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1話 出会いと死神の誕生

目を開けると真っ白な空間に天井と地面は青空が広がりそこにぽつんと置かれた椅子に座っていた


どうなったんだっけ?

たしか、地面が崩壊して穴に落ちたところまでは覚えてるけど

研究所の地下ってこんな風になってるのかな?

....ってそんなわけないか?


果てしなく続く空間の中ひとりぐるぐると考えていると、不意に地面からデスクと眉間にシワを寄せ、せわしなく山積みの書類を処理している男がせりあがってきた。デスクには書類やら巻物などが所狭しに並んでいた


「あぁ、困った困った面倒事が増えたじゃないか まぁ、君のせいではないが、君の世界の人類達のせいだから君が責任をとってもいいだろう?」

書類から目を離さず独り言のようにデスクの男が言った。状況が理解できず困惑していると、書類から顔を上げデスクの男が話し始めた。


「あぁ、自己紹介が遅れたね私はアスクレオス神様だよ。君は?」


いきなりで驚いたがさっきのは本当に独り言だったようだ。

こういうのは第一印象が大事?らしいと教わったので印象良くにこやかに答える

「こんにちは神さま、僕は黒ウサギのレゼ」


「レゼ、君は自分の置かれた状況を理解しているかね」


華麗にスルーされた。


「理解も何もなぜここにいるのかも分からない」


「では、世界について少し話そうか...まず神々が創った生物は死後、魂・肉体・記憶に分けることができる魂は輪廻転生に送られ、肉体は生前いた世界の維持に使われる。記憶は神々の世界ヘルヘブンズのエネルギーに変換される。」


ってことは僕は死んだってこと?まだ生まれて数分しかたってなかったと思うのにやりたいこと?もあったはずなのに.....短い人生(兎生?)だったなぁ


「例外もいるが、神々に創られた生物は魂を作り出すことは絶対に不可能だ、人類によって創られた生物は魂が無く肉体が滅びれば二度と転生することができない。逆に魂だけの存在も転生することができない、魂の死はすなわち消滅を意味しているからだ。しかし、永久的にエネルギーを利用できる点では価値があるだろう。」


神さま以外から創られた生物って僕の事なんだろうか?、ってことは死んだ訳じゃないってこと?


「そして世界から効率良くエネルギーを抽出するために、神々が一つ一つを管理しているのに、あのクソサボり魔め循環の滞りだけでなく消滅させやがって!

こほん、話がそれたな、とりあえず基本的な話しはここまでだ。

自分の置かれた状況が少しは理解できたかな?」


色々説明してくれるけどいまいち良く分からない

頭の中は疑問符で一杯だ。


「君は例外中の例外だ、肉体に魂ではなく意識が埋め込まれた状態にある。通常魂の無い肉体は命令にそって簡単な動作しか行えないものだからな。」


僕は誰かの意識って事なのか?そう言われても複雑すぎて理解が追い付かない

「まぁ、そこら辺は頭のすみにでも置いといてくれ。」

理解できてないのを見透かされたみたいでドキっとした


「ここからが本題だ、君の肉体や記憶を資源にすることができなく君がいた世界が消滅してしまった状況から通常なら即君を塵にするのが基本だが、今は人材不足で猫の手いや、ウサギの手も借りたい状況にある。そこでイレギュラーだが、エネルギー回収者いわゆる死神になってもらいたいと言うわけだ。」


「急すぎるよいきなり死神になってくれだなんて」


「言っとくが君に拒否権はない」


「むぅ」


そんなこんなで僕は死神になることが決まってしまった。この先どうなることやら、不当労働は嫌だなと漠然と思った。


「まぁ、まずは見習いから始まるし難しいこともなく未経験でも出きる仕事だから気楽に頑張ってくれ、で、いきなりで悪いがこれを食べてみてくれないか?獣の姿だと何かと不便だろう」


どこから出したのか毒々しい赤色をした林檎の形をしたものを差し出してきた。

「なに?これ」


聞きながら一口齧ってみる、弾力があり、汁が滴ったが、味は感じなかった

食べ終わると全身が泡立ち体の中が熱くなり沸騰しているように感じた、耐えきれず椅子から崩れ落ちその場にうずくまる

沸騰したような感覚が無くなり立ち上がると目線が高くなっていた

味覚・嗅覚・触覚・視覚も正常に機能していたが体をつねって見たが痛みがない、寒さも熱さも感じなかった


「うまくいったようですね」

後ろの床から鏡がせりあがってきた


そこに映っていたのは肌色の体に黒いサラサラの髪が肩まで伸び中性的な顔立ちの人間の子供だった。

魔獣は基本魔の塊から生まれるため性別が無いらしい、それは僕にも当てはまるみたいで体はツンツルてんだった。


「君が今食べたのは、君のもとになったアレンと言う少年の体だ。上手くヒト型になれたようで安心したよ、獣の姿だと鎌もろくに持てないだろうからね」

そう言って服と楕円形の石を渡してきた。


「これは死神道具だ、それとローブだけは必ず身に付けるように、正体がばれないようにするのに必要だからな。幻魔石は左手の甲に乗せてくれ」


言われた通りにすると手の中にスゥーと入っていってしまった。


「ここから死神の鎌を出すことができる、これは魂を刈る専用の道具だ、ちょっとした収納機能もあり、通信も可能だよ。」


黒い霧のようなものが瞬く間に大鎌の形になる

手を離すと霧になって消えた。


「ランタン型の耳飾りは記憶を自動で集めてくれる優れものだ、失くさないようにな、最後はこれを首に着けてくれ」


首に着けるとチョーカーのようで幾何学的な模様が刻まれている。トップには青い結晶が付いていた。


「これは?」


「君がもし、仕事を放棄し世界に危害を加えようとしたら即座に起動し塵に変える装置だ」


「なに、付けさせてるんだ!」


「あぁ、言い忘れてたが獣の姿に戻ることもできるし能力が変化したみたいだから確認しといた方がいいだろう」


またスルーされた!一方的に決めて神さまってそうゆうものなのか?

まぁ文句いっても始まらないけど....心の中でギャアギャア文句を言ったらちょっとはスッキリした。そういえば能力がどうとか言ってたな。


視界の端に意識を集中させると薄い板のようなものが表示された。



名前:レゼ

種族:ホムンクルス


能力:

自らの影から有機物又は無機物を作り出す


肉体損傷の自動統合再生


視認対象の能力解析


解析対象の能力行使可能(解析後24時間以内に一度きり)


解析対象の能力コピー(永久的に行使可能ただし12種類に限り同時使用は不可)


自分の能力はいつでも確認できるようだ。


「能力の確認が終わったようだね。終わったら早速で悪いが、すぐ回収に向かってもらいたい、場所までは幻魔石から行くことができるから」


ほんと急、普通は休んでからじゃないのかな?疲労感は感じないが。

幻魔石に触れると『ラヴァンタ』と表示され気づくと中世の建物が並ぶ路地裏にいた。


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