60話 魔力泥棒
早苗が出てったあとの部室
「とは言ったものの手がかりがないからなー」
「まずは生徒に聞き込みじゃないのか」
「一人一人に聞いて回るのめんどくさいー」
「めんどくさいとか言うなよ」
「だってぇ」
「それならリサーチ済みですわ」
「さっすがシャロン 頼りになるー」
抱きつき頬ずりする
「やめて下さいですわ」
「それでどうなってんだ?」
「生徒の話では倒れている人を発見したとき走り去る人影を見たとか その人影は学園の制服を着ていたそうですわ」
「うちの生徒に成り済ましてたってことか!?」
「そうかもしれませんわね でも男か女かはっきり分からなかったみたいですわ」
「隠蔽魔法か認識阻害の魔法を使っていた可能性があるな」
「その魔法が得意なのは悪魔か精霊またはその混血ね ここからは私の得意分野かな」
ライナの目が光り魔法陣が浮かび上がる
ものすごい速さで生徒の情報が飛び交う
すべての情報を把握し条件に合う情報を絞りこんでいく
「ざっとこんな感じかな」
生徒名簿から抜粋された名前が並ぶ
「いつ見てもすごいな うちの学園500人はいたよな」
「ふふふ こんなの朝飯前だよー」
「では取りかかるとしますわ」
「手分けして調べるか」
二週間後
名簿の生徒を張り込んでいたが目ぼしい情報は得られなかった
それどころかさらに犠牲者が出てしまったいずれも命に別状は無かったのが幸いだろう
「全滅だー」
リストに上がった生徒を調べ終え項垂れる
「こっちも空振りだった 犯人は魔力なんて奪って何がしたいんだろうな」
「そんなの知らないよー 私が聞きたいくらい」
「振り出しに戻ってしまいましたわね 先ずは見回りの強化が先決なのかもしれませんわ」
「見回りの強化かー シャロンの言う通りかも」
「じゃあオレ見回りしてくる」
レイが立ち上がり部室を出ていく
「ちょっとー まだ決定した訳じゃないよー」
「しょーがねーよレイは深く考えるタイプじゃねえからな 俺もレイのあとを追って連れ戻してくるよ」
「分かったレイのことよろしくー」
「おう」
レイの後を追って冬真が部室を出て行く
「うーん どうしよう 囮作戦とかも効果ありそうだよねーうちの部員みんな魔力高いし」
「囮役が危険ですわ 今の所、死者は出でいませんが今後も出ないとは限りませんわよ」
「そうだよねー」
「僕も出てくる」
話し合いは退屈なので部室から出で売店に向かうことにする
「えっレゼ どこに行くんですの?・・・行ってしまいましたわ」
「どこに行くんだ?」
「売店でお菓子を買う」
「・・・そうか」
ディーと2人 中庭に続く渡り廊下を歩いていると冬真とレイの声が聞こえてくる
「お前 そこの生徒に何をした!?」
「待て!」
声の方に急ぐと冬真が倒れている生徒を介抱していた
レイは見当たらない
「何があったんだ?」
「レゼとディーか 俺たちがここを通った時2人の生徒がいてな彼女が急に倒れたんだ、だから俺はもう一人の方に声をかけたら慌てて逃げだしたんだ 今レイが追いかけてる ここはいいからお前達も後を追ってくれ」
「うん」
「おう」
レイの気配を追う
「はっはは オレからは逃げられないぜ」
既にロープでグルグル巻きにされた生徒がレイに踏まれていた
不思議なことに近くで見ても男の制服を着てるのか女の制服を着てるのか分からない
これがライナの言っていた魔法なのか?
レイが大きな鎌を背中から取り出し、捕らえた人物の首辺りを切付ける
「おい 殺したら・・・」
「大丈夫だぞ」
見ると頭からすっぽり被ったローブの様なものが現れている
それを剥ぎ取ると2年の制服を着た男子生徒だと認識できるようになった
「こいつの魔法じゃなかったから部長の魔法で分からなかったんだな」
「全く姑息な奴なのだ異外の魔法具を使うとは」
スマホを取り出し電話をかけると直ぐに蒼黒の関係者が捕らえた生徒を連れて行った
部室に戻ると冬真も既に戻っていてさっき起こったことを2人に話していた
「お帰りなさい もう犯人を捕らえてしまうとは驚きましたわ」
「そうだよねー これまで私たちが校舎を駆けずり回ってたのはなんだったんだろって思うよー」
部長はまだ、だらしなく机に項垂れている
「倒れた生徒は?」
「彼女ならこれまでの被害者と同じだったな ただ首筋に妙な物が刺さっていたが触ろうとしたら消えちまった」
「妙なものー?」
「あぁ 白い筒の様なものがな それが消えるのと同時に彼女の魔力が失くなるのが分かった」
「なるほどー それが魔力を吸い取っていた魔道具みたいだね 」
「犯人は捕まえたのですから解決でよろしいですわよね」
「まあね 捕まえた生徒から詳しい話を聞いてみないとだけど 私たちに来た指令は解決ってことかな 今日はみんな疲れただろうからこれで解散 また明日ー」
部長の掛け声の下片付けをして部室を後にする




