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時間割  作者: はやはや
6/7

5時間目:学級会

 学期ごとにクラス委員と係を決めるのは、どの学校も一緒ではないだろうか。

 委員長、副委員長、書記、に始まり各係を決める。

 面倒だなぁと思っていた。


 幸いなことに、私の学年は目立ちたがり屋が多く

「クラス委員は、〇〇さん、△△さん、××さんだよね〜」

みたいな雰囲気もあり、三人が委員長、副委員長、書記を輪番しているような感じだった。


 係でも、欠席係とか連絡係とか配達係とか、先生との連携が必要なものは人気だった。

 いかにして目立つか、を考えてるような同級生を、私は覚めた目で見ていた。

 だって、係なんて三ヶ月も決められた仕事するんだよ⁈ 楽な方がいいじゃん!!なんて思っているのは、どうやら私だけのようだった。

 みなさんはどうですか? 楽な係の方がいいですよねぇ?



 そんな訳で私は毎学期、一番地味で楽そうな係を選んでいた。

 花びん係というものがあり「これは楽にちがいない!」となったことがあるのだが、落とし穴があった。

 私が通っていたのは田舎の学校で、なぜか突然、月曜日に「おばあちゃんの畑にいっぱい咲いていたから」と謎の大量の花を持ってくる人が時々いた。

 花びん係としては、大変迷惑な話である。

 謎の大量の花のために毎朝、花びんの水をかえなければならない。別にサボってもいいのだが、その分、水は臭くなるし、何かわからないドロドロしたものが発生するので、そうならないように、せっせと水を変えていた。

 花が無事枯れると、ほっとした。



 地味でも落とし穴のある係があるので、慎重に選ぶようになった。


 あの日も例の如く係を決める学級会が開かれていた。黒板にあげられた係に、私はざっと目を通した。

 そして、見つけたのだ。楽な係を!

〝でんきかがり〟 

 めちゃくちゃ楽じゃないか! 電気をつけたり消したりするだけでしょ?

 やりたい! やりたい! やりたい!

 私は一人興奮状態だった。私以外にも希望者がいれば、じゃんけんになる。それだけは嫌だった。

「誰も希望者がいませんように……」

 と、心の中で祈る。心配しなくても希望者はおらず、私はめでたく、でんきがかりに任命された。



 が、これも落とし穴というか、しっくりこないことがあった。

 小学生は変なとこが真面目な部分がある。

 移動教室から教室に戻ってきた時。自分の横に電気のスイッチがあるにも関わらず

「でんき係ー。でんきつけて」

 と言うのである。今の時代なら

「OK、Google でんきつけて」って感じか。

 心の中で「アンタの方がスイッチ近いじゃん!」とツッコミながら、そそくさと電気をつけに走る。そんな、でんきかがり生活を一学期間送ったのであった。

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