第2話 従魔登録しかし……
二日後
「あ、街発見」
「ワン」
タツヤは街を発見した。タツヤが乗っているのは大和の背中だ。神楽も大和の背中に乗っている。
〓街〓
「支部長!大変です!ド、ドラゴンが街に向かって来ています!」
「なにぃ!それは本当かっ!?」
「はい!」
「そのドラゴンはどんな奴だ!?」
「虹色に輝く鱗を持つ巨龍です!」
「あ、アイツかっ!?おい!騎士団と衛兵共につたえろ!絶対に手を出すなと。奴なら大丈夫だ。それと俺はドラゴンの来ている方に向かう!何処だ!」
「ここの近くの東門です!」
「分かった!絶対に伝えろ!」
「失礼する!冒険者ギルド支部長からの伝言を伝えに来た!」
「伝言?」
「はい!『ドラゴンには手を出すな。奴なら大丈夫だ』との事です」
「ふざけているのか!手を出すなだとぅ!そんな事認めるわけがないだろう!我らは行くぞ!」
〓タツヤ〓
「やっと着いたぁぁぁ」
「ワン」
「ん?何やら人が集まっていますぞ、主よ」
タツヤは城壁都市『ベルガンシュタット』に到着した。しかし……
「魔法、放てぇぇぇぇ!!!」
「止めやがれ!馬鹿がぁぁぁ!!!」
「「「《炎弾》」」」
「は!?何だしいきなり攻撃とか《消去》」
騎士団からの攻撃を受けた。タツヤはそれを魔法で消去した。しかし、騎士団からの魔法は激しさを増していった。
「《炎弾》」
「《消去》」
「《雷弾》」
「《消去》」
「《石弾》」
「《消去》」
「止めろって言ってるだろ!この屑が!」
タツヤはその魔法を全て消し去っている。その為、大和にも自分にもダメージは全く無かった。
「うぜぇな。俺が何したよ?
大和、コイツら黙らせるからここにいろ」
「仰せのままに」
しかし、いい加減イライラしてきたタツヤは直接乗り込みに行った。
スッ
「おい!人だ!」
「嘘吐くなよ、ドラゴンが居るのに人が居る……わ……け、すまん、居たわ」
「おい!テメェら!!さっきから何だ!何もしてねぇのに攻撃しやがって!さっさと街に入りてぇんだよ、此方は!」
「おい、今なんて言った」
「何もしてねぇのに攻撃しやがってって言ってたぞ」
「おいおい、まさかアイツ!ドラゴンをテイムしていやがんのか!?」
「おい!聞いてんのか?人の従魔に攻撃しておいて詫びも無しか?あ"ぁ?」
「おい、マジでテイムしてるらしいぞ」
「どうすんだよ!?」
「お前、話してこいよ」
「無視とは……。燃やすか」
「し、失礼した!攻撃をしてしまって」
「誰だよ」
「お、俺は冒険者ギルドベルガンシュタット支部支部長トーマス・クルセルノだ」
「あっそ。それでさこの歓迎は何なのかなぁ?従魔に乗って街に来ただけで攻撃されるとか。他の従魔にも同じ事してんの?ねぇ、どうなの?」
「いや、し、していない」
「じゃあ、何で俺らだけ攻撃うけてんの?ドラゴンが従魔だったら何か悪いの?ドラゴンが従魔だと攻撃されんの?どうなの?」
「そ、それは……」
「どうだって訊いてんだ!さっさと答えろ!」
「さ、されてはいけません!」
「そうなんだぁ。じゃあ、今のは何だよ。確かにテイムしたばっかで登録してないけどそれはどのモンスターも最初は同じ訳じゃん?でもいきなり攻撃は無いと思うな?ということで攻撃の指示だした奴出てこい!」
「「………………」」
「いい忘れていたけど30秒以内に出てこないと消し飛ばすから。
………………残り15秒」
「お、俺だ!」
「嘘吐くなよ、支部長。お前は止めてた方だろ?残り5秒。大和、攻撃準備」
「私だ」
「うん、そうみたいだね。それで、何で攻撃したの?」
「ドラゴンが来たら誰でも攻撃するだろう!街を守るために」
「嘘は良くないよ。本当はドラゴンを倒して称賛されたかっただけだろ。それにどうやら支部長の忠告を無視したみたいだね」
「そんな事はっ!」
「嘘吐くなって。俺はスキルで人の心が読めるんだわ。だから嘘吐いたら直ぐ分かるんだよ。つー事で詫びろよ。『人様の忠告を無視し、手柄欲しさに他人の無害な従魔を一方的に攻撃しました。すいませんでした』って」
「なっ、何故俺がそんな事をしなければならない!?」
「話聞いてたの?だから、一方的に攻撃してきたんだから謝るのは当然だろ?」
「……………」
「なんだ?都合が悪くなると黙るのか?
もういいわ。支部長!従魔の登録をする。やってくれるか?後、冒険者登録も」
「はっ!少々お待ち下さい!」
「あと、そこの犯罪者諸君、目障りだから消えてくれるか?これは命令な」
数分後
「遅くなって申し訳ございません!冒険者登録は此方に必要事項をお書き下さい。その後で支部で行います。あと、此方の首輪を従魔に装着し、あなたの血を垂らして下さい」
タツヤのもとに支部長が戻ってきた。タツヤは支部長の説明を聞くと大和と十六夜、そして神楽に『従魔の首輪』を装着した。
「それじゃあ、登録しにいくか。皆箱庭に入ってくれ」
タツヤは十六夜達の登録を終わらせるとホームに三体を入れた。そして、異世界二つ目の街へと足を踏み入れた。




