#1 ターニングポイント
こんにちは。
今回はメイドさん二人が登場します。また主人公のこれからが少し決まってきます。
「あんた誰。」
「レン姉ちゃん、その言い方は…」
なんかメイドっぽいのがいるんだけど。しかも蔑む目で見てくるし。まあ赤の他人だから自己紹介でもしとくか。
「えっと俺の名前は石田琉翔。リュートって呼んでくれ。」
その俺の言葉に金髪の少女が。
「っ、馴れ馴れしいわね。私はレン。王室で働いているの。ロマール様が様子を見てこいっておっしゃったから、来てやっただけよ。」
一方、茶髪の少女は。
「私はリン。レンと同じく王室で働いているの。茶髪のほうがリンって覚えてね!」
「そうなのか。」
性格が真反対だなこりゃ。扱うのが大変そうだ。
「ところで様子はどうなのよ、あんた。」
レンが尋ねてくる。
「ああ、大丈夫だけど、そもそもここはどこ?あとロマールって誰?」
さっきのことで気になったことを聞いてみよう。
「あんた、ロマール様に失礼ね。いい、ロマール様はこの国の王様なのよ。あと、ここはユーラギって街。覚えときなさい。」
レンの言葉に俺は改めて異世界転生したんだと感じた。
そう考えていると、リンがこっちを見て話したそうにしている。なんで、こっちから話してみよう。
「なあリン、どうかしたのか?」
俺の問いかけにリンは少々驚いた様子で。
「あっ、うん。君から話しかけてきてちょっとびっくりしちゃった。それでさ、これからリュート君って呼んでいい?」
なんだ、そんなことか。だったら、答えは一つ。
「はい、いいですとも!」
俺は秒で了承した。
「じゃあリュート君、聞くけどこれからリュート君はどうするつもり?」
「えっ、どうするって?」
俺は突然の問いに頭が回らなかった。
「うん、だってずっとここに留まることはできないんだよ。早く職を探して出ていくか、それとも。」
「それとも?」
「ちょうど、ここは人手不足だからここで働くか。執事としてね。」
なるほど、働けってことか。現世では自称自宅警備員だったからきついな。さて、どうしたものか。
そう考えているときに、レンが首を突っ込んできた。
「あっ、職だったらヘローワークにいって探してきなさい。私は親にここに入れさせられたから。」
なんだよ、そのここが刑務所みたいな言い方は。というか、この世界にもハ〇ーワーク的なのあるんだ。
でもどうしよう。執事になれば可愛いリンちゃん達と一緒に仕事が…おっと考えすぎたようだ。
まあいい。俺は決めた。
「俺はここの執事になる。」
「なんでよ。」
レンに問い返された。なんで俺の言い分を言ってやろう。
「俺はヘローワークに行って職を探すより、確立性が高いここの執事を選んだって訳。どうかな。」
2人とも歓迎の顔ではない。そりゃそうだよな。外部の人間の世話もしなきゃいけなくなったからね。
「そう…じゃあロマール様に申し出なさい。私をここの執事として雇ってくださいって。」
レンはそう言った。
にしてもロマール様に直接か、緊張するなあ。しかも初対面だし。
「で、ロマール様の部屋はどこにあるの?」
レンに聞いてみる。
「この城の最上階よ。行くなら早く行きなさい。」
レンが答えてくれた。
よし、行くか。男・石田琉翔見せてやる!
リュートはそう誓ってロマール様のところへ行くのであった。
次回はロマール様のところへいって、相談をするところからはじまります。
読了ありがとうございました。