第四十八話 ホールカット・ホールランド
コック姿の人形に付いているモニターには『ホールカット・ホールランド』の文字がモニターに映し出された。
「ルール説明の前にお2人にはこれをつけていただきます。」
2人にはインカムが手渡され、それを着けるように促される。2人は指示に従いインカムを身につけた。
「それでは、今回のゲームの舞台であるコックドームに入ってもらいます。」
促されるがままに、ドームの入口から中に入ろうとする。1人は鼻歌を歌いながら、1人は周りを事細かに確認しながら地獄の舞台へと足を踏み入れていく。
「それでは、椅子に座ってください。」
2人のインカムから片山の声が聞こえてくる。そして、2人が椅子に座ると、椅子から拘束具のようなものが飛び出し、胴体と足をがっちりと拘束する。
「今回行うゲーム、ホールカット・ホールランドはレベル5のゲームですので、くれぐれも注意してください。それでは、ホールカット・ホールランドのルール説明をさせていただきます。」
片山が話終えるのと同時に2人の机に付いているタブレットに電源が入り、光を発する。
「ホールカット・ホールランドは、ケーキを後ろにいるお客さんに提供し、三ツ星を目指すのが目的です。タブレットを見てください。」
2人のタブレットにはケーキのような形の円があり、その円が八等分になるように線が引かれている。そして、線に区分されたことによってできた八個の扇形にはそれぞれ1~8の数字が記されていた。
「お2人のタブレットにうつっていますのはサークルケーキというものです。サークルケーキは全8ピースで構成されており、それぞれに1~8の数字が割り当てらています。そして、それを切り分けることでゲームは進んでいきます。」
今度はコック姿の人形についているモニターに電源が入り、ターンの流れが映し出される。
「ゲームの主な流れを説明致します。このゲームの1ラウンドは4つのターンに分けることが出来ます。カット、チョイス、イート、ジャッジの4つです。これら4つのターンを繰り返し行っていただくことでゲームは進みます。」
モニターがカットの説明に切り替わる。
「カットでは、タブレットにうつっていますサークルケーキを3等分にわけていただきます。」
続いてモニターがチョイスの説明に切り替わる。
「チョイスでは、3等分に分かれた相手のサークルケーキから1つを選択していただきます。この時、サークルケーキは黒塗りされているため、数字はわかりません。その後、再び自身のサークルケーキが戻ってきますので、残りの2欠片から1つ選んでもらいます。この時もサークルケーキは黒塗りのままなので、カットした時の数字は覚えておいた方が賢明です。」
再びモニターが切り替わり、イートの説明にうつる。
「イートでは、取得されなかったサークルケーキの欠片を計2つがコックによって廃棄されます。この時、ある条件を満たしてしまうと、コックの怒りに触れてしまい、お仕置が起こってしまいますので、そこには注意してください。その後、お2人が各々獲得した2つのサークルケーキの欠片の数字を合計したものがモニターに映し出されます。そして、数字が多い方にコックは料理を提供します。その料理を後ろのお客さんが食べると、ハート型の画面の半分が赤く光ります。つまり、お客さんの満足度が半分上がると言うことです。」
そして、モニターがジャッジの説明に切り替わる。
「最後のターンであるジャッジでは、お客さんのハートが満タン、つまり、2回料理を提供され、食した状態にある場合、星が1つ贈呈されます。贈呈されますと、お客さまの満足度が0にリセットされ、再びカットから再開されます。」
勝敗に関しての説明に画面が切り替わる。
「ホールカット・ホールランドの勝敗は、相手プレイヤーの死か、先に星を3つ獲得することです。もし先に星を3つ獲得されてしまいすと、コックから見放されてしまい、机にしまってある大きなフォークによって体を貫かれてしまいますので、くれぐれも気をつけてください。また、これだけだと味気ないと思いますので、味変としてテイスティングという行為を用意致しました。」
画面がテイスティングの説明へとうつる。
「テイスティングとは、チョイスの時に行える行為であり、黒塗りのサークルケーキから1つのピースを選択し、それを公開するというものです。この行為は、チョイス時にインカムでテイスティングを行う旨を示していただければ出来ます。ただし、テイスティングはゲーム中に1度しか行えませんので、使う場所は慎重に吟味してください。」
コック姿の人形に付いているモニターがコックの服の柄を映し出し、一体感をうむ。
「ルールの補足を致します。サークルケーキの数字は1ラウンドごとに変わります。それから、ジャッジの時に引き分けが起きた場合、コックに怒りゲージが1溜まっていきます。これが7溜まってしまいますと、問答無用にフォークがお2人の体を貫き、命を奪ってしまいますので、注意してください。」
ホールカット・ホールランドの説明を終えた片山は一息つく。
「それでは、何か質問などありますか?」
ドームの中にいる2人を見渡すが、インカムから声はしない。
「無いようですので、これより、ホールカット・ホールランド。開始です。」
片山の合図により、お互いの命と組織を賭けたゲーム、ホールカット・ホールランドが幕を上げた。
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