33話 悪霊の真実
魔術師たちの死体を食べ終えると大きな口は元に戻り魔術師の死体を取り込んだクトゥルルの肌は黒くなり額から3本目の角が生えてきた
体もムキムキになりいかにもパワーアップしましたって感じだ
腰の辺りから蝙蝠のような翼を広げ宙に浮いている
種族もデーモンからコープスデーモンに変わっている
「ククク 力が溢れてくる 俺様は最強だ!」
腕から暗黒の塊を解き放つ
塊は触れた物を次々と飲み込み教会の半分を消滅させた
「これはどうかな?」
暗黒の塊を幾つも放ってくる
教会だけでなく他の建物も塊が当たり当たった場所は消滅した教会周辺の建物は次々と穴だらけになっていく
「まずいっす 街の人達に被害がでるっす」
「そう言ったってよぉ 当たっただけでこのざまじゃ受け流すこともできねぇ」
「このままだとクエストを完了できない?」
「街を気にしてるのか? ククク この街は俺様が力を得る為に作ったものだ 街の住人は生気を吸い取ってグールにしたが、お前らがさっき全員殺してしまったな 俺様の為に良く働いてくれたのにな、まぁおかけで沢山の贄が集まったし俺様もパワーアップできたからククク 全て順調だろう あとは俺様を侮辱したお前らが苦しみ泣け叫ぶ顔を見るだけだ!ククク!」
両手を上げるとクトゥルルの周りから暗黒の礫が現れる
手を下ろすと礫が雨のように降り注ぐ
先ほどの塊と違い礫が当たった場所はどろどろと溶けている
「ちっ」
「むぅ」
礫をかわし切れずかすった皮膚が溶けるが自動回復のおかけでたいしたダメージにはなっていない
「逃げ回るだけか? 俺様をぶっ殺すんじゃなかったのか!?ほらほらしっかり逃げないと直ぐ死ぬぞ ククク」
「クエストは偽物で魔術師を誘き寄せる為の罠だったんすね
ならクリアも何も無いっす」
「うん ぶっ飛ばして帰ろう 宿のご飯が待ってる」
「おっ、そうだな」
クトゥルルは闇の塊や闇の礫ではダメージを与えられないと分かると手を変えてきた
自らの拳に闇の塊を纏わせて殴りかかってくる
レゼはクトゥルルの拳を回転でかわしながら影双剣で斬り付けようとしたが刃が当たる寸前でスキルがキャンセルされ影双剣は消えてしまった
レゼはとっさにバックステップでクトゥルルと距離を取る
「おかしい 寸前で影双剣が消えた」
「ククク 驚いてるな 教会に入って来た時のこと忘れたのか? 俺様がお前らの攻撃スキルを封印する魔方陣を発動させたことをな! ククク 俺様は魔術師どもの力のおかけで体の周りに展開できるようになったんだよ ククク」
「はは! ならスキルを使わずに殺ればいいだけじゃねぇか」
ディーが笑っているクトゥルルの頬を殴り飛ばす
「ぐふがぁ な にが 起こった」
吹き飛んだクトゥルルの体は教会の壁を壊しかろうじで耐えていた教会を倒壊させた
「がはっ はぁはぁ なんだ俺様は殴られたのか!?」
教会の瓦礫からクトゥルルが抜け出してくる
「おう ただ 殴っただけだぜぇ」
「はぁ?! 俺様は最強だ 雑魚に殴られただけで吹き飛ぶかっ!!」
上半身に闇の塊を纏わせ突っ込んでくる
纏わせた闇の塊は大きく、周囲の瓦礫を次々と消していく
怒りで我を忘れているのかクトゥルルの攻撃は拳や蹴りをデタラメにぶつけているだけだ、それでもとんでもない威力だ、当たっただけで体中穴だらけだろう
だが、ディーには全く当たっていないそれどころか反撃すらしている
「避けるなっ!!! 雑魚がっ!」
「その雑魚に1発も当てられねぇお前はそれ以下だな! ははは」
「黙れぇぇ! がはっ! ぐふっ! ごほっ!」
ディーが素早くクトゥルルの腹、顔、背中を殴る 速すぎてクトゥルルは避けることもできず操り人形のようにボコボコにされるがままだ
いつの間にか纏っていた闇の塊は消えている
「や めてく れっ!」
「おいおい さっきの威勢はどうしたんだぁ?」
殴るのを止め 首根っこを掴み持ち上げる
「あがぁ ががぁが」
苦しそうに踠く
「そういえば魔術師の死体 ボロボロだったからこいつも同じにしていいよ」
珍しくレゼが口を挟む
街に着いてから美味しいものが食べられないことを地味に怒っていたようだ
「りょーかい」
歪んだ笑顔をクトゥルルに向ける
クトゥルルの右腕を掴み引き千切る
「あががががぁぁ」
掴んでいた首根っこを離し、千切った腕を放り投げる
クトゥルルは血の滴る肩を抑え逃げようとするがその両足の骨を踏み砕く
「あああああ」
「ははは 逃げてんじゃねぇ」
「見逃してくれ」
「ダメだご主人の命令だからな 諦めな」
「こんな筈じゃなかった 俺様は 最強にな りた・・・」
片腕だけでディーから離れようと踠くが直ぐに追い付かれ止めを刺される
視界が歪み半壊した街並みは霧のようになって消えた、目の前には何も無い更地が広がっている
街も全てクトゥルルが作り出した幻だったようだ
「むぅ 街も嘘だった 許せない」
「まあまあ、もう死んでるっすから」
「おう 俺がぶっ殺してやったぜ!」
クトゥルルの死体を蹴りまくる
「死体 消えてない?」
「魔物としてのクトゥルルは消えたっす そこの死体は依代に使われた人間っす」
「そうなのか」
今度は木の棒でつついている
「それもじきに消えるっす」
「ふんぅ そう・・・ふわぁ ならいいや」
ちょっと気が晴れたかなディーがぶっ飛ばしてくれたし
「寝るか? ほら」
ディーはレゼに背中を差し出す
「うん」
レゼを背負って歩き出す
山の向こうでは空が白み始めている
いつの間にか夜が明けていたようだ
昇り始めた朝日はレゼ達のいる更地を明るく照らした




