1.私って 悪役令嬢?!
よくある悪役令嬢とは最終的には全然違う形になると思いますが、楽しんでいただけると幸いです!
誤字、脱字報告宜しくお願いします!
よく晴れた日だった。
暖かな日差しが降り注ぐ中、わたくしクラウディア・ルミエールは、そわそわしながら皇子殿下の到着を待っていた。
(わたくしはとっても可愛いのだから、絶対に婚約者に選ばれるのよ!)
今日はエルヴァリエ帝国第一皇子、レオンハルト・エルヴァリエ殿下の婚約者候補お披露目パーティー。
会場にはわたくしと同じ年頃の令嬢たちが集まっている。
皆どこか緊張した面持ちだ。
けれど、わたくしは違う。
侯爵令嬢であるこのわたくしが選ばれるに決まっているのだから。
(待っていてくださいませ、未来の婚約者様!)
そんなことを考えていると、会場に鐘の音が響いた。
リーン――ゴーン。
ざわついていた会場が静まり返る。
「第一皇子殿下並びに第一皇女殿下のご到着です」
侍従の声が高らかに響いた。
その瞬間、会場中の令嬢たちが一斉に扉へと視線を向ける。
わたくしも胸を高鳴らせながら顔を上げた。
(さあ、お会いしましょう! わたくしの未来の婚約者様!)
そして――。
扉の向こうから現れた金髪の少年を見た、その時だった。
ズキッ――!
激しい痛みが頭を貫いた。
「っ……!?」
視界がぐらりと揺れる。
同時に、見たこともないはずの光景が脳裏に流れ込んできた。
白い天井。
病室の匂い。
鳴り止まない機械音。
ピッ、ピッ、ピッ――。
誰かの泣きそうな声。
『これやってみて!』
『レオンハルト様かっこいい!』
『ああ、推し最高……』
『死ぬなら推しの近くに転生したいな……』
次から次へと流れ込む記憶。
知らないはずなのに知っている。
違う。
これは――私の記憶だ。
そして、全てを思い出した。
前世の名前は明希。
病気で亡くなった女子高校生。
そして今いるこの世界は――
乙女ゲーム『魔法使い貴族 一途に私に恋して』の世界。
つまり。
「私って……悪役令嬢じゃん……!」
顔から血の気が引いた。
クラウディア・ルミエール。
ゲームに登場する悪役令嬢。
主人公に嫌がらせをし、最後には破滅するキャラクター。
しかも――
死亡率百パーセント。
全ルート死亡確定。
「え」
待って。
ちょっと待って。
推しの近くに転生したいとは願った。
確かに願った。
でも。
死亡確定キャラになりたいとは言ってない!
「うそぉぉぉぉぉっ!?」
そう叫ぶよりも早く。
わたくしの意識は真っ暗になった。
そして――
盛大に後ろへ倒れ込んだのだった。
読んでいただきありがとうございました。
クラウディアの様子が面白いので、次回も楽しみにしておいてください!




