憤怒②
北と南に分かれぶつかり合う2つの国。
友、家族、故郷、全てを失い、ただひたすら復讐だけを願う少女とその仲間、そしてその敵。
そんな人間たちの人生を描いていく物語。
いよいよ戦いは最終局面。
朝から始まっていたが、
日がゆっくりと沈んできている。
「俺が【憤怒の火山】を使ったから弱くなったと?」
「あんな技使って疲れない方がおかしいぜ。
実際顔色悪そうだぞお前。」
「ハッ言ってくれる。
じゃあ戦闘スタイル変えてやるよ。」
サタンの雰囲気が変わった。
「【憤怒の炎拳】
【憤怒の炎脚】」
サクラは驚いた。
(一度に2つの能力…!)
瞬きひとつの間にサタンは
すぐそこまで近づいてきていた。
「消費の少ない近距離戦闘スタイルか!
随分便利なこった!」
マモンが機関銃を構えた。
「俺は今イライラしてるぜ!
灰カスになって燃え尽きろ!
【憤怒の炎挙】!!!」
「こっちは嬉しいぜ!部下がここまで
追い詰めてくれてんだからな!ボッチ野郎!」
煽り煽られながら、戦ってる中にサクラは中々
入れずにいた。だが、近距離戦闘ではマモンは
厳しそうに見えた。
「レインのように、私もやらなきゃ…!
【波動】真空波!」
サタンの炎がかき消される。
するとマモンが叫ぶ。
「サクラ!5秒くれ!俺が切り札を出す!」
「そんなこと言ったら余計お前を狙うだろが!」
サタンはサクラには目もくれず戦い続けた。
だがこれも、ひとつの作戦であった。
「ありがとうございますマモン様。
私の【波動】を全て…この一撃に込める…!」
切り札である大技を出そうとしたのはサクラであった
いち早く気づいたサタンはすぐに攻撃を繰り出した。
「させるかよ!【憤怒の炎龍】!」
サクラはエネルギーを溜めた状態で避けた。
サタンはまともに受けるとかなりダメージを
受けることになると判断し、サクラを追った。
「お前みるみる成長してくな!敵ながら面白い!
余計燃えカスになる所が楽しみだ!」
「うっさいよ。燃えてるのはアンタだから、
先に燃えカスになるのはあんたでしょ?」
サクラは感じていた。食らったら即死の攻撃を
連発してくる相手の前で、対等ではなくとも、
戦えている。味方の役に立てている。
「ありがたいよホントに。私やるじゃん…
【波動】金縛り」
全ての波動を込めた技。それは格上相手を
1秒でも足止めできる金縛りであった。
当然、すぐに破られた。だが…
「5秒ですよ。マモン様」
「いや、7秒は経った。140点だ。」
マモンの右手が大砲の形になって、
サタンの方に向けられていた。
これが切り札であった。
サタンは命の危機を感じ、力を振り絞った。
「うがぁぁぁあああ!耐えろ!【憤怒の不死鳥】!」
「みんなのおかげだな。【強欲の流星】」
【憤怒の不死鳥】に穴が空いた。
サタンが目視できたのはそれだけで、
自分の心臓に空いた穴が空いたことに
気が付かなかった。ただただ速すぎた。
「マモン様が…勝った……!」
サクラは喜びに満ち溢れた。
一方でサタンは驚きに溢れていた。
「俺が…やられた………
嘘だ…こんな格下に……
認めん…認めん………」
周りの気温が上がってきた。
マモンは何か嫌な予感を感じた。
「全員!空へ逃げろ!!!」
「俺が負けるはずがない…!!!
俺だけが勝者だぁ!!!」
サタン最期の攻撃。それは自爆とも呼べる技。
【憤怒の火山】
サタンがいた場所は溶岩に包まれた。
辺り一面は溶岩の海となった。
「【浄化】」
マモンたちはなんとか目を覚ましたレインの
【浄化】によって、溶岩からの安全地帯を
作ってもらっていたため無事だった。
「私こんな大きな円描くの初めてなんで…体力が…」
「そのおかげで援軍まで助かってんだ。
感謝するぜ。」
レヴィンはレインの姿を見て少し驚いていた。
「なんだかレイン強くなってる…
なんかあった?」
「別に何も。今は嬉しい気分だから」
そうして、夜には溶岩の全て固まっていた。
マモン達は疲れ果てていたが、勝利の喜びを
分かちあっていた。だが、
「おうおう、ディアボロスが死んだっぽいな。」
そんな所に攻めてくる脅威。
誰もが恐れていた者が、
誰もが恐れていたタイミングで襲来した。
「仇討ちだ。楽しくやろうぜ。
【怠惰の鎖】
【怠惰の馬車】
せっかくの訪問ありがとうな。
お前達にはここらで力尽きてもらう。」
能力紹介その8
異能力【憤怒】
攻撃力……5
俊敏性……4
防御力……5
技範囲……5
隠密性……1
5 高い ↔ 低い 1
〈能力者のひとこと〉
なんかムカつく!!