新たな力(?)
『‥‥る‥‥はる‥‥‥春人さん!!!』
「んぁ?‥‥‥なんで女神?」
「あ、起きましたね春人。久しぶりですね3日ぶりぐらいですか?」
「は?天使も?なんでいんの?」
「そりゃアナタが召喚されて1日経たずに死にかけたからですよ」
し、死にかけたって‥‥‥
「覚えてないのですか?春人さん?」
「‥‥‥ルーク!」
「ウギャッ!?」
俺がいきなり飛び上がったせいで膝枕していたらしい女神の顔面に俺の額が直撃。女の子(?)がだしてはいけない声が出た。
「女神様、ドンマイ!」
笑いながらいってんじゃねーよ
「まぁ、未だ唸ってる女神様は置いといて、石頭の春人、なぜ此処に呼ばれたのか理解していますか?」
「そこは『勇者』春人じゃねーのかよ」
「アナタ称号持ってないでしょ。‥‥欲しいならあげますよ?」
「いらん」
「ですよね‥‥‥」
この前いったばっかりだろ。
「うぅ‥‥け、けど呼んだのは力についてです」
女神が顔を押さえながら起きてきた。凄く痛そうだ。かわいそうに‥‥やったのは俺だが
「は?なんでだよ?」
「決まってます。アナタが弱すぎるんですよ。春人」
「ぐっ‥‥」
「まぁ正直私達も此処までとは思っていませんでしたよ。『勇者』の称号無くなっただけであそこまで‥‥‥」
うぐぐ‥‥‥けど、事実だからな
「元々の魔力量がおかしいのは分かってましたが、それもかき消され、それと同時に唯一持っていた今代の『剣匠』が打ってくれた剣を腕と共に消し去られ、挙げ句の果てに契約もしていない精霊の力を借りる?‥‥ダメダメですね」
「それぐらいにしましょ?春人さん泣きそうですよ?」
「だって、しょうがねぇだろ。あの時はあれしか方法がなかったんだ‥‥‥」
「はい。あの場はそうするしか方法が無かったでしょう。ですが、それではルークには勝てない。わかってますよね?春人さん」
「‥‥あぁ。わかってる」
そんなこと、言われなくてもわかってる‥‥
「ですから、春人に力を渡そうかと」
は?
「勇者はやらない」
「知ってます。ですから別の力を渡そうかと」
「別の力?」
そんなものあったのか?
「はい!その力は‥‥『英雄』です!!」
「ごめん持ってる」
『‥‥‥えっ?』
2人共固まった‥‥‥
「いやいや、英雄なんてそうそう出てくるものじゃ‥‥‥」
天使が勝手にステータスを覗こうとする。
天使って勝手に覗けるんだな。
蓮川 春人
称号 異世界人
フィルニールの『英雄』←コレ
ゲノムを滅ぼす者
魔王を消滅させた者
スキル 異世界言語
勇者の残りカス
魔法 火魔法上級
水魔法中級
風魔法上級
土魔法初級
聖魔法初級
精霊魔術(使用不可)
「ほ、ホントにある‥‥‥」
「えぇ!?ちょ、ちょっと私にも見せなさい!!‥‥‥あ、ある」
「だからいったろ?持ってるって」
「そ、そんな!同じ『称号』は二つは持てないんですよ!?」
そんなこと言われてもなぁ‥‥
「ほ、他になにを渡せば‥‥‥」
「い、いえ女神様、一つだけありますよ!春人に相応しい。春人にしか扱えない物が!!」
おいこら天使なに渡そうとしてやがる
「そう!!『聖剣』です!!!」
「それ持ったら『勇者』になんだろうがぁ!?」
「‥‥‥っち」
「なに舌打ちしてやがる。ふざけんなよ?俺は勇者はやんねーぞ?』
「け、けど天使の言うこともわかりますよね!?もうルークに勝つにはこれしかないんですよ!!もう一度『勇者』になって下さい!!!」
「断る」
「なぜですか!?なぜそこまで『勇者』を頑なに拒むのですか!?」
「‥‥‥俺は勇者の力を暴走させて、助かったかもしれないシルを殺した!あの時周囲を消滅なんてさせなければあんな事にはならなかったかも知れないんだよ!!」
「‥‥っ!それは春人さんのせいでは!!」
「いや、俺のせいだ!!俺があそこでぇ!?」
「春人さん!?」
「ゴチャゴチャうるさいですねぇ」
いきなり吹き飛ばされたかと思うと、目の前にはブチ切れた天使がいた。