3話 依頼と従魔
町はずれの廃墟にやってきた
ここにゴブリンがいるらしい 廃墟の奥は薄暗くじめじめしている
「レゼなら一人で大丈夫だと思うけど私もついていくね」
「ゴブリンは何体倒せばいい」
「そうね 依頼書には10体とあるけどそれ以上倒してもいいみたい」
「わかった」
自分の能力を試すのに都合がいいかもしれない
廃墟の奥を進んでいき 出会ったゴブリンを片っ端から倒していく
解析の魔眼は視界に入ったものの詳細なステータスを確認することができるみたいだ
この魔眼を応用すれば相手の能力をコピーして使うことも可能だ
影でナイフを形成しちまちまとゴブリンを倒していく
影の力を使って一気に倒したかったけど建物ごと壊してしまうのでやめておくことにした
ドロップアイテムは幻魔石の中に入れていく
「目的は達成したしそろそろ戻ろっか」
突如、建物が揺れ始める 遠くから何かが近づいてくる
「ゴブリンキングが現れるなんて、とりあえず逃げるわよ」
「大丈夫」
回し蹴りをお見舞いする
ゴブリンキングは壁を幾つも突き破って吹っ飛んでいった
「ゴブリンキングを吹っ飛ばすなんて、レゼってほんと何者?」
「そんなことより奥に財宝があるか見に行こう」
しばらくこの世界にいるならお金はあるに越したことはない
さらに奥深くへ進んでいく
「全てのゴブリンを倒したんじゃない・・・ゴブリンキングも倒しちゃったし
まさか最初の依頼でゴブリンを全滅させるなんて・・・」
ひときわ大きな扉が見えてきた この部屋で最後のようだ
手で押し開け中に入り見渡す
期待外れだった 奥には少し大きな宝箱があるだけ...残念
「たくさんの財宝はなかったけど結構なレアアイテムが入ってたからそんなに落ち込まないで
売ればそこそこいい値になるから...お、これは珍しい従魔の卵があるなんて
これはね、孵卵器にこの卵と自身の血や魔力を入れて一晩置いておくと自身の力の一部を受け継いだ
自分だけの従魔が生まれるの帰ったら早速ためしてみましょ」
エレノアはなんだか楽しそうだ
「従魔の卵なんてそうそうお目にかかれるものじゃないしどんな感じなのか私、すごく興味あるのよね」
外に出るとすっかり日が暮れていた
急いでラヴァンタに戻りギルドに報告したりドロップ品を売ったりした
受付の人はゴブリンキングを倒したって聞いたら驚いていたな
全然強い感じはしなかったけどDランクが倒せる魔物じゃないらしい
ドロップ品はエレノアのおかげでかなりいい値で売れた暫くはお金に困らなそう
宿が決まってないと言ったら
エレノアが止まっている宿に僕の分の部屋も取ってくれるので任せることにした
宿に行く途中に貸し道具屋で孵卵器を借りた 古そうだけど大丈夫かな
宿に着くと簡単に食事を済ませ孵卵器をセットする
「レゼ準備ができたからここに血か魔力を入れて 血の方が生まれる従魔が強くなるみたい」
「なら血にする」
これから荒魂を狩るから強いほうが良いだろう
「わかったわ ならこのナイフを使って」
「ありがとう」
どのくらいかな・・・指の先端を切り血を注ぐ
「そんなに切らなくていいから 2、3滴入れればいいのよ・・・指は大丈夫?」
卵の半分くらいまで入ってしまっている
「傷はすぐ治るから大したことはない」
「そう、あとは一晩待つだけね、なんだか今日は驚くことがたくさんで疲れたわ・・・
それじゃあ また明日おやすみ」
そう言うと自分の部屋に戻っていった
ローブを外しベットに横になる
「もしもし、レゼ君聞こえるっすか」
幻魔石が淡く光る
「自分はリーデル 一応レゼ君のナビゲーターなのでよろしくっす
自分は荒魂と世界について教えるのが主な役割っす
アスクレオス様が何も教えずに飛ばしちゃったから大変じゃなかったっすか?
この世界のことをざっくり説明すると剣と魔法、魔物や魔獣が存在する世界っす定期的に魔王や勇者を出現させて大量にエネルギーを抽出してるっすね」
突然通信が来たと思ったらよくしゃべるな
世界についてはエレノアの話で大体予想はついていた
「この世界の荒魂はここから東にいったところにある、嘆きの塔の最上階に居るっす
荒魂は基本世界の中心だったり魔力の濃いところだったり常人は近づくことすらできない
危険地帯に現れることが多いっす そこから世界の力を吸い尽くして消滅させてしまうってわけっす
それを阻止するのがレゼ君たち死神の仕事なんすよ で、荒魂は全部で六つそのすべてを回収
できればなんとレゼ君たちの世界を作り直すことができるっす流石神様っすね・・・パチパチパチ」
自分が話したいことは以上っす、何かあったらまた連絡するので・・・」
幻魔石の光が消えた
自分の話だけして通信を切るなんて勝手すぎる まぁ知りたいことは知れたので良しとする
幻魔石はこちらからは連絡を取ることはできないらしい なんか腑に落ちない
やれやれと思いながら布団に入り目を閉じた
かなり遅くなってしまったからなのかすぐ寝入ってしまった
パリ・・・パリ・・・パリーン・・・
「んぅ...なんの音?」
目を開けると見たことない青年がいた
黒い狼のような耳にしっぽ 髪は少しクセっ毛 瞳は翡翠色で綺麗だが目つきが悪い
綺麗な色なのにもったいないなぁとぼんやり思っていると急に近づいてきた かなり近い
「な・・・なに」
「ご 主人 様?」
その青年は頭や耳などを撫でまわしてくる
「もふもふ」
なんだかすごく気に入られたようだ
「いつまで触って」
手で押しのけてもやめる気配がない
コンコン
「レゼ おはよう よく寝られた・・・ってあなたレゼに何してるの・・・離れなさいって!」
エレノアが引き離してようやくおとなしくなった
「レゼこれはどうゆうこと?」
「僕もさっぱり分からない起きたらいた」
「ってことはもしかしてあなたレゼの従魔?」
孵卵器の方を見る
「ぎゃあー粉々になってる・・・貸し屋の主人になんて言よう・・・
まぁなったもんはしょうがないわよね・・・主人には私から言っておくからレゼは心配しないで
それより従魔が生まれたら契約の儀式をしないといけないわ
儀式って言っても難しいことはないわ名前を決めてあげるだけだから
従魔の頭に手を置いて名前を言うだけ簡単でしょ」
「うん・・・」
名前かぁどんなのがいいかな・・・よし決めた
手を乗せる
「ディー」
魔法陣のようなものが一瞬浮かび上がり部屋が光に包まれた
「これで儀式終了」
「ディーこれからよろしく 僕はレゼ」
「・・・」
「・・・?」
「こいつが俺のご主人かよ ちっこくて弱そうだな」
「???!!!」
さっきまでと別人すぎないか
エレノアの方を見る
「えぇーと・・・たぶん儀式が成功して自我を確立したってことなのかなぁ・・・あははは
大丈夫 口は悪くても決して主人には逆らわないはずだから
それにヒト型になる従魔なんて聞いたこともないからかなり珍しいはず」
素直に喜んでいいのか分からない 口は悪いが嫌ってる訳じゃないみたいだし
もふもふが好きなのかまた髪とか耳を触っているし
かなり変わった従魔だけど・・・なんだか楽しくなりそう




