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8話 帰還と出発

気がつくと本棚がずらっと並んだ空間にいた

本棚は上が見えないほど高く伸びている


「どこまで続いてんだ」


「誰もいない」


「そのうち誰かくるだろ」

二人で本を読みながら待つことにした


暫くして地面から見覚えのあるデスクがせりあがってくる


「待たせたね」

相変わらずデスクには書類が山積みになっている


「誰だぁ?」


「神様」


「リーデルから詳細は聞いているよ 荒神の回収ご苦労様

まあ それはいいとしてレゼ困るよ・・・不死身の従魔なんて作って・・・

死なないってことはエネルギーを回収できないじゃないか・・・はぁ

起きたことはしょうがないから管理をきちんとするようにね」


「ずいぶんな言い草だな

こっちは手伝ってやっているってのによー」


「口の悪い従魔だね」


「あ゛ぁ」


「落ち着いて」


「とりあえず君にはこれを付けてもらうよ」

レゼと同じデザインのチョーカーとローブを渡してくる


「なんだこれ?・・・レゼとおそろいじゃねーか」

嬉しそうに付ける


「それは・・・」

嬉しそうな姿を見るとあの事は黙っておいた方が良さそうだ

知らない方がいいこともある


「すぐ次の世界に行くと思うからよろしく頼むよ」

そう言うとアスクレオス様はデスクごと飛んで行ってしまった


「どうして、書類が崩れないんだろう」


「気にするとこ そこかよ!」


幻魔石が文字を映し出す

海中都市『アクアエリアス』



海底神殿の様に海中にドームの街が広がっていた

石造りの大きな橋の先にお城の様な建物が見える

その建物から放射線状に道が広がり大小様々な建物が並んでいる


「海の中に街があるな

見てみろよレゼ 魚がいっぱい泳いでる」


「どんな味がするのかな」


「あれも食べる気かよ・・・」


ふと頭上に目をやる

「レっ レゼ!・・・耳が・・・」

頭を撫で繰り回される


「なに?」

自分でも触ってみる特に変わった感じはしない

ただローブをかぶっているだけだ


ディーを見上げる

「耳がない!」


「俺もか!」

前髪辺りを触る透明なベールの様なものがめくりあがり

漆黒の狼耳が姿を現す


「ちゃんとある?」

レゼは頭に被ったローブを外してみる


「どうなってやがる」

また撫で繰り回される


「たぶん神様がくれたローブが各世界に適応した姿に見えるようにしてくれてるのかな」


「なるほど?」


リーデルから通信が入る

「リーデルっす 次の世界に着いたみたいっすね

この世界は殆どが海に沈んで海中にあるドームの中で人間たちが生活しているっす

ここには獣人なんていないっすからばれないようにしてくださいっす」


リーデルに言われローブを直す


「そんで荒魂はまだ捕捉できていなくて暫くかかりそうっす

アクアエリアスの近くに現れると思うっすけど

それまでは自由にしてて大丈夫なんで、

それじゃよろしくっす」


「いつも唐突だな」


「ご飯食べに行こ」


「レゼも変わんねーな」

近くにあった飲食店に入る

看板には海神亭と書かれている


「いらっしゃいませ 開いてる席にどうぞ」

昼時には少し早いからなのか店内はそれほど込んでいなかった

心なしか若者が多い気がする

どこかの学生なのか制服を着た人たちもちらほらいる


「魚ばっかり」

海中都市なだけあってメニューの大半を魚料理が占めている


「ここからここまでください」


「そんなに食うのかよ」


「食べたことのないものは食べてみたいから」


「本当レゼは食うの好きだよな・・・」

料理はすぐに運ばれてきた


パスタ、スープ、リゾット、ピザなど

テーブルは様々な料理で埋め尽くされている

ディーもそれなりによく食べるがレゼに敵う者はいないだろう


隣の席から会話が聞こえてくる


「今年もこの季節が来たわね」


「あぁ どんな受験者が来るのか楽しみだな」


「なんでも隣国から優秀な貴族も来ているみたい」


「それはすごいな」


空の皿が山のように積みあがっていく

「美味しかった」


「お会計はこちらになります」


「おい、レゼ・・・金あるのか?」


「うん」

幻魔石から金貨の入った袋を取り出す

前の世界で稼いだお金だ

神様がこの世界でも使えるようにしてくれているから大丈夫だろう

店員が金額を確認する


「はい、確かに」

袋から金貨を三枚出しレゼに渡す


「ちょうど頂きます」


「ほぇ・・・」

手のひらに乗った金貨を見つめる


「まさか・・・ほぼ金使っちまったのか」


「・・・」


「これからどうすんだよ」


「どうしよう」


「はぁ・・・しょうがねーな・・・

まぁ、この前みたいにギルドに行けばどうにかなるだろ」


カウンターにいる亭主らしき人に話しかける

「なぁギルドってどこにあるんだ」


「なんだ君たち受験しにこの街に来たんじゃないのか」


「受験ってなんだ?」


「それも知らないでこの街に来たのかい

このアクアエリアスは優秀な魔法使いを育てるため、

白銀の魔女マリーナが造った街なんだ

人口の殆どが学生で学生のために街があるようなもんなんだよ」


どうりで若い人が多いわけだ


「そして街の中心にあるのがマリーナ奇術学校だ

そこで今日入学する人を決める試験があるから色んな所から人が集まっているんだよ」


「そうなのかよ そんなことよりギルドの場所を聞きてぇんだけど」


「そうだったな ギルドはここの路地を曲がって真っ直ぐ言ったところだ

でもギルドを利用できるのは街の人だけだぞ」


「どうゆうことだぁ」


「さっき言ったろ ここは学生のための街だって

仕事できるのは学生とここの市民だけなんだよ」


「まじかよ」


「ならその試験、僕たちも参加できる?」


「うーん・・・たしか大丈夫だと思うが

そっちの子は年齢的に無理なんじゃないか」

ディーの方を見て答える


「参加するなら急いだほうが良いぞ」


「分かった 教えてくれてありがとう」

亭主に礼を言い、海神亭をあとにする

出て直ぐの路地に入る


「人がいなうちに変身して」


「おう」

海神亭に多くいた人たちと同じくらいの歳の少年に変身する

大体15歳くらい?


「こんなんでどうだ?」


「バッチリ」

亭主の話だと18までなら試験に参加できるらしい


「レゼだけでも良かったんじゃないのか?」


「僕はディーと一緒に学校に行ってみたい」


「そうか・・・一緒にか!」


「なんか嬉しそう?」


「じゃ 行くか」

レゼ達は路地を出るとこの街の中心マリーナ奇術学校へと歩き出した

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