表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
時間割  作者: はやはや
2/7

2時間目:体育

 小学校の遊具に肋木ろくぼくという物があった。

 ご存知だろうか?

 簡単に説明すると、体育遊具の一つで片側がアーチ状の梯子になっていて、反対側は地面に対して垂直に、チェーンがはってある。



 ある体育の時間に、先生が肋木の前に集合をかけた。

 嫌な予感がした。私は肋木が大嫌いだった。嫌な予感は的中し、並んだ列の前方から数名ずつ肋木の上り下りが始まった。

 嫌でも順番はくる。私は仕方なく、肋木の梯子を登り始めた。



 やはり無理だと、梯子を上り切ったところで止まる。予想以上に高さがある!

 向こう側のチェーンに足をかけるには、肋木のてっぺんにある太い柱を跨がなければならない。

 不安定なチェーンに体重をかける不安、跨る時に足が引っかかり地面に落下する不安……

 ありとあらゆる不安が襲ってきて、私はその場から動けなくなった。



 ふと横を見ると、私と同じようにYさんも動けなくなっている。その向こうにはT君の姿も見えた。

 ひとまず、私一人でないという安心感を覚えた。

 しかし、怖いものは怖い。三人とも子鹿のように、ぷるぷる足が震えている。

 こんなにも怖がっているのに、担任はやめさせてくれない。

何ということか! いつの間にか怒りまで湧いてきたのだった。



 この後、どうしたのか、はっきり覚えていないのだが、私達三人によって、この日の体育は肋木だけで終わったのだった。

 授業を丸一時間潰されたのが、こたえたのか担任は二度と、肋木の前に集合をかけることはなかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