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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

仏典の勝手な脚色ノベルシリーズ

のべらいず 不動尊秘密陀羅尼経 ~ お不動様のキケンな呪文;

作者: 阿僧祇

今回は密教です。めっちゃ密教です;;;


密教と禅は「実践無しでの理屈だけでは理解できない」という前提と伺っています。筆者が今までに知れた範囲だけでも、自己流で解釈したり実行したりすると危ない要素がいくつかありまして……実際にはたぶんその何十倍も隠されてるはず;;;


Twitterでリクエストいただきましたゆえこの経典を「のべらいず」してはみましたが、題名に「秘密」と付いてるくらいで内容は秘儀的かつ難しく、観光客向けの体験修行くらいしか経験してない筆者には、正確な理解も確実な説明もできません。

だから深い意味とか詳細とか、想像以上のことはできませんから質問や議論はしないでくださいね;


呪文と修行法が書かれていることから実際に試してみようというチャレンジャーな方もいるかもしれませんが、翻訳の正しさに責任持てませんから、そういうのは資格のある先生に習ったり正式な資料を研究したりしてからにしてくださいませ。(汗、汗)


あと、このシリーズ初見の方にこの作品はお奨めできません。特に「アラヤ識」とか「くう」とかいう概念を前提にせず近代物理学的な世界観で読むとわけわかんないと思いますから、もっとわかりやすい他の作品から見てくださいませ、、、


そしてしつこいようですが、これはあくまでファンタジー物語として楽しむための古典ノベライズであります。その点をご承知おきの上でどうぞ~。

m(_ _;m


では、南無大日大聖不動明王。(-人-;



 三藏・パンニャーチャクラ(智慧輪) 漢譯

 ど素人・あそーぎ戯 戯和訳


 

聖無動尊大威怒王秘密陀羅尼経


 爾時毘盧舎那大衆中……


 そのとき、大日如来だいにちにょらい(マハー=ヴィローチャナ=タターギャタ、あらゆる神仏の実体と考えられた法身ほっしん仏。華厳では「毘盧舎那びるしゃな仏」、法華では「久遠くおん本仏ほんぶつ」、イスラム教では「アラー」、キリスト教では「主」?)の説教の聞き手の中に、一人の偉大な菩薩ぼさつ(ボーディサッタ、大乗仏教の修行者)が居た。

 その名は金剛手こんごうしゅ

 妙吉祥みょうきちじょう菩薩とコンビを組んでた。


 この金剛手菩薩は法身(大宇宙と一体)となったスゲーひとだった。別名、普賢ふげん(サマンタバドラ)菩薩とも呼ばれている。あんまりスゲーので、如来から金剛杵こんごうしょという法具をもらってた。その金剛杵は五智によってできていた。そういう理由で金剛手という名前なのだった。


金剛杵(独鈷杵と五鈷杵、筆者資料)

挿絵(By みてみん)


 一方でその相棒の妙吉祥菩薩は、三世(過去現在未来)のブッダたちを生み出す役目を果たしていた。別名では文殊師利もんじゅしり(マンジュシリー=クマーラプータ)菩薩とも言う。


 ……このお二方の別名については異説もありますので「この文献にはこう書いてあった」という程度でお受け取りください。


 さて、こういった菩薩たちは衆生しゅじょう(あらゆる命あるもの)を救うために菩薩の姿で現れ、かい(修行のルール) じょう(瞑想) (智慧) 解脱げだつ(悟りを開いてすべての苦しみを消すこと) 解脱知見げだつちけん(解脱したかどうかの判断ができるようになること) をやり遂げて、よくいろいろな陀羅尼だらに(ダラーニー、神秘的な力を持つ言葉、一種の呪文)の教説に通じてる。

 その心は禅定中のように寂然としていて、ふだんも三昧(瞑想に集中していること)の状態で、邪な魔物たちを降伏させて正しい見解を持たせ、ついに大いなる智慧を持たせることに、何の障害もありゃーしない♪ 衆生の性質に合わせて、大法輪を転ずる(救いの教えを理解させる)。

