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推測


「あ、起きた?おはよ、ハル」


「‥‥‥んぁ?」


初夏の暖かい日差しに包まれながら朝の挨拶をしてくるティナに、少しドキッとしてしまった。


「お、おはよ‥‥あれから何時間経った?」


「2日。ハルってばずっと寝てたのよ?お兄ちゃん達が女神様に会いに行ってるんだろうって言うから交代で見てて、今は私の番なの」


2日‥‥‥結構経ってるな。いや、女神が三日ぶりって言ってたのはこれか。つか、ユリウス達なんでわかったんだ?女神の所にいるって。


「ちょっと待ってて。皆呼んでくるわ。お兄ちゃん達はいつも通りなんだけど他の子達がね、何人かそこで倒れちゃったし、早く教えてあげなきゃ」


「ここに来たときはやっぱり血だらけ?」


「うん。全身真っ赤で左目潰れて腕はないんだから、しょうがないけどね」


「あー、やっぱ腕と目は治んねーか」


「ごめんなさい。損傷が酷くて‥‥」


「いやいや、お前が謝ることじゃねーよ。ティナが来なかったら確実に死んでたしさ。だからそんな顔するなよ?な?」


「うん‥‥‥」


「大丈夫だって、な?」


「うん‥‥‥皆呼んでくるね?」


「あぁ、よろしく頼む」


ティナがまだ気にしているのかトボトボと部屋を出て行った。


別に女神に言えば治るんだけどなぁ‥‥まぁティナがそんなこと分かるわけもないんだけど


「ふぅ、女神の野郎が無理やり渡した力確認するか‥‥ステータス・オープン」




蓮川 春人


称号 異世界人

   フィルニールの英雄

   ゲノムを滅ぼす者

   魔王を消滅させた者


スキル 異世界言語

    勇者の残りカス


魔法 火魔法上級

   水魔法中級

   風魔法上級

   土魔法初級

   聖魔法初級

   精霊魔術(使用可)




「あれ?」


なんも変わってない。どういうことだ?


「念話するか?いやでもなぁ‥‥」


女神に連絡すると余計な事まで聞いてしまうから連絡は最終手段としていたので、いきなり使うのはどうなのかと考えていると、扉が開いた。


「ハルッ!」


「よぉ、ユリウス。早かったな?ティナが出てから全然経ってないけど?」


「そろそろ交代の時間だったからな。早めに来たら、廊下でティナとすれ違ったんだ」


「おいおい、次期皇帝は忙しいんじゃねーのかよ?」


「確かに忙しいが、それぐらいの時間はとるさ。それより‥‥」


ん?なんか魔力がおかしくないですかね、ユリウスさん?


「お、おいユリウス?なんか魔力がダダ漏れ、それと一緒に殺気も‥‥‥」


「ほぉ?自分はこの魔力と殺気を浴びる理由はないと言いたいのか?」


「い、いや、そういうわけじゃ無くってな?確かに思い当たる節はあるが‥‥‥」


「思い当たる節だらけだろうが!さぁ言え!!あの光はなんだったんだ!?なんでルークが生きていて、それをお前は知っていた!!」


「わ、わかったから、言うから‥‥怖いぞ?」


「お前のせいだ!!」


ですよねー、はい。わかってますよ‥‥


「じゃ、まずはルークの事からな。俺がこの世界に来たのは女神にルークがまだ生きていると教えられたからだな」


「なんで生きていた?確実に仕留めたのだろう?」


「あぁ、そのはずなんだがな‥‥ちょっと女神側で問題が発生したみたいでな」


「問題?」


「あぁ。堕天使だ!」


「‥‥自信満々で言ってるがその説明でわかると思うのか!?」


怖い‥‥‥


「問題ってのはその堕天使って存在がこの世界に紛れ込んだらしい。それが‥‥」


「ルークを生き返らせた‥‥」


「多分な」


「‥‥残念だけど、その推測は間違っている」


『レラ!!』


扉が開き、レラが入ってきた。


「間違ってるってどういうことだよ?」


「そのまんま。ルークは契約したとは言ってた。けど、『生き返らせて貰った』あるいは『助けてもらった』とは言ってない」


『!?』


「ちょ、ちょっと待て。その推測だと‥‥」


「ルークを助けた。または生き返らせたのは‥‥‥」


レラは頷いて

 





「ん。さっき話してた堕天使とは全く別の存在」


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