勝利?
すいません。少し間が空きました‥‥‥‥‥‥‥‥
本当にすいません!!
ほんの少し時間を遡り、念話終了直後
(聞こえるか?周囲でみている精霊達よ)
えぇ、聞こえているわ。精霊王と女神に愛された次期精霊王の契約者よ‥‥‥
(よかった、聞こえるか‥‥頼みがある)
いいわよ、何でもいって?アナタからの頼みを聞けるなんて、此処にいてよかった‥‥‥
(あなた達の力を貸してほしい)
‥‥‥ごめんなさい、それは無理ね。いくらアナタでも契約者に力を貸すのは無理だわ
(いいや、貸すだけなら出来るはずだ。俺は精霊王にそれを聞いている)
‥‥‥そんなことをしたらアナタは死んでしまうかも知れないわよ?
(俺は元勇者だ。そのぐらい耐えてみせる)
でも‥‥‥‥
(‥‥‥もう時間がない。早く決めて欲しい)
‥‥‥わかったわ。死なないでね。アナタは私達と唯一コンタクトの取れる人間であり、愛された者なのだから‥‥‥
(あぁ‥‥ありがとう)
精霊達がハルの右腕の中に力を貸し、それは傍で見ていた精霊術の使えないティナの目にも光っているように見えていた。
「なにこれ‥‥ハル!?なにをやったの!?」
「離れてろ、ティナ」
ティナを離れさせユリウス達をみる。レラの蹴りが直撃し、オロバスの剣を避けるため空中に逃げたルークの姿がハルの目に映った。魔力の動きはない。
(いまだ!!)
さぁ、放ちなさい‥‥‥‥‥
「終わりだ。ルーク」
ーーーーーーーーーーーー
ハルの放った光は空まで届き、雲を割った。雲が晴れたことで綺麗な夜空がハル達を包んでいる。
「終わった‥‥のか?」
「手ごたえはあった。終わったろ」
「疲れたー!もう動けねーよ」
「ラフム、だらしないぞ‥‥‥ひとまず城に戻りましょう、殿下」
「そうだな。ハルに色々聞きたいことはあるが、それはまた後でだな。まずは城に戻ろう」
座りこんでいた身体に鞭を打ち、起きあがろうとしたその時、
「皆!伏せろ!!」
変な魔力の動きが見えた俺は皆に指示を出した。
「イテッ!」
「あっ、ごめんなさいハル!!」
ティナに支えてもらっていた俺は、ティナに押しつぶされる形となって地面に伏せた。
うん。小さくても柔らかい‥‥‥って、そうじゃなくて!!
「痛いなぁ、ハルゥ‥‥‥ちょっと危なかったよ?」
空から降ってきたルークは、此方に向かって魔力弾を放ち、歩いてきた。
「ルーク‥‥っ!!」
全員立ち上がり戦闘体勢に移る。
「まったく、今のはなんだい?前回はこんな事出来なかったよね?」
「奥の手って奴だよ‥‥」
マズイ!!もうなにも残ってないぞ!?
平気な顔をしながら内心慌てていると、
「うーん‥‥今のままじゃちょっと不味いから、帰るね?次に会うのは暫く先だろうから、強くなってね?ハル」
そう言ってルークは転移魔法陣を使い帰ってしまった。
『‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥えっ?』
「帰った‥‥の?」
最初に口を開いたのはティナだった。
「か、帰ったのか?殿下?」
「僕に聞くな‥‥レラ、どうだ?」
「‥‥‥ルークの魔力は完全に消えた。大丈夫、ホントに帰ったみたい」
レラの言葉を聞いて、集中力が切れたのか皆一斉に倒れた。
「ほ、ホントに終わった‥‥」
「ラフム‥‥まぁいい。殿下、どう思います?」
「‥‥そうだな。あの魔力弾は最後の悪あがきみたいな物だったのだろうな」
「やはり、そうですか‥‥アイツは帰ると言えば帰る奴ですからな。言った事は曲げない奴ですから」
「あぁ、だから‥‥‥」
「殺すって言えば、ルークさ‥‥ルークは、必ず殺しに来ます」
「だな‥‥今のままじゃ勝てないな」
どうにかしないと‥‥‥
「あぁ、僕達も強くならなくちゃな‥‥だか、それよりも先にやらなければならないことがある」
「?そんなの‥‥‥あぁ、アイツらの訓練か!!」
「違うわ馬鹿者!お前には色々と聞きたいことがあると言ったろう!!」
あぁ、やっぱり聞くのか‥‥めんどくせ
「あ、あぁ。分かってるからそんな大声だす‥‥な‥‥‥」
俺はそこで意識を失った。
微かに聞こえてきたのはティナの泣き声とレラのオロオロとした声、それにユリウスの俺の名前を呼ぶ声だけだった。




