大地の魔女と暴食
私は魔女だけど、人間が大好きよ。
何でもおいしそうにパクパク食べる子供達が、愛おしくてたまらない。
私は大地の魔女だから、そんな子供達のために、せっせと土地を潤すわ。
誰だって飢えたくはないものね。
飢える事は辛い事。
おなか一杯に食べられた方が良いはず。
だから、畑仕事をしなくても作物が実るようにしてあげているの。
きっと素敵な世界になるわね。
でも、おかしいわね。
どうしてみんな、そんなに醜くなってしまったの?
以前の皆はもっと、綺麗だったじゃない。
それじゃあ、美しくないわ。
しなやかな肉体に、たくましい筋肉に、バランスの取れた体。
どこに行っちゃったのかしら。
まるでまんまるのボールみたいよ。
もう、なってしまったのは仕方ないわね。
そんな子供達には罰を与えなくちゃ。
オヤツもご飯も禁止です。
反省するまで、お食事抜き。
うふふ、だんだん元の綺麗な体に戻ってきたわね。
反省したのかしら。
じゃあ、ご褒美。
たくさんの作物をあげちゃうわ。
あらら?
どうしてまた、そんなに醜くなってしまったの?
不思議よねぇ。