5時間目:学級会
学期ごとにクラス委員と係を決めるのは、どの学校も一緒ではないだろうか。
委員長、副委員長、書記、に始まり各係を決める。
面倒だなぁと思っていた。
幸いなことに、私の学年は目立ちたがり屋が多く
「クラス委員は、〇〇さん、△△さん、××さんだよね〜」
みたいな雰囲気もあり、三人が委員長、副委員長、書記を輪番しているような感じだった。
係でも、欠席係とか連絡係とか配達係とか、先生との連携が必要なものは人気だった。
いかにして目立つか、を考えてるような同級生を、私は覚めた目で見ていた。
だって、係なんて三ヶ月も決められた仕事するんだよ⁈ 楽な方がいいじゃん!!なんて思っているのは、どうやら私だけのようだった。
みなさんはどうですか? 楽な係の方がいいですよねぇ?
そんな訳で私は毎学期、一番地味で楽そうな係を選んでいた。
花びん係というものがあり「これは楽にちがいない!」となったことがあるのだが、落とし穴があった。
私が通っていたのは田舎の学校で、なぜか突然、月曜日に「おばあちゃんの畑にいっぱい咲いていたから」と謎の大量の花を持ってくる人が時々いた。
花びん係としては、大変迷惑な話である。
謎の大量の花のために毎朝、花びんの水をかえなければならない。別にサボってもいいのだが、その分、水は臭くなるし、何かわからないドロドロしたものが発生するので、そうならないように、せっせと水を変えていた。
花が無事枯れると、ほっとした。
地味でも落とし穴のある係があるので、慎重に選ぶようになった。
あの日も例の如く係を決める学級会が開かれていた。黒板にあげられた係に、私はざっと目を通した。
そして、見つけたのだ。楽な係を!
〝でんきかがり〟
めちゃくちゃ楽じゃないか! 電気をつけたり消したりするだけでしょ?
やりたい! やりたい! やりたい!
私は一人興奮状態だった。私以外にも希望者がいれば、じゃんけんになる。それだけは嫌だった。
「誰も希望者がいませんように……」
と、心の中で祈る。心配しなくても希望者はおらず、私はめでたく、でんきがかりに任命された。
が、これも落とし穴というか、しっくりこないことがあった。
小学生は変なとこが真面目な部分がある。
移動教室から教室に戻ってきた時。自分の横に電気のスイッチがあるにも関わらず
「でんき係ー。でんきつけて」
と言うのである。今の時代なら
「OK、Google でんきつけて」って感じか。
心の中で「アンタの方がスイッチ近いじゃん!」とツッコミながら、そそくさと電気をつけに走る。そんな、でんきかがり生活を一学期間送ったのであった。