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チーム編成


「ほぅ、堕天使に、それとは別の存在か‥‥まためんどくさい事になりましたなぁ、殿下」


「あぁ、生きてるうちにまたこんな事に巻き込まれるとはな。魔王の次は堕天使か‥‥」


「なんだよお前ら、国の一大事だぞ?もう少し緊張感をだなぁ‥‥」


「寝転がって話を聞いてる奴には、言われたくねぇと思うぜ?ハル」


「こっちは怪我人だぜ?そんぐらいいいだろ」


「ホントはまだ眠っててもらいたいんだけど。無理よね‥‥」


「そうよティナさん。コイツはどーでもいい怪我で大騒ぎするのにヤバい怪我は心配かけないようになんでもない振りするから」


「‥‥それで死にかける。ただのバカ」


「三人とも酷いな。ちゃんヤバいときは倒れてるじゃん」


『その後のことを言ってるの!!』


「はい‥‥反省、してます‥‥‥」


「皆、苛めちゃダメだよ!ハルは怪我してるんだよ!?」


お前はその怪我を悪化させた片割れだけどな。


「そうですよ。お説教は治ってからにしましょう?」


お前さっき笑ってたよな?親友。今更味方になったところで復讐はするからな?わかってるよな?ん?


「まぁ、説教については置いておくとして、そろそろ話を戻そうか。ハル」


「あぁ、まずは今の状況確認からだな。女神からの情報は、さっき話した堕天使とルークを支援した。または、まだ支援している別の存在だな」


「ルークは堕天使と契約したことしか言ってなかったからな。まだ別の存在‥‥そうだな『支援者』とでも呼ぼうか。ソイツと繋がっている可能性も0ではないからな」


「‥‥けど、それに関してはわからないことだらけ。だから、チームを3つにわけよう」


「なんで分ける必要があるんだよ?そんなことしないで皆で探そうぜ?」


「ラフム、だからお前はアホなのだ。レラの言っている3つのチームとは、ハルやタツと共にきた『くらすめいと』の稽古をつけるチーム。先程話にでた『堕天使と支援者』そして『ルーク』を捜すチーム。もう一つは‥‥‥」


「‥‥うん。『獣王』に対応するチームに、分ける」


「確かに、一つに固まって全てをやるよりはその方がいいが‥‥どうやって分けるんだ?」


「まず、『くらすめいと』のチームには、ハルとティナ。タツと雫は当然そこに入れる」


「まぁ‥‥」


「私達もその『くらすめいと』だからね』


「そして、『堕天使と支援者、ルーク』の捜索チームには私とラフム、それとフィーを入れたい」


ん?フィー?


「いやいや、待てよ。フィーはこっちじゃ無いのか?」


「‥‥どっちかというと、こっちの方がいい。タツ達ぐらいなら、ハルひとりで強く出来るから。ダメ?」


「うーん。でもなぁ‥‥‥」


一回精霊王に会って精霊武装貰いたいんだよなぁ‥‥多分ここでOKだしたらレラのことだから直ぐに動き出すだろうし‥‥‥どうしたもんかね?


「今ハルに足りないのは勇者の時との違いを知ること。それにフィーは必要ないから‥‥ね?」


「いや、それはそうなんだけど‥‥本人に聞いてみるかなぁ」


「‥‥(自分で決められないから逃げた)じゃ、それは後にして話を続けよう。『獣王』にはユリウスとオロバスをつけたい。これは政治的な意味合いも含まれるから、拒否は不可」


「あぁ、僕が前線に出ないのは不味いからな。了解した」


「‥‥‥うん。じゃ、フィーに聞きに行こう。どこに行ったの?」


「多分呼べば来るよ。フィー、おいでぇっ!?」


俺の言ったとおり呼んだら来た。が、場所が悪い。腹の上に思いっきり落ちてきた。


「なになに!?どうしたのハル!遊んでくれるの?それとも稽古!?」


こ、このやろう‥‥


「フィー、いきなり腹の上に出てくるのは無しって言ったよな?な?」


「あ、そうだった!ゴメンなさい‥‥」


「わかってくれたならいいんだよ。もうすんなよ?」


「うんっ!そう言えばなんで呼んだの?」


「それに関しては笑いを堪えているレラに聞いてこい」


「はーい!!」


レラの所へとフィーが飛んでいき、ティナが腹の治癒をする。

おっと、血が漏れている。アハハ、ちょっと傷が開いちゃったかな?まぁ何時もの事だ。


「大丈夫、ハル?」


「大丈夫。少し傷が開いたぐらいだし、問題ない」


「では僕とオロバスはもう行くぞ。お前は少なくとも今日ぐらいは休んでおけ」


「あぁ、そっちはよろしくな」


ユリウスとオロバスが部屋から出て行く。俺の腹も元通り。

血はベッタリ付いたままで少し気持ち悪い。後で風呂入らなきゃ


「いやいや、待てよおかしいだろ?」


信じられない。と言った感じでツッコミを入れてくるタツ。なにか可笑しな事しましたかねボク?


「ん?どしたのタツ?」


「いや、お腹の傷開いたんでしょ?なんでそんないつも通りなの?」


「まだハル達が城で稽古したり、近くのダンジョンとか潜って戻ってきたときは、傷が開くの当たり前だったからね。よくフィーがこうやって傷を開いてたわ」


「そうそう!そんでシルに治して‥‥貰ってたんだよ」


シルの名前を出した所で、不自然に詰まってしまい、変な空気になってしまった。


「えっと‥‥俺と雫はもう行くな?皆に話しとく」


「あ、あぁ。稽古は明後日からにするから、それまでは各自自由にしててくれ」


「了解。じゃ、行こうぜ雫」


「うん‥‥」


少し気まずい雰囲気になった二人が部屋を出たところで、タイミング良くフィー達がこちらに来ていた。レラの説明が終わったようだ。


「ハルー私どうすればいいのー?」


「どうすればって‥‥自分で決めていいぞ?」


「うーん。ハルについて行きたいけど今のハルに私の力あってもなー、先ずはハル自身を鍛えて貰わないといけないしー‥‥けどやっぱりついて行きたいなー。どしよっかなー」


俺の上でクルクル回りながら答えてくる。首が疲れるから浮かないで貰いたいんだが‥‥もしくは俺達と同じ目線の所で浮いてくれ。


「‥‥フィー、お前レラの手伝いしてくれ」


「いいの?ハル」


「あぁ。けど、その前に行きたいところあるからそこに行って、帰ってきてからな。つか、今から行こうか」


「ハル、まだ動いちゃダメだってば」


うーん。やっぱりティナは心配性だなぁ。さっき怒られたばっかなのにこんな事言ってる俺も俺だけどな‥‥


「大丈夫だよ。俺が今から行こうとしてるのは、精霊王の所だからな」


「そっか‥‥精霊王様なら、いいかな?動いたりしないし」


「だろ?浮いてるだけだし、問題ないと思うんだけど‥‥」


「わかった。いつ頃戻る?」


「フィー、今から行ったら、どのくらいで戻ってこれる?」


「うーん‥‥明日の朝かなぁ」


「わかった。じゃ、行ってらっしゃい」


「‥‥‥戻ってきたら、フィーは借りる」


「おう。了解」


「んじゃ、レッツゴー!!」


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