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分類とタギング:代理タグと自明タグ

【自明タグ】

cookpadには「料理」というタグはおそらくは存在しない。なぜなら、cookpadというSNSに位置しているだけで、そのコンテンツには「料理」というタグが付けられていることになるだろうから。


同様に、ニコ動には「動画」タグが、muzieには「音楽」タグが、pixivには「画像」タグが、それぞれ存在しない(だろう)。


このように、サイトの方向性から容易に判別できる大きな区分は、その分類上つまり分類を提供しているそのSNS上には存在しえない「自明タグ」である。「存在しない」、ここが重要になる。代理タグあるいは暗黙のタグは、そのサイトには機能として必ず存在する。表面上は存在していない分類を与えている「もの」が、自明タグなどであろう。


※ 大抵は、SNSの名称にから自明タグが連想できる。



○ ニコ動 「動画」

ニコ動には、「動画」というタグは存在し、そのタグが付されている動画は1000件ほどある。ニコ百にも記事が存在する。

「動画」の派生タグは数え切れないほどある。「文字を読む動画」「誰得動画」などであり、その一覧のページも存在する。


○ muzie 「音楽」

タグ検索によれば、162曲存在する。2012/05あたりでの楽曲数がおおよそ20万曲、その内の162曲しか、「音楽」というタグをもっていない。


○ pixiv 「画像」「絵」

タグを完全一致で調べてみると、

「画像」 342件 ピク百になし

「絵」 7015件 ピク百にあり



【代理タグ】

novelist全体で30000作品。そのうち、二次創作は20000作品。一次創作は10000であり、カテゴリの「掌編・ショートショート」はその20%を占める。長さの分類では、「長編」はカテゴリにはもちろん見当たらない。短編では作品の内容までもが規定されるからだろう。手ごろな話題と秀逸なオチ・〆というテクニックを、作品の長さから期待しているらしい。「なろう」では同等であろう「ショートショート」というタグがある。これは、星新一のような読後感を期待させるタグだ、とも言える。作品の長さではなく、ある一定の読感を期待させるジャンルのタグとして機能している。だから、中編や長編などのタグは存在していない。


「なろう」では、タグとして暗黙のうちに「長編」が付けられている。作品区分を連載にすれば、それは暗黙のうちに「長編」というタグを付けたのと同義。だからこそ、わざわざ「長編」というタグを付ける必要はない。



【代理タグと自明タグ】

代理タグ。タグではないが、タグとして働いているもの。暗黙のうちのタグ。コンテンツを分類するもの(divisor)として働いているもの。主に、SNSやソフトウェアの機能で提供されている、コンテンツへの分類を指す。その機能こそが代理タグである。


・代理タグ SNSの機能が提供してしまっている分類方法。存在する。

・自明タグ SNSの傾向からすぐさま直感できる大分類。タグとして存在しうるが、少ない。


※ それらの傾向および分類方法・分類機能をタグ化した場合のタグが、代理タグと自明タグ。




■ 「なろう」での代理タグ

※ 結論を言えば、連載機能は「長編」タグの代理である。



普通の検索での検索結果。


短編 4719

長編  573


タグだけでは「なろう」の文章の実態を表さない。もしも、「なろう」が遺跡化してタグと本文だけが残る場合、タグからサイトの傾向を推測すると、短編の方が長編よりも多いサイトだと認定されてしまう。


さらに、キーワード検索(タグを検索)では次の通り。本文の長さという形式的な側面を表す(と思われる)タグ群。詳細検索でのキーワード検索。


SS 1636 (ショートショート)

200   928 (200文字小説など)

短編 2105

掌編  705

長編  182

連載  164


純粋にタグだけで検索すれば、この「なろう」というサイトには長編が全然存在しないことになる。


ファンタジー 17559


ついでに、タグ数一位と目されるタグ、「ファンタジー」での(詳細の)検索結果。こちらは長編、短編などとは違い、物語の内容・傾向を示すタグ。作品長さと作品内容でのタグは、排他的ではないだろう。


しかし、上のタグ数から純粋に数えてみると、ファンタジーの13000作品には作品長さを表すタグが付いていないことになる。しかも「なろう」にはファンタジーだけがあるわけではないので、ほとんどの作品には作品長さタグは付けられていない、と言うことになってしまう。


無論、これは大きな間違いで、「なろう」でのほとんどの作品は連載機能を使って暗黙のうちに「長編」のタグとして提供されているからだ。


自明タグの観点からみれば、なろうには「文芸」「小説」なるタグはもっと少ないだろう。最高位の概念でありSNS全体が醸し出す分類の「文芸」なるタグは、なろうでは自明タグとなる。従って、なろうというサイトをタグから推測するとすれば、そこにある文芸というタグが少ないので、「ここには文芸が置いていない」と判断されてしまうだろう。



○ 機能とタグの競合

つまり、このように、SNSの機能により、作品に付されるべきタグが付けられていない。機能のせいで、コンテンツへの重要なメタ情報が欠けてしまっている。SNSの機能がタグとして働いているくせに、タグとして登録されていない。総称して、SNSの機能は、代理タグである。


良く使うであろうタグを機能として提供している。あるいは、その「長編」と言うタグを付けさせないために、機能で誘導している。はたまた、どんな種別のコンテンツが「正しい」のか、機能で制限・誘導している。そのサイトの機能に最も適合したコンテンツが「正しい」と評価されるようになっている。


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