 そして解脱の風を吹かせて衆生の熱悩(悪い考えやその結果の苦しみ)を除く。喩えれば、炎熱で苦しんでるところへザンザンと雨を降らし、衆生の乾いた心の底に水を注いで、善根の種を植えられるようにし、またよく秘密の蔵(将来に悟りを開くための心の奥へひっそりとしまわれる資産)を身につけさせる。

 その心は自在で、あるいはおおぜいに分身して、あるいはひとつに合体して、衆生の願いにしたがってそれぞれに適した境地を与え、前世からの願いという薬で衆生の病(広義の意味)を癒す。


 この大菩薩は五髷ごけ(五つの髷)という冠を頭に頂くことで五種の智慧があることを表現している。その智慧は日月のようにあらゆる暗闇を照らす。

 いつも人や天の住人たちに敬われているから、法(ダルマ。真理とか教えとかの意味)という船を作り、苦しみの海を渡って彼岸ひがん(パーラ、向こう岸。ぶっちゃけ、悟りの世界)へ行けるようにしてくれるために、心に余計な動きはなく、汚れにも染まらない。よく衆生を導いてすばらしい世界を見せる。

 こういった功徳くどくははなはだ深く無量に多く、それを言葉で表現しようとしたら多劫(1劫≧48兆2000億年以上)をかかけも終わらない。

 この二菩薩はこういった功徳を成就していたのだった!



 さて、このとき金剛手菩薩は、「火生三昧かしょうざんまい(火の発生をイメージするマジ深い瞑想)」に入った。すると火炎が実体化して、そのものごっつい光は多元宇宙のすべてを照らした!


 その炎は、なんと、すべての多元宇宙のあらゆるものを焼き尽くしていった!

 内外の魔物たちは恐怖して逃げ回り、山中に隠れようとするが間に合わず、大海に飛び込もうとするが海までも燃え上がってしまい、ただもう大声で泣き叫ぶことしかできなかった……なんと悲惨な。

 泣き叫ぶ以外でようやくできたのは、もよりのブッダ(普通名詞)の所までなんとか逃げのびて、助けを求めることだけだった。逃げてこれた連中は、恐怖させられた経験から今までの悪行を反省し、魔のごう(カルマ)を捨てて大いなる慈悲の心を起こしたのだった。

 (つまり、魔物どもはこうして善神となったのであった。。。)


 天地の神々、ヴィシュヌ、インドラ、ブラフマーそのほか全て、もっと高い天界で深く禅定していた者たちもその楽な状態をやめ炎の中に入ってきて、天・龍・八部のすべてが、金剛手菩薩の前へやってきてお辞儀をして座った。



 ……ここまでの超展開が、このあとを理解するための伏線となっております;



 さて金剛手は三昧の瞑想を終えて立ち上がり、いまの瞑想の意味を妙吉祥菩薩に語った。


金剛手「ものすごい憤怒の大王(大威怒王)がいるんだよ! その名は『アーリャ=アッシャラノータ=ビジャー=アーランジャ』……」

妙吉祥「いや、日本語で、おけ。」

金剛手「日本では『聖不動明王しょうふどうみょうおう』とか『無動尊(不動尊)』とかいう。」

妙吉祥「『ぴーひょろ一家』の主役やってた美形のお兄さん(アッシャラナータ)?」

金剛手「た、たぶん(汗)……ルックスだいぶ違うけど;」


不動明王

挿絵(By みてみん)

(千葉県山武郡横芝光町尾垂浜 成田山御本尊上陸地)


