第3話 ダンジョンでテンプレに遭うのは確定なのだろうか?
タツヤ達が異世界に召喚されてから既に1ヶ月が経った。この1ヶ月でタツヤ以外の勇者は騎士団と宮廷魔導師(この世界での魔導師とは魔法を使う者の事を指す。この世界では魔術、魔導という物は存在しない。理由としてはこの世界を創った神が「魔法の方がなんかファンタジーって感じするじゃん!それにTY〇E-MOO〇が魔術より魔法を上にしてたし?それに分けるとめんどいじゃん」とか言ったから)によって訓練をしていた。その間タツヤは王城にある図書館で本を読んでいた。読んでいたのは魔道書や禁書の類いだ。タツヤは一日十時間ほど図書館に籠り図書館の魔道書や禁書をすべて読み終えていた。そして佐藤達からの嫉妬攻撃(笑)は魔法などを使った物になっていた。さらに最近では真奈達と話していると光から殺意の目を向けられていた。光は気付かれていないと思っているがタツヤはその視線に気付いていた。そしてその光はタツヤに事あるごとにからんでいた。
そして今日も……………
「あ、神崎君。今日も図書館に行ってたの?」
「ああ、やることも無いしな」
「じゃあ達也君、私と一戦どうかな?」
「勘弁してくださいよ真奈先輩。地球なら兎も角此処じゃステータス的に無理ですよ」
「だからよ。地球じゃ達也君の方がチートだったじゃない。素の状態で縮地使うとか驚いたわよ」
「使えなきゃ親父が死ぬまえに俺が死んでしましたからね………。一度あの地獄と言うのも生温い鍛練を体験してからその台詞を言ってもらいたかったですよ」
「達也君、そんなに厳しかったの?」
「雪姫先輩、あれは厳しいなんて言葉じゃ表せませんよ。小三の時に熊のいる山に木刀と最低限の食糧だけ持って放り込まれましたからね。普通小三の子供にそんな事しますか?」
「しないわね」
「でも達也君は熊を殺したんだよね?」
「まあ、殺りましたね」
「確か、縮地使って近付いて殴ったのよね?」
「そうですけど……。あの時はビビりましたね。よく分かりませんけど何か力が働いた気がして気付いたら熊の体に腕が埋まってましたからね」
「やっぱりチートじゃない」
「神崎君!(僕の)柚葉達から離れるんだ!(僕の)彼女達は『無能』の君と違って忙しいんだ。それに君みたいな『無能』のくせに訓練にも参加しない怠け者が近くにいると(僕の)彼女達が穢れてしまう。
さあ、柚葉、真奈、雪姫そんな『無能』と話してないでこっちに来るんだ」
タツヤが真奈達と話していると例の光が怒鳴り込んできた。それもご丁寧に三大女神の禁止ワードを盛り込んで。
「近くに寄らないでもらえない?」
「星名さん、何処か行ってもらえますか?空気が汚れるので」
「そうね。柚葉ちゃんと真奈のいう通りだわ。それに
「「「私達の名前を呼ばないでもらえるかしら(ください)!」」」
「それに達也君は無能じゃないよ」
「そうですね。神崎君は封印されているだけですし」
「それに何処かの光の勇者様と違って馴れ馴れしくしないし」
「もう少し距離を詰めてくれてもいいんですけどね(チラッ」
「しかも何処かの光の勇者様と違ってカッコゴニョゴニョ」
「「「それにナルシストじゃ無いし!」」」
そんな光(光輝)に対して彼女達はかなりきつく返した。タツヤはそれを特に何を思うでもなく見ていた。
「神崎君、行きましょう」
「そうね。行きましょうか」
「あ、ああ」
そんなタツヤを彼女達は腕を引っ張って行った。そして彼らを見ていた光(笑)の顔は憎悪に染まっていた。
(僕の柚葉達を奪いやがって。お前みたいな無能が彼女達と話すなんて。無能の分際で彼女達の名前をよぶな。なんでお前は彼女達といるんだ。そこに居るべき人間は僕だろう!そうか、柚葉、真奈、雪姫。君達はその無能に洗脳されて無理やりそんな事をさせられているんだね。大丈夫だ。僕が無能をころしてあげるから。殺すから殺すから殺すから殺すから殺すから殺すから殺すから殺すから殺すから殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころす)
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一週間後、タツヤ達勇者はダンジョンに来ていた。これは実戦訓練を行うためだ。ダンジョンの名は『愚者の深淵』。初心者向けとされるダンジョンだ。そしてこのダンジョンには深い谷の様なものがある。
「オラァ」
「よし、下がれ!」
佐藤が両手鎚を降り下ろしスライムを潰す。そして騎士団長の声が掛かる。現在25層ボス部屋への通路をタツヤ達は進んでいた。
そして暫く進むと大きな広場の様な所にでた。そこは大きな崖のようになっており石橋のようなものができていた。騎士団長の言葉でここで休憩を行う事になった一行は各自で素振りをしたりしていた。
タツヤは崖を覗きこんでいた。そんなタツヤに忍びよる人間が二人………光輝と佐藤だった。そしてそれを見ている者が四人……三大女神と騎士団長だった。光輝と佐藤はそれに気付いてはいなかった。
そして二人は………
「《衝撃―インパクト―》」
「《風刃―ウインドカッター―》」
崖を覗きこんでいるタツヤに向かって魔法を放った。そしてその魔法はタツヤに直撃しタツヤは崖の底に落ちていった。そして目撃者の四人は何もできなかった。
ここはダンジョン『愚者の深淵』。この崖をみて付けられた名だ。崖の底にはなにがあるのか、それとも底はないのか誰も知らない。ここに堕ちた愚者はどうなったのだろうか。
そして、人類は魔王に対する最大の切り札を失った。