40話 ゲームからの帰還
脱力感は消えていたので無理なく体を起こすことができた
「もう外して大丈夫ですよ」
テオドールに言われフルダイブギアを外す
「むぅ・・・んぅー」
伸びをする ゲームの世界より体がしっくりくると思う
「いやぁ おつかれ ちゃんと戻ってこれて良かったよ
魂が無いから戻ってこれるか少し不安だったけど・・・大丈夫そうかな?」
テオドールがベタベタと触りレゼの体を調べる
「レゼに気安く触るな」
隣のベッドからディーがテオドールに詰め寄る
「ただのチェックだよ そう怒らないでくれ・・・おぉやっぱり最高の毛並みだね」
ディーの体もベタベタと触り、調べる
「やめろっ!」
テオドールの手を払い退け、レゼを包むように後ろから抱きつく
「ガルルルゥ!!」
「まったく取って食おうって訳じゃないのに嫌われたものだ、僕は君たちに好感を持っているのに・・・愉しさを愛する神は悲しいよ・・・それより体に違和感は無いかい? 吐き気や怠さは?」
「平気 いつもと変わらない」
「ガルルルゥ!!」
「なるほど 二人とも問題無いみたいだね、安心したよ」
手元の紙束に何か書き込んでいる
「フフフ 興味深いデータが沢山取れた・・・ほほう これは面白い・・・あっそうだ、僕の世界は面白かったかい?」
「うん 楽しかった」
「うんうん それは何よりだ、もっと時間があれば色々用意してあげれたのに残念だよ・・・それじゃあ僕は失礼するよ まだやらなくちゃいけないことがあるからね この部屋は好きに使ってくれてかまわないから それじゃあ」
「うん」
「ガルルルゥ!!」
隣の液晶だらけの部屋に声をかける
「マリア データの整理と世界の管理を頼むよ僕はちょっと手が離せなくなるからね」
「かしこまりました テオドール様」
部下に指示を出してから部屋を出ていく
「やっと出て行ったか 俺より先にレゼに触りやがって」
ディーは威嚇するのを止め、抱き付いたままレゼの耳と髪に顔を埋める
「戻った レゼのもふもふ・・・やっぱこうじゃねぇとな」
「くすぐったい」
ディーが言うにはゲームの中とはもふもふ度合いが違うらしい
能力の制限が影響していたのかは分からないけど、久しぶりだしディーの好きなようにさせてあげようかな?
「もふもふ・・・最高・・・ゴク はあ もう我慢できねぇ」
がぶっ チュルチュルチュル
「むう・・・長い」
前言撤回
ペロ
「ゲームの世界にいる時は血が飲みたいとは思わなかったのに戻って来たら急に飲みたくなったなぁ」
「ディー おすわり」
「ふぇっ?!」
レゼに言われ反射的に向き合い正座する
「お手、おかわり・・・よしよし」
良くできた従魔を褒める
レゼに頭を撫でられディーは屈託の無い笑顔を作る
「かわいい」
はっと気付き照れながらも緩んだ顔を引き締める
「急に何すんだ 犬扱いすんじゃねぇ」
言葉とは裏腹に尻尾はまだ嬉しそうに揺れている
その頃、部屋を出たテオドールは自室に向かっていた
自室に着くと呼び出していた金髪ツインテールの神リーデルが待っている
「テオドール様 何の用っす?」
「急に呼び出して悪いね・・・例の死神コンビについて話があるがいいかな?」
「レゼさん達のことっす?」
「あぁ そうだよ 上位神会議の結果、不本意だが荒魂を全て狩り終わったら、処分することに決まった・・・残念なことにね」
「そんな まってくださいっす 危険な仕事をやらせておいて終わったら処分ってひどすぎるっす」
「しょうがないよ これは上位神が決めたことなんだから異論は認められない・・・上位神では無い僕たちにはどうしようもないよ」
「そんなことないっす 何か方法があるはずっす」
「変な気は起こさない方がいい、君はナビゲーターの仕事をこなしていればいいと指示があった」
「知らないふりしてお二人を騙すなんて・・・したくないっす」
「僕も同じ気持ちさ でもあの子達は我々神でも計り知れない力を秘めている、上位神でも分からないものは怖いんだろう 自分達の脅威になる可能性があるものは排除しておきたいのさ」
「レゼさん達はちょっと危なっかしい所はありますけど・・・素直っす 死神の仕事もしっかりこなしているっす それが脅威になるかもってだけで・・・あんまりっす」
「そうだね」
パチンッ
テオドールが指を鳴らす
「もう次の世界に送った、本人達にさっきの話を伝えるのはダメだからね」
「でも・・・」
「最高神の決定に逆らったらただじゃすまないのは君だって分かっているだろう」
「はいっす・・・」
「それに上位神が決めたことだ未来は変わらない・・・でもそう悲観するものではないかもしれないよ」
「それってどういう意味っす?」
「さあね 僕たちは神だ、創られた存在に必要以上にお節介を焼くものではないよ・・・まぁ僕が言えたことではないが」
「えっ?」
「さぁ あの子達が待ってるよ今まで通りナビゲートしてあげるんだ」
「・・・分かったっす」




