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わかりやすい現代語訳シリーズ その10 「荘子」より

作者: マボロショ

ヘッドハンティングをことわる時の、亀のたとえ話。

いくら好意からでも、余計なことをすれば、相手が死ぬこともある、という例え話。

うまさを味わって下さい。

◯荘子が釣りをしているところに、楚の王様の使者が来て、「総理大臣になって下さい」と頼んだ。

荘子は振り向きもせずに言った。

「あんたの国には、祭壇においてある宝石箱の中に、きれいな布でくるまれた亀がおるそうやな?

亀としては、死んで、そんなに大事にされるのと、たとえ きたない泥の中を這うような生活でも、生きているのと、どっちが好きだと思うかね? 」

使者が、「そりゃあ、やっぱり、生きている方がいいでしょう」と答えると、荘子は、

「わしも、泥の中の方が好きなんじゃよ。あんたら、いくら待っても、わしの気持ちは変わらんよ。早う

帰った方がいいよ」と言った。


◯昔、私(荘子)は、自分が蝶になった夢を見た。ひらひらと空をとんで、とても楽しかった。

自分が荘周という人間であることを、すっかり忘れていた。

ふと目をさましたら、やっぱり私は人間であった。

その時、私は思った。ほんとうに、荘周が、夢の中で蝶になったのか、それとも、実は、蝶が夢の中で荘周になったのか、と。

人間と蝶とは、たしかに、まったく別のものであろう。

しかし、世の中には、その境界を越えて、他のものに変わるようなことも案外多いのではなかろうか。


◯昔、南海に、シュクという名の神様がいた。そして、北海には、コツという名の神様がいた。中央の神様は、コントンという名であった。

シュクとコツとがコントンを訪ねて来た時、コントンが、とても親切に もてなしをした。シュクとコツとは、ぜひ お礼をしたいと相談を始めた。

「人間の顔には、みな、七つの穴がある。それでもって、見たり聞いたり息をしたり食べたりしている。けれども、コントンは、のっぺらぼうで、これらの穴がない。こしらえてやろうじゃないか」と。

一日に一つずつ穴をこしらえて、七日で七つの穴が出来上がった時、コントンはとうとう死んでしまったとさ。


話の進め方の、名人ですよね?

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