金剛手「で、この大明王にはスゲー力があってさ。智慧の火であらゆる問題や障害を焼き、それから法の水であらゆる問題や汚れを洗っちゃうんだ。

「ときには巨大化して全宇宙をその身で満杯にしたかと思うと、ときには存在が無くなるまでミクロ化もしちゃう。

「衆生の心に合わせて、金翅鳥(こんじちょう、孔雀みたいな鳥)が虫や蛇を食べるようにいろいろな毒悪を食っ(て栄養に変え)ちゃう。

「グレートドラゴンが雲を興すみたいに智慧の雲を興して法の雨を降らせる。巨大なソードで魔軍をフルボッコ、頑丈なロープで強力な悪魔もグルグル巻き。

「かと思うと、親友の少年(使用人ボーイさん?)のように修行者の近くでいろいろ協力もしてくれる。」


 不動明王の服装や顔つきなどには、当時のインドの奴隷階級の姿がイメージされてると聞きましたが、そうなのでしょうか。大日如来が化身して、あえて親しみやすい姿をとって現れてるということですが…だとすると炎を背負って剣と索を持つ恐い格好なのはなぜなんだろう?(汗)


金剛手「そしてその心は驚くことがない。普段からずーっと『不動定ふどうじょう』という瞑想の状態だから、心が動くわきゃあない。」


金剛手「この大明王は、実はその居所が『無い』んだ。ただ、俺たち衆生の心の中に住んでいる。

「なぜかって言うとね……虚空界(大宇宙)は広いから世界は限りない。世界が限りないから衆生の生活範囲も広い。衆生の生活範囲が広いから法身の体は超デカい。法身の体は超デカくて法界(多元宇宙すべて)のどこにでもある。法界のどこにでもあるということは形がない体であって、形がないのに姿があるということはつまり、見る人の想念に合わせてその姿を現すってことなんだ。」


金剛手「その体は、有るのでもなく無いのでもなく、原因でもなく結果でもなく、自分でもなく他の存在でもなく、四角でもなく丸でもなく、長くもなく短くもなく、出現しないし消えたりもしない。生まれないし死なないし、造られたものでもなければ創造者でもなく作るためのものでもない。座ってないし寝転んでないし起き上がってもいない。動かないし変化もしないが静かにしてるわけでもない。進みもしなけりゃ退きもしない。そのとおりでもなければ違うわけでもない。得たり失ったりもしないし、あれでもなけりゃこれでもない。来たり去ったりもしない。青くないし黄色くないし赤くないし白くないし、紅色でもないし紫色でもないし、とにかくどんな色でもない。と、まあ、ないないずくし、ないずくし♪

「だけど大いなる定(瞑想) 智(智慧) 悲(慈悲) に満たされてて、一瞬もそれらの無いときがない。

「すなわち大いなる禅定の徳があるから金剛ダイヤモンドの岩の上に座り、大いなる智慧の徳があるからカルラ焔という大火炎を生じさせ、大いなる慈悲という徳があるからいろいろな姿を現す。その姿は青黒く、暴力的で恐い悪魔のようにも見える。智慧の剣を執って貪瞋痴とんじんち(貪り/怒り/疑い という三毒)をたたっ斬り、三昧のなわを持って疑い深くて恐がり逃げようとする者を捕まえ(て助けてあげ)る。

「そしていつも天・龍・八部によって敬われている。」


金剛手「もし、少しでもこの威怒王を記憶して念じていれば、君の邪魔をする者や物はぜ~~~んぶ斬り刻んでぶっ壊してくれる。だからすべての悪い連中(魔衆)は近づいてこなくなり、100由旬(およそ700km)四方に嫌な出来事や鬼神等は存在しなくなるだろう。」


 その時……金剛手は『最勝根本陀羅尼さいしょうこんぽんだらに』(火界呪)を唱えた!!


