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18話 レクシュの街

カーテンの隙間から暖かな光が降り注ぐ朝

村人は既に活動を開始している


「おはようございます!魔王様!」

朝早いにもかかわらず元気いっぱいのラビリス

ディーも既に起きていて身支度を済ませている


「むぅ」


「朝ですよ!起きてください!」

布団を剥がされる


「もうちょっと」


「レゼ 早く起きねぇと飯が食えねぇぞ」


「うぅ」

目を擦りながら体を起こす

寝ぼけながら身支度をディーに手伝ってもらう

手伝いと言うよりは身を委ね、されるがままだが


身支度が終わるのと同時に扉がノックされる

「おはようございます 昨夜はよく眠れましたか?

朝食をお持ちしました」


朝食が運び込まれる

みずみずしい野菜のサラダ 野菜がゴロゴロ入ったスープとパンの香ばしい香りが食欲を誘う

「この野菜達は今朝採れたばかりなので新鮮ですよ どうぞ召し上がって下さい」


食事を目の前にして眠気が吹っ飛ぶ

「いい匂い」


「いただきますぅ!ぱくっ 朝食も美味しいですぅ」


「うん 美味しい」

野菜の味が濃い、よく育っている


あっという間に朝食を食べ終わり荷物をまとめ部屋を後にする


山の上特有の空気が漂っている 自然と深呼吸したくなる

レゼたちには必要ないが・・・


昨日は暗くて気が付かなかったが遠くに畑が見える

野菜たちが朝露に濡れキラキラと光っている

村人たちは収穫作業にせいをだしている

料理に使われた野菜はあそこで収穫したものだろう

店にも新鮮な野菜が並び店主が声を張上げ客を呼び込んでいる

食料品店の建ち並ぶ通りは村の人ばかりだがそこそこ賑わっていた

レゼたちは旅に必要な保存食などを買い足し村を後にする


昨日とうってかわって道中は平和なものだった

昨日のうちに近くの天魔は一掃してしまったのだろうか?

途中馬車に乗せてもらい予定よりも早くレクシュの街に着くことができた


この街は側にある大きな湖の恩恵によって栄えた街だ

湖の水を街に張り巡らせることで物流がスピーディーにおこなえている

「私は先に宿を取ってきます!」


「俺たちは街を見てくるぜ」


「分かりました 後で合流しましょう・・・それでは」


ラビリスと別れ街をあてもなくぶらぶらする

「広い街だな」


「もぐもぐ」

屋台で買ってもらったレクシュ名物の串焼きを頬張る

ここの湖でしか捕れない魚をこんがり焼いたものだ

豚肉のような歯ごたえと香ばしいタレがなんとも美味しい

紙袋一杯の串焼きをかかえ食べながら歩き回る


街のどこにいても闘技場が見える

街のシンボルなのだろう、催し物がないからなのか闘技場の周辺は静かで人の気配が無い

賑わっている所を見れないのは残念だ


「ここは静かで落ち着くな」


「うん」


「レゼさんどもっす」


「暫くぶりだな」


「そうっすね 今回連絡したのはこの街に魔王がいるからなんです」


「レゼに似てるのか?」


「え? 似てないと思うっすね、どうしてです?」


「いや、 ラビリスが言ってることは信用ならねぇな」


「それより魔王はこの近くだと思うので探して見て下さいっす・・・」

話を聞きながら歩いていると・・・ぐうぅぅぅとすごい音が聞こえてくる

ディーがレゼの方を見る

「僕じゃないよ」


「分かってる」

レゼの後にある物陰に視線を移す


路地に誰か倒れている

「誰か・・・食べ・・・ものを・・・」

ぐうぅぅぅ 行き倒れのようだ


「なんだこいつ」


「そ その人が魔王っす!」


「こいつがか?」


食べ終わった串の先でツンツンつつく

「う うぅ」


「食べる?」

紙袋に入った串焼きを差し出す


レゼの手から奪い取り

深黄緑の長い髪をツインテールにした少女は物凄い勢いで食べ始める

「はぐっばくばくばく!ごくんっ はぐっ!」


完食すると飛び起き礼を言う

口元には串焼きのタレが付いている

「ふぅ 助かったのだ 礼を言うぞ」


「こんなところで何してんだ?」


「話すと長いが・・・我は少し前に魔王として降臨したがちょっとしたトラブルで魔界の果てまで吹っ飛ばされてしまったのだ・・・たが!我は果てから頑張ってここまで来たのだ!

そしてここで腹が減って動けなくなったところを君たちに助けられたと言うわけなのだ! 分かったか?我はすごくて偉いのだ フフフ!」

何故か得意気にこれまでのことを話している


「んう? 君たちは・・・レゼとディーではないか? リーデルから聞いておるぞ!」

胸を張って答える


「と言うと・・・お前魔王か?」


「さっきからそう言っておるぞ

それにお前ではない 我は真の魔王ファルチェ様なのだ!かーかかか!」

腰に手をあて、高笑いをする

和装にニーハイの変わった格好をした、たれ目の愛らしい少女にしか見えないが強気な物言いだ


「口元にタレを付けながら言われてもなぁ」


ゴシゴシ

「これは・・・見なかったことにするのだ」


「おちゃめ?」


「そう言うお前も付いてるぞ・・・ペロ」

口元のタレを舐める


「自分で拭ける」

ゴシゴシ


「そんなことしている場合ではない 直ぐにでも冥王を倒しに行くのだ」

歩き出すファルチェの首根っこを掴む


「おいおい、先走りすぎだ 先ずはラビリスと合流しないとな・・・しょうがねぇ連れてくか」

ファルチェを抱え歩き出す


「何をする 離すのだー!」


「おいっ 暴れるな!」


「おとなしくして」


ファルチェに今後の予定を分かりやすく説明する

何故直ぐに冥王を倒しに行けないのか等々


「魔剣がねぇと冥王は倒せねぇ、だから俺たちはその魔剣を手に入れねぇといけねぇんだ、分かったか?」


「うむ、だいたい分かったのだ 我おとなしくするのだ」


「はぁ やっとか・・・変に疲れたなさっさと宿に行くか・・・」

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