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第1話 プロローグ
タツヤが爵位を与えられてから凡そ2ヵ月が経った。
そして、今日王城の門の前では一人の少女が旅立とうとしていた。
「お父様、行ってきます」
「おう、行ってこい。それで、タツヤは何処だ?」
「わかりません」
「おいおい、彼奴マジか」
「何だよ、くそ国王。ぶっ殺すぞ。まったく……学園なんて行きたくもねえのに。依頼まで出しやがって。何が学園までの護衛だ。ふざけんなよ?」
「す、すいません」
「謝ってすむなら衛兵は要らねえよ。それでエレーナ、準備は出来たか?」
「はい」
「そんじゃ、行くか。それとエレーナの従者にはウチのシャルを付けるからな」
「おう」
「出発!」
こうして、タツヤ達は学園へと向かった。