金剛手「ナーマクサーラバーターターギャーテービャークサーラバモッケービャークサーラバータータラダーセンダーマーカロシャーダーケンッギャーキーギャーキーサーラバビーキンナンウンタラターカンマンー!」


妙吉祥「日本語で、おけ」


 ごめん、部分的にしかわからないから、陀羅尼の意味とかはきかないで!!(悲鳴)

 正確な発音や言葉の意味、印契などは、筆者のような素人ではなく、ちゃんとした先生(「阿闍梨あじゃり」という資格を持ってるお坊さんとか)に習ってください。教えてもらえなかったら、自分にはまだそれを教えてもらう準備(因縁)ができてないんだと考え、将来に期待しましょう。

 スポーツや武道でも基礎のできてない人が高等技術を形だけマネしたら、かえって上達を遅らせるし怪我もしやすいため、コーチがなかなか教えてくれないのと同じです……筆者もこの陀羅尼についてはまだちゃんとした発音や印の結び方を教わる機会は得られておりません。(涙)

 ただ、このお経は某観光地のお寺の門前のお土産屋さんで経本が普通に売られていたので、陀羅尼も含めて字面だけは一般公開しても問題ないのだろうと判断しました。


金剛手「さて、わずかにこの真言陀羅尼を唱えれば、ものすごい智慧の火を発生させて一切の魔軍を焼き尽くしちゃう。三千万もの世界がぜんぶ、大憤怒の王の威光で焼き尽くされて、火炎しか存在しない世界となっちゃう。ただ十地の悟りを開いてる菩薩と、ブッダ(普通名詞)のいる場所以外、全部の存在を焼き、その後で法という薬を以ってみんなに安穏をもたらす。」


 金剛手は偈(憶えやすい詩か歌のようなもの)で説明した。


金剛手「

 ♪もしこの真言を憶えてよく念じていれば

  無傾動という境地を達成する


 ♪それは諸々の過去にやらかした罪を焼き

  大魔王をも降伏させる

  求めるあらゆることは

  必要に応じて成就する境地だ


 ♪そして十二天の神々がいつもやって来て守ってくれる

  東北の 伊舎那いしゃな天 (他化自在天、いわゆる第六天魔王?)

  東方の 帝釈たいしゃく天 (天帝、インドラ)

  東南の 火光かこう尊 (火天、アグニ)

  南方の 焔魔えんま天 (閻魔大王、ヤマ)

  西南の 羅刹らせつ天 (ラークサシャ)

  西方の 水雨すいう天 (水天、ヴァルナ)

  西北の 風雲ふううん天 (風天、ヴァーユ)

  北方の 多聞たもん天 (毘沙門天、ヴェシュラマナ)

  上方の 大梵だいぼん天 (梵天、ブラフマー)

  下方の 持地じぢ天 (地天、プリティヴィー)

  にっ天(アニチャ) 衆の闇を照らし

  がっ天(チャンドラ) 清く涼しく光る


 ♪こういった力のある天部の神々が

  やってきて彼を取り囲む

  あるいは明王にお辞儀されて頼まれてしまい

  明王に敬意を示すため行者の守護者としての役目を執行する


 ♪従者である矜羯羅こんがら童子と制吨迦せいたか童子

  倶利迦くりか竜王 薬厠抳やくしに使者

  こういった大眷族たちが

  あるいは隠れ あるいは顕れ やってきて

  修行者に仕え奉ることはなんと世尊ブッダを敬うのと同じくらいだろう


 ♪善根の大きい者には明王が憤怒の姿で現れ、

  中くらいの性根の者は二人の童子を見ることができる

  下根の修行者は残念だが恐くなって見ることができない

  そこで大明王は親友のようなイメージで姿を表す


 ♪このようにその人の「根」に合わせた利益をなし

  だんだんと彼を導いて 阿字門(密教の修行の世界)に入らせる」


 金剛手菩薩はこの偈を唱え終わると、集まっている皆さんに向かって語りかけた。


金剛手「サイコーだね、諸君のみなさん! みんな、前世から積んできた善のカルマのおかげで今、ここに来て、この明王の存在と威力ある神秘の呪文を知ることができたんだ!

