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転生の山  作者: 赤虎
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新天地

「どうしても来ないのか?」

八王子城の戦から1年が経過した天正19(1591)年秋、北条氏直の新たな所領となった下野国簗田郡縣村に氏直の代官として赴任することになった氏宗が豊浦家の店先で春蘭に語りかけた。

「私はここに残ります・・・この子が私の後を継ぐまでは・・・」

春蘭は女子の赤子を抱いていた。

「そうか・・・下野国簗田郡はさほど遠くない。少なくとも月に1度はここに来ることができるしな。永遠の別れではない」

「そうですね」

「では行くとするか。さき・・・」

「姉様、またね!」

氏宗に促されてさきが挨拶した。

「さきちゃん、元気でね」


縣村に向かう氏宗とさきを春蘭は何時までも見送っていた。



その後、氏宗は赴任先の下野国簗田郡縣村で武士を捨て帰農。晩年は荒廃していた浄徳寺を再興し、比佐、一庵、家範、綱秀、照基、家重、亭主を始めとする八王子城で命を落とした者達と自刃した氏照と吉信の鎮魂に余生を捧げた。その子孫は代々縣村の名主を務め明治維新を迎える。春蘭はその後も八王子で養蚕と絹織物を手掛け、19年後に家業を娘に譲り縣村に赴く。その子孫は桑都と呼ばれるようになった八王子で家業を次第に生糸問屋に転換して明治維新を迎えることになる。

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