世の中は思い通りにならない
読んでくれ
みんなふと思ったことないか?
気になる女子とどうやって接点を持つか。
普通なら友達の紹介だったり、その子が誰かと喋ってる時に何事もないかのように混ざる。
ちょっとウザがられるかもだけどその後の会話をうまく回せば問題ない。
だが、彼女には通じないであろう。
安倍さんと同じクラスになって僕が分かったことは、
彼女は誰とも普通に喋らない。
なんなら友達もいない。
だから別の作戦を考える必要があった。
そして思いついたのだよ。
完璧な作戦が!
俺はこの作戦をこう名付ける!!
「堕ちろ神聖なる女神よ」
俺ははクールな顔でぼそっとその完璧な作戦名を口に出した。
やばい今の俺最高にかっこよすぎる。
こんなところ他の女子に見られたら惚れられる。
新たなヒロインが登場されたらまずい。
俺はヒロインレースが嫌いだからな。
だが一応周りをチラチラみて見る、
なるほどこれが承認欲求か納得。
そんなことを思っていると後から声が聞こえてくる
「観ってたま〜にキモいよね~」
え、酷くねあいつ一応友達だよね?
「あいつ未だに厨二病だからほっといてやれ」
お前も友達なら否定してくれない?
「咲も優も言いすぎだよ多分本人はかっこいいって思ってるからやめてあげて、まぁダサいけど」
「よしお前らとは今日でお別れだ。」
「「「やった~」」」
うん、君たちは今日も仲良しだねー
「え、俺ってお前たちになんかした?普通に扱いが酷すぎやろ」
「私は教科書とペンを貸してなくされました〜」
「俺は全然似てない声真似で知らいない女子に告白されて、知らない間に振られた、、、」
「僕は知らいないとこで勝手に名前使われて知らないヤンキーとの喧嘩に使われた、しかも自分から喧嘩売るだけ売って、逃げるし」
「あ〜あれヤバかったよね〜その事件せいでここら辺で訳の分からないヤンキーがうちの生徒に高橋京を知ってるかって聞き回ってるらしいよ〜」
「てか普通に考えて覆面被って自分の友達のフルネーム叫びながらヤンキーに喧嘩売るの頭やばいでしょ」
なるほど最低だ、俺って。
「逆に何で今日まで関わってくれたんだよ」
はいここでお前らにチャンスをやろう。
お前ら分かっているはずだここで「友達だから」
って言えば俺たちの感動なる青春が完成される。
さー言え、言うのだ。
「う〜んペンと教科書返してほしいから」
「弱みを見つけてやり返したいから」
「くたばってくれ」
なるほどね。
「え、お前らヤバくね?」
「「「お前が言うな」」」
そんな三人のハモリを聞いて俺は思う。
こんなことをやっている場合ではないと。
次の授業は移動教室、俺の作戦が開始される時間だ!
昼休みが終わるにはあと十五分ぐらいある、しかし安倍さんは移動教室のときはすぐに移動してその教室で
漫画を読んでいるはずだ。
つまり俺が今とる最善の選択肢はこいつらから逃亡&移動しかない。
「お前らとはもうちょっと語り合いたかった、だが授業が俺を許してくれないみたいだ、さらば友よ!」
そう高々に宣言し俺は逃げた。
「逃げたね〜」
「だな」
「だね」
そして場面は移り変わり、化学室へ。
俺は化学室に入るとそこには安倍さんと、二三人のクラスメイトがいたまぁここまでは予想どうりだ。
そして化学室での授業は基本自由席だ。
そこでグループを作って実験をする。
自由席だからこそみんな自分の友達と同じグループになろうとする。
だからこそ安倍さんと同じグループになろうなんて奴はいない、そう俺以外はな!
とりま一回落ち着いて安倍さんの隣にさりげなくスッと座る。
すると安倍さん一瞬こっちをみたあとにすぐ漫画を読む作業に戻った。
やっぱ隣に座ったぐらいじゃ大した反応はこないか。
ここ最近俺が安倍さんを観察してて思ったことがある。
安倍さんは誰に話しかけられても絶対に無視する。
だから逆転の発想ってやつをした。
話しかけられても無視するなら、話しかけてもらう。
人間は視線を感じる生き物だ。
つまり俺の作戦『堕ちろ神聖なる女神よ』は
こんな感じだ、
「あの、さっきから何ジロジロみてるんですか?私の顔に何かついてます?」
「あ、いやついてないよ!ただ君の読んでるその漫画が気になってそれってあれだよね?○○○シリーズのスピンオフだよね」
「え、君もこれ知ってるの?すごい!好き!結婚して!」
完璧だ!これでいこ
俺はエンタメに関してはなんでも知っている。
人間は結局共感されたい生き物だからね。
それは彼女も同じことだろう。
そうと決まれば、ガン見だ。
じーっとすること5分、ようやく彼女がこっちを見て口を開いた。
キタキターさーこいなんでもかかってこい。
ギャルゲーと○ゲーを幾度となくコントローラーでトゥルーエンドに導いた俺の脳味噌を舐めるなよ安倍さん。
どんな選択肢がこようと俺が君をトゥルーエンドに連れてってあげよう!。
「キッショこっちみんなよ」
えーお母さんへ、俺こと道原観は17歳にして初めて挫折しそうです。
だが俺はまだ諦めない!。
俺の心ははまだ行ける!。
「いや、キモかったならごめん、だけど君の読んでるそれとあ」
最後までの言うはずの言葉は遮られた。
変わりに彼女からの言葉が俺に飛んでくる
「だから何だよ、キメェから話しかけんなてかどっかいけよ」
そう言うと彼女はまた漫画を読む作業に戻った。
なるほど、これが言葉の攻撃かぁー
人生で初めて女子からの暴言は、俺には刺激が強すぎた。
その後の授業は泣きそうになりながらも頑張った
席を移動するのはなんか負けた気がするので、移動は最後までしなかった。
正直俺は舐めてた、今まで安倍さんと関わりもしなかったから俺は勘違いをしていた。
彼女は多分、本物だ。
噂が噂を呼んで、勝手にみんなが勘違いするようなあれじゃない。
それが分かったかだけでもいいか。
にしてももうちょっと優しく言ってくれたらいいじゃんか
こうして僕と彼女の思い通りにならない物語が始まった
読んでくれてありがとう