「もしこの大明王の姿を見奉りたいと欲する者は、捨身修行の法を修しなさいよ。」


 そういってふたたび別の真言を唱えた。


金剛手「ナーマクサンマンダーバーザラダンダラダーアーボーギャーセンダーマーカロシャーダーソーワタヤーアーノウヤーアーソーギャーアーサンマイギーニーウンウンビーキンナンウンタラターカンマンー!」


妙吉祥「日本語で……」


 以下略。


金剛手「真言の修行をする人は、この真言を憶えて唱えることだ。身体から光明を放ってさまざまな魔王を降伏させ、求めることは必要にしたがって成就するだろう。というわけで『護身』と名づける。恐怖がなくなるよ。

「また別の真言もある。『加護住処(かごじゅうしょ)』という。さまざまな恐怖から離れ、常に勝安穏の境地を得られる。その大真言は


金剛手「ナーマクサーンマンダーバーザラダンタラターアーボーギャーセンダーマーカロシャーダーソーワタヤーサーラバビーキンナンマーマソワーシャチーセンチーシーバンメイアーサラトークロターラマヤーターラマヤーウンタラターカンマンー!」


 金剛手は言う。


金剛手「一切の衆生の、その思ってることはいちいちみんな違う。だから如来はときには優しい表情で、ときには激怒の姿で衆生を教え導くこと、一人ひとりにやり方が違う。

「衆生の意識に合わせて、時には利益りやくも与えたり、悪いやつはフルボッコにして後に法の薬を与え(て回心させ)、憤怒の姿を現してもその内心は慈悲なんだ。天の神々をも堕落させる大魔王・摩醯首羅まけいしゅらのような者さえにも、菩薩の十地の悟りのうち八番目までを得て慈善の根を植えさせるほどの力がある。まさに、これをよく知っておこう!」


 以上のように説明し終わってから、ふと思い出して続けた。


金剛手「もし、このような法を修行したいと思う者は、静寂な山林に入り、清浄な場所を探して、祭壇を作り、さまざまな梵行を修し(戒律を守って修行すること……具体的なやり方は書かれていませんでした)、念誦の法(これも具体的には書かれてません、たぶん口伝)を行えば、やがて本尊を見奉ることができ、目的を果たすでしょう」

「あるいは河水に入って(滝を浴びたり冷水に漬かるなどして)念誦の修行をし

「もしくは山頂・大樹の下・塔廟の傍で念誦の法を行えば、わりと速く修行を成就するんじゃないかな。

「あるいは、大般若経を安置している場所で修行すれば成功できると思うよ。

「こういう修行をするときは、身口意しんこうい(身体/言葉/心)の『三業』を整え、あらゆる罪はひとつも犯してはならず、また悪いものには近づかないようにして、いろいろな護摩の修行をしなさい。五辛(ネギやニンニクなどの辛いもの)酒肉はぜったいに口にせずに修行しなさい。」


 ここでまた偈を一発。


金剛手「

 ♪もしこの修行を正確に行えば その功徳は量りしれないぜ

  法に従って正しく念誦すれば 悟りを開いて生きたままブッダと成っちゃう

  行者が苦行を行って  身も心も清浄にしたまま

  三落叉(三十万回)の詠唱を満たしたら

  いつでも本尊を見奉ることができるようになるんだぜ


 ♪修行成就を証明したいと思ったら 山を移動させることもでき

  水を逆に流すこともでき 心に従って何でも実現できちゃうだろう

  さまざまなブッダ(普通名詞)のいる他の地球を見たければ

  たちまち明王が出現してその行者を連れて行き、見ることができちゃうだろう

  そこまでできるんだから それ以外のことができないわけが無い

  必要なことなら何でもできちゃう

  転生しても四悪趣(修羅/畜生/餓鬼/地獄)に堕ちることはなく

  禅定によって悟りも開けちゃう


 ♪こういったいろいろな功徳は

  私が必死に挙げても全部は説明できないんだわ

  ただ大聖、世尊ブッダだけが

  このような『法』を教え広めることが可能なのさ」


 偈がおわると、ブッダ(ここでは大日如来)が妙吉祥菩薩に向かってこう言った。


大日「もし未来の世界で、いろいろな修行者がいて、前世までに貯めてきた福(善い因縁、善い業)によってこういった明王の名前を聞くことができたり、またはこの『聖無動尊大威怒王秘密陀羅尼経』を読んだりする者は、スゲエことになるよん☆

