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12話 迷宮図書館

「馬鹿者! 食堂を半壊させるとはどういうことだ!」


白銀クラスは皆、正座させられている

あの後先生方が来て事態は収束したが、白銀クラスが起こしたことだとリーザ先生の耳に入りお説教を受けている


「ソーニャが悪い」


「勝手に暴れたのはディーさんですわ」


「言い訳は聞きたくない そもそもお前たちはな・・・くどくど・・・」

三時間もお説教は続いた


寮の帰り道

「たくっ リーザ先生も起こりすぎだぜ、絡んできたのはあっちだってのに」


「その点だけはわたくしも同じ意見ですわ」


「ソーニャちゃんが悪いの ディーちゃんもダメだったの」


「そうですよ 二人のせいでひどい目にあいましたよ」


「おいらは面白かったにゃ~」


「まぁ俺も悪かったよ」


「わたくしもごめんなさいですわ」


「仲直りなの」



ある日の休み時間

「学校生活にも慣れてきましたね」


「そうなの みんなと一緒で毎日楽しいの」


「わたくしは少し退屈してきましたわ 授業は基本の事ばかりで」


「なら面白い話があるにゃ~」


「なんですの?」


「迷宮図書館って知ってるかにゃ?」


「おとぎ話にある全ての記録を納めた図書館の事ですわよね」


「そうにゃ その迷宮図書館の入口が北の塔の今は使われていない図書室の中にあるって話にゃ」


「面白そうだな」

神様の所で本を読んでから読書好きになったディーが話に食いつく、暇な時間を見つけては読書している


「なんだか怖いです 北の塔って誰も近づかない場所ですよね」


「おとぎ話のでまかせですわ」


「確かめてみねーと分かんねーだろ」


「みんなで行ってみるの」


北の塔 第○図書○  所どころ文字が消えて読めなくなっている

使われなくなってから長い時間が経っているのか 隅には蜘蛛の巣が掛かっている

埃っぽい空気が漂い図書室の中は静まり返っている


「雰囲気ありますね」

日は傾き室内は薄暗い


「そうですわね 何か出てきそうですわ」


「ふぇーん 怖いこと言わないでなの」


「大丈夫ですよ 僕が守りますから」


「よろしくなの」


「頼もしいにゃ」


本棚には本が一冊もなく蜘蛛の巣と埃のオンパレードだ

崩れている棚もいくつかある

「皆で手分けして入口を探しましょう」


「流石になんもねぇな」


「こほこほ」


「暗くなってきて視界が悪いので気を付けてください」


「ひやぁー」


「ノエラさん大丈夫ですか!」


「あいたたたなの」

尻もちをついただけで大した怪我はないみたいだ

レグ-ダはノエラの手を引いて立ち上がらせる

足元に古めかしい本が一冊落ちている


「まったく 貴方は・・・気を付けてくださいませ」

ノエラの周りに皆駆け寄ってくる


「えへへ ごめんなの」


「随分古い本ですね」

落ちていた本を拾い上げる

開こうとすると急に突風が吹きページが勝手にめくれる

めくられたページから目を開けていられないほどの光が溢れだす

光はその場にいた六人を包み込んだ


「一体何が起こりましたの」


「うぅ とっても眩しかったの」


「うにゃ~」


「皆さん平気ですか?」


「えぇ」


「俺とレゼも無事だ」


周りを見渡すと先程いた場所とは異なっていた

白と青を基調にした装飾品や模様の入った本棚がらせん状に並んでいる

中央の床には魔法陣らしき模様が刻まれていた


「ここは一体・・・」


「見つけたんだにゃ ここがきっと迷宮図書館にゃ」


「本当にあったなんて 驚きですわ」


「圧巻だな」


「本がたくさん」


「すごいの! 見つけちゃったの」


皆、思い思いに本棚から本を取り出し読んでいる


「この本読みたかったんです」


「これは・・・興味深いですわ」


レゼも本棚にもたれかかり本を開くが数ページ読んだだけで眠くなってしまった


誰かに頬をつつかれ目を覚ます


「あ 起きたね おはよう」

宙に浮いた少女が話しかけてくる

少女は瞳も髪も銀色で幻想的な美しさがあった


「君 私と同じかと思ったら違うのね・・・でも人間じゃないみたい

不思議! 魂が無いのに機械マキナじゃないなんてとっても興味深いわ」

腕をぷにぷに触ったり 頬をつねったりしてくる


「ふゃめて(止めて)」


「あら ごめんなさい」

手を放す


「誰?」


「私はただの機械マキナ世界が正しく機能するように神様によって役目を与えられた魂を持たない不滅の存在

人間からは天使や女神って呼ばれたりするけどね・・・ふふ 

世界によって様々かな・・・でも君は違うんだね」

思わせぶりなしゃべり方をする


「レゼ 誰かとしゃべってんのか」

ディーが上の階から降りてくる


「テメー 何者だ!」


「少し話ていただけよ そんな怖い顔しないで」

手を離した風船のように螺旋を登っていく


「君たちは用があってここに来たんじゃないの?

私は全てを知っている 望めば対価と引き変えに何でも教えてあげる」


ディーの声を聞き皆が集まってくる

「僕たち既にここにある本を読んでしまいましたが・・・」


「それなら大丈夫 ここ以外でも読めるものだから

それよりも私は誰も知らないことだって教えられるよ

どうする? 聞く? 聞かない?」


「対価ってどんな物かしら」


「それは内容によるね 記憶だったり 命だったり様々かな」


「ハイリスクにゃ 命が一番大事にゃ」


「あら 残念 他の子は聞きたいことないの?」

視線をぐるりと見渡すが皆、口を開かず目線だけをお互いに向けあう


「そう、残念 用がないならとっとと帰ってくれる」

機嫌を損ねたのかそっぽを向き手で払う仕草をする


すると床がどろりと溶け、中心から黒い穴が広がり触れた者を吸い込んでいく

銀色の少女が見えなくなる間際思い出したかの様にこちらに視線を向けてくる

「気が向いたらいつでも来ていいからね」

手を振る姿が見えたところで意識が途切れた


気がつくと埃と蜘蛛の巣まみれになった部屋にいた

迷宮図書館の入口を探しに来た図書室だ

「戻って来たのか?・・・レゼ無事か!」


「けほけほ・・・無事」

抱きしめる


「無事みたいだな」


「わたくしも平気ですけど髪や服が汚れてしまいましたわ」


「私もなの」


「だいぶ汚れてしまいましたね・・・それよりもあの空間は一体・・・」


「恐らく銀の悪魔にゃ とある文献で読んだことがあるにゃ

知りたいことを教えてくれる代わりに全ての記憶を奪うとーても怖い魔女にゃ」

がくがく震えている


「噂の正体はあの魔女だったんですかね?」


「さぁな」


「ここは先生方に行って立ち入り禁止にした方がよろしいですわね」


「噂が本当だったとしてもそうでなくても あんな怪しい空間の入口があるのは危険ですわ」


「そうですね 僕たちは運よく戻って来れたけどどうなるか分からないですから」


「なら さっさと帰ろうぜ 腹減って死にそうだ」


「貴方って危機感がありませんわよね」


「そんなに危なかったか?」


「あのまま帰って来れなかったかもしれないんですのよ」


「別に 俺はレゼがいれば何処でもいい」


「そうでしたわ 貴方ってそういう人でしたわね」


埃まみれの一行は先程の出来事を不思議に思いながらも

その場を後にするのだった

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