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One Apple  作者: 胡瓜パフェ
第三章 傲慢・暴食
15/26

幻影②

北と南に分かれぶつかり合う2つの国。

友、家族、故郷、全てを失い、ただひたすら復讐だけを願う少女とその仲間、そしてその敵。

そんな人間たちの人生を描いていく物語。

ルシファーは悩んでいた。

サタンの死から1年。大将軍の器のある者は現れず

ベルフェゴールは相変わらず放浪していて、

なかなか勢力を盛り返せなかった。

だが、彼女の考えはもう1つだった。


「ベルフェゴールを呼べ」


遠征中の部下を待っていたベルフェゴールだったが、

女王の命令となると仕方がなかった。

月が出ない、薄暗い夜の中話している。


「ベルゼブブを殺す。策はあるか。」


「んー。でもあの人異能力わかんないし、

無理に刺激するんは危険じゃない?」


「どんな能力でも私にかかれば問題無いだろう」


「そんじゃ一騎打ちでも申し込んだらどーです?

戦いたいのはアンタだけでしょ」


「一騎打ちか…アリだな。勝てば士気も上がる」


「アンタ負けた時の心配した事ないんで?」


「どんな敵も打ち負かすさ。

お前はもう少し慎みを覚えろ」


「んな事言われてもこっちは任務の途中…」


大きな音を立てルシファーが出ていった。


「全く人使いも言葉遣いも荒い…」


まさかお互いのしようとしていることが

同じだというとはまだ知らなかった。


当然このことは大きな話題となった。


「ルシファーが一騎打ちを要求、か」


ベルゼブブは驚きながらも喜んでいた。

このことはレインたちの耳にも入った。


「だってさ、観戦しに行く?」


「スポーツじゃないんだから…」


マモンの幻影と出会ってから、この4人の中では

昔の空気が蘇りつつあった。


「ハイドはどーする?みんな行くっぽいけど」


「……あ、私ですか…行けそうだったら行きますね」


たった1人を除いて。


その夜、ハイドは部屋の窓を開けた。

昔のように4人共通ではなく、

それぞれの部屋に別れていた。

ハイドのことを心配していたサクラが

こっそりと様子を見る。


(風にでも当たるのかな……)


すると、外から霧が入ってきた。

サクラはその光景を見て驚愕した。

その霧は形を作って、マモンになった。


(これは…一体………)


すると、ハイドが喋る。


「マモン様…私はどうすればいいのですか…

もう、仲間達も怖いです。」


マモンが答える。


「無理に信用する必要は無いのさ。

誰だって味方なわけない。君は1人でも強い。

1人でも戦える。これまでもこれからも…」


サクラはその様子を見て、混乱した。

だが、瞬時に冷静になった。


「【波動】感知」


波が感じられない。サクラは理解した。

これはマモン様じゃない。


「【波動】波動砲!」


波動砲はマモンの幻影を消し飛ばす。

ハイドが驚く。


「サクラ!?何を!?」


「見りゃわかんだろ!コイツは幻覚だ!

まず幻覚見せてくるやつが味方なはずねえ!」


消し飛んだはずの霧がまとまる。


「サクラ…何をしているんだい…」


「お前はマモンじゃねぇ!分かりやすいんだよ!

第一マモン様は攻撃されたら

機嫌良くても10倍にして返してくるぞ!」


するとマモンがまた霧となっていく。

ハイドがボーっとしていた。


「ハイド!大丈夫か!何だったんだあれは!」


するとハイドはたった一言呟く。


「ごめんなさい」


その瞬間サクラはハイドを見失った。


「【分散】!?」


それに気づいた頃にはもう、ハイドはいなかった。

お詫び

「ハイド」の能力名が変わっている件について

これからの表記は【分散】とします。

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