「この人は、横死(寿命以外の事故や他殺などで死ぬこと)がなく、また本気で恐怖するほどのことも起きない。諸天(神々)の護持を蒙って、さまざまな障害も消えてまう。

「読むだけでもそうなんだから、実行する人は言うまでもなく、その福は無量だよん!」


 ……と、ここまで言って、あとは口を閉じて座っていた。(つまり、この一言にすべてが表現されている!)


 それを聞いて感激した金剛手が


金剛手「スゲー、スゲー! ホント、大聖せんせーの言われたとおり!」


 こうして言いたいことをすべて言いつくしちゃいましたので、金剛手は自分の席に戻った。


 このとき、聴衆はこの教えを聞き終わって、おのおの新しい境地を得、喜んでその後、信じ実行することにしましたとさ。



 聖無動尊大威怒王秘密陀羅尼経、えんいー(¥e)☆

 

 =================


 仏説聖不動経ぶっせつしょうふどうきょう

 (読誦用のダイジスト版)



爾時大会にーじーだいえー  有一明王うーいつみょーおー

是大明王ぜーだいみょーおー  有大威力うーだいえーりき

大悲徳故だいひーとくこー  現青黒形げんしょーこくぎょー

大定徳故だいじょーとくこー  坐金剛石ざーこんごーせき

大智慧故だいちーえーこー  現大火焔げんだいかーえん

執大智剣しゅーだいちーけん  害貪瞋痴がいとんじんちー

持三昧索じーさんまいさく  縛難伏者ばくなんぷくしゃー

無相法身むーそうほーしん  虚空同体こーくーどーたい

無其住処むーごーじゅーしょー  但住衆生たんじゅーしゅーじょー  心想之中しんそうしーちゅー

衆生意想しゅーじょーいーそー  各各不同かくかくふーどー 

随衆生意ずいしゅーじょーいー  而作利益にーさーりーやく  所求円満しょーきゅーえんまん

爾時大会にーじーだいいー  聞説是経もんぜつぜーきょう

皆大歓喜かいだいかんきー  信受奉行しんじゅーぶーぎょー

仏説聖不動経ぶっせつしょーふどーきょーぉ



てきとー訳:

ブッダの説いた聖・不動について伝えること


そのとき「皆さん 一人の明王がいてね

そのすげえ明王は ハンパ無ぇー力があるんだわ

とっても他人の悲しみを理解する徳により 青黒い体で現れて

ものごっつく瞑想する徳により ダイヤモンドの岩に載ってて

うんとこさ智慧を学ぶ徳により 大きな火炎を起こして

でっかい智慧のソードを執り 貪り・怒り・疑いをやっつけて

集中力のロープを持ち なかなか納得しない者をとどめ置くんだ

本来は形が無く宇宙と一体で 真空と同じ存在なんだよ

物理的にはどこにもおらず ただ生き物たちの 心の中に住んでいる

生き物たちの思うことは みんなそれぞれ違うから

生き物たちの意思に合わせて 利益をもたらし 希望を叶えてくれるんだぜ」

そのときみなさんは この教えを聞いて

全員とても喜び 信じて行うことにしたのだった


ブッダの説いた聖・不動について伝えること(おしまい)。


 

このお経、どうも、「観音経」とかと同じようにもっと長いお経の一部抜粋なんじゃないかな? と思うのですけども、詳細は確認できてません。

あとで何かわかったら加筆修正するかもしれませんが、今のところはこのへんでお許しを、、、

 

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