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19話 真の魔王

ラビリスと合流するために宿に向かう


「その ラビリスとやらが我を召喚したと」


「あぁ タイミングの悪いことにレゼとぶつかっちまったが」


「ごめんなさい」


「よいよい 我は細かいことは気にしないのだ

そのラビリスはどこにいるのだ?」


「確か猫水屋で宿を取るって言ってたな」


「この先にある」


「よし!行くのだ」

走り出す


「俺たちを置いてくなよ」


「早くするのだー!」

振り返り催促する


ドンっ!


「はうっ」


「なんだ このガキ 痛ぇじゃねーか」

ガラの悪そうな男が大袈裟に痛がる素振りをする

「どおしてくれるんだ? こりゃあ治療費貰わねーといけねーな ひひひ」


「えらそーに 不愉快なのだ!・・・失せろ!」

男を睨みつける 男は背筋に寒気が走り青ざめる


「ひぃっ!・・・お 覚えてろよー」

男は尻餅を付き 怯えた顔をして逃げていった

さすが魔王と言うだけはある


「全く、我にぶつかるとは失礼なやつなのだ」


「お前が前をちゃんと見てなかったからだろ」


「ふん! 我は悪くない」


「あれ?皆さんこんなところでどうしたんですか?」

男が出てきた所から今度はラビリスが出てくる


「それはこっちの台詞だ」


「私はここで情報収集をしてました!」

乾杯が描かれた看板を指差す

イラストからして酒場のようだ


「情報?」


「はい!山越えしようと思っていたんですけど山頂を天魔が占領したみたいで・・・迂回しかないですね・・・奴らは高い所が好きですからね、ぺっ」

この世界の悪魔は天魔を毛嫌いしている こっちからしたらどっちも変わらない種族の気がするが


「このガキんちょは誰ですか?」

頭をなでなで


「やめろい 我は魔王なのだー!」


「魔王? なに言ってんですか この方こそ魔王様です!」

レゼを差し出す


「違うのだー!我こそが真の魔王ファルチェなのだー!」


「違います! ここに証拠があります!」

古めかし魔導書を取り出し、挿絵のページを開き見せる


「ほら、ここにしっかり魔王様の姿が載っています!瓜二つでしょう!」


「いや、ファルチェに似てないか?」


「えぇー 色だって違います!」


「この挿絵モノクロなのだ」


「え え えー! 私間違ってないですよね?」


「最初に僕は違うって言った・・・(たぶん)」


「そんなー じゃあ何者なんですかー!?」


「それは・・・えーと」


「我の眷属なのだ!」


「なに勝手に眷属にしてんだよ」


「その方が誤魔化せるのだ」


「うぅ 魔王様が魔王様じゃなくて眷属で・・・」


「こんがらがってんな」


「しょうがないちょっとじっとしておるのだ」

ラビリスの頭に手を置くとファルチェの手元は紅色の炎に覆われ、ラビリスは急におとなしくなり瞳は虚ろでどこを見ているか分からない


「これで大丈夫なのだ!かーかかか!」

頭から手を離し両手を腰に当て高笑いをする


「あれ?私はいったい・・・あ!魔王様とレゼとディーじゃないですか! こんなところでどうしたんですか?」

さっきまでの会話が無かったことに!そして初めて名前を呼ばれた気がする・・・なんか魔王様怖い・・・


「ラビリスの所に行こうと思ってな・・・」


「そうだったんですね!私は少し用事があるので、夕食には戻りますからー」

そう言って宿とは反対の道を走って行ってしまった


酒場の道をずっと真っ直ぐ行くとラビリスが宿を取った猫水屋が見えてくる

雨と猫のイラストが描かれた看板が下がっている

中に入ると、呼び鈴が置いてあるカウンターから声がかかる


「いらっしゃい 泊まりかい?」

膝に猫を乗せた魔女のような女性が顔を出す

店内は薄暗くあちらこちらから光る眼がレゼ達を見ている

何とも言えない雰囲気で宿より魔女の家か猫屋敷の方がしっくりくる


「ラビリスってのが予約していると思うが」


「ラビリス・・・あぁ入っているよ 二階の突き当りだね」

台帳の様なものをめくり目当ての名前を見つけると鍵をポイっと投げてよこす

「ごゆっくり」


ディーがキャッチするのを割り込みファルチェが鍵を受け取る

「我が一番乗りなのだ!」


「こらっ! 走るんじゃねぇ!」

バタバタと階段を駆け上がる

部屋に入りベッドにダイブしようとしたところを首根っこを掴み阻止する


「汚れたままベッドに入るな」


「むむぅ・・・分かったのだ」

服をポイッポイッと脱ぎ捨て部屋についているシャワー室に向かう


「騒がしいやつだなぁ」


ファルチェがシャワーから上がる頃ようやくラビリスが戻ってくる


「遅くなりましたぁ いやぁ疲れた疲れた」

沢山の紙袋を抱えながら部屋に入ってくる


「そんなに沢山何買ったんだ?」


「フフフ・・・これですか?」

紙袋に入った物を広げる


「じゃーん!新しい服ですー!今の服はかなりぼろくなってきましたからね!いい機会ですし新調しようかと思いまして」


広げられた服は可愛らしいデザインの服ばかりだ


「ディーのはこれなんで」

無造作に渡される


「今のとそんなに変わらねぇな」


「我、綺麗になったのだ!」

素っ裸のままディーの目の前で仁王立ちしている


服から目線を上げ、チラッと見てまた目線を戻す

「綺麗になったんならさっさと服を着ろ」


「きゃあ! 魔王様!何か着てくださいー!」

鼻血を出して倒れる まったくいい顔してやがる


鼻血からすぐに復活し、ファルチェを着せ替え始めている

「魔王様にはこの服が似合います!あぁ こっちもいい! これもいい!」


もともと魔王の事を崇拝していたがここまでだっただろうか?


「フフフ・・・」

ファルチェを見ると悪い顔をしている

さっきのことを思いだし背筋が寒くなる・・・恐ろしい子・・・


「やっぱり魔王様は和装が似合いますねぇ」

黒色のレオタード風のインナーに和装のワンピースと白のニーハイが絶対領域を作り出している


「レゼはこれを着てください 絶対似合いますから!」

渡されたのは水色の丈の短いサロペットスカートで後ろにリボンがついている


「かわいい・・・」

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