快」笑っている場合か風魔将。
観戦席にて由紀子が呟く。
「魔王様。押されていませんか」「う、うむ」調子に乗って召喚しすぎたなんて言えない魔王は内心冷や汗を垂らしている。
「落ち着け。剣を取れ。陣形を崩すな。私の後ろに回れッ 」
由紀子の養父、土魔将『ノーム』が防御陣形を土魔法で作り、その横では彼の妻である上位巨人族ガイアが本来のサイズで暴れまわっている。ちなみに服も大きくなる。残念無念。
水魔将『ウンディーネ』は嬉々として指揮を飛ばす。
「頭蓋骨足りないわよッ しゅーとしゅーと! 」
一斉にスケルトンたちが自らの頭蓋骨を投げる。
ちなみに審判は得点を無視した。ボールは一コート一つまでである。
異世界から来た魔物、妖怪、神族たちは剣やら銃のような武器を片手に大暴れ。
それでも魔将たちの酔狂に付き合ってくれるだけましだ。
「いけッ シュートシュート! 」「おじいちゃんがんば~! 」
『子供たち』の応援が飛ぶが貴様らも手伝え。世界の危機だ。
剣が振るわれ、蹴りが巨人を吹き飛ばし、雷が吹き荒れるシアイを収めたのは意外にも一人の女子高生だった。
「みなさん」
由紀子は一言一句丁寧にルールを説明する。
「競技における人数制限をこえております。関係ない競技者は即刻出て行ってください」
異世界から来た悪魔や精霊や神族は一人の女子高生に頭を下げ、元の世界に帰還していった。
素直な奴らだったらしい。