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Knight of Zetta  作者: ナナシ
7/9

episode_02_02

お待たせしました(_ _)

 県警本部の一室にて、礼儀は資料を睨みつけるように読み耽っていた。


 今回の事件のために立ち上げられた捜査本部としては多少狭いものの、他の人員は全て出払っているため、逆にがらんとしている。


 礼儀は事件発生から自宅に帰っていない。永井に娘の顔くらい見てこいと何度か言われたが、時間が惜しく、どんな顔をして会いに行けば良いかも解らなかったため、結局は本部に缶詰状態だった。

 加えて、娘の事情聴取は部下が終わらせており、これ以上の情報は得られないだろうという思いも強かった。


 確かに優羽は襲われた被害者の中で、現時点で唯一の生存者ではあるが、目の前でクラスメイトを食い殺されたという心の傷は当分抜けないと思われ、落ち着くまで数日は様子を見た方が良いと予想がつく。

 結局妻に任せ、集まってくる情報の査収に終われている間に日をまたいでいた。


「変わらん、か」


 資料から目を離し、礼儀はそう呟いた。

 目撃者はある程度いるにも関わらず、依然として巨大狼の出現地点が割り出せていなかった。

 昨日、永井が電話口で言っていたように、優羽が襲われた現場より以前の足取りは判明していない。


 それ以降も似たようなものである。ある程度までは足取りが解るのだが、突如として目撃者がいなくなる。再び追えるようになるのは、誰かが犠牲になってからだった。

 瞬間移動でもしているかのように消え、誰かを食い殺すために現れてはまた消えてしまう。まるで、フィクション作品に出てくる化け物のようだった。

 果たしてそんな存在が現実にあり得るのだろうか。


(そんな馬鹿な話が……。とはいえ、こいつはどう考えれば良いんだ)


 偶然で片付けるにしては犠牲が多過ぎる。それでも、何か見落としがあるのではないか、気付いていない点が隠されているのではないか、礼儀はその可能性を捨てていなかった。


(このままでは自衛隊への要請も現実味を帯びてくる。そうなる前に、我々があの化け物を止めねばならん)


 情報を頭に叩き込み、礼儀は自ら現場へ赴くために立ち上がろうとした。

 それとほぼ同時に、部屋のドアが開く。


「八代、居たか」


 姿を現したのは、永井だった。

 その表情はいつにもまして硬く、礼儀は永井の雰囲気からただならぬモノを感じ、再び腰を下ろした。

 永井は机を挟んで正面に座り、ホッチキスで留められた簡易の資料を放ってきた。


「鑑識からだ。とりあえず読んでくれ。話はそれからだ」


 その声はやけに疲れていたが、礼儀は気にせず鑑識結果らしいその書類に眼を通すことにした。

 内容は、昨日発生した巨大狼による最初の事件の血液鑑定結果だった。

 血液鑑定の結果の後に、身元が明確になったのだろう、国崎美紀の氏名が掲載されている。


(やはり、娘のクラスメイトだったか)


 顔は知らないものの、その名前に聞き覚えがあった。

 部下の事情聴取でも優羽からその名を告げられていたことから、最初の被害者は国崎美紀だと確定している。


 だが、それだけならば永井も硬い顔は晒していないだろう。もう一名の氏名を見るまで礼儀は疑問に思っていたが、その名を見たとたん、氷解することとなった。


「八代優羽、だと……?」


 二人目の鑑定結果。それは、自分の娘のものだった。

 それは、驚愕に値する事実に他ならない。


(何故だ! 優羽は無傷だったと医者が証明しているのではなかったのか!?)


 資料には出血量も記載されていた。その量は、致死量。

 そこまで出血したならば、ただの怪我ではすまされないはずだった。

 だが、現実に優羽は無傷で生還し、意識もその日のうちに取り戻したと聞いている。


「どういうことだ?」


「それが解らんから困ってるんだ」


 永井は溜め息を吐くと、両肘を机に預けて顔を伏せる。

 すぐに顔を上げたが、困惑の色がありありと見てとれた。


「ついさっき、医者にもう一度確認をとったんだが、やはりどの検査でも娘さんに異常は見当たらないらしい」


 永井はそこで一旦言葉を区切る。


「鑑識だって同じだ。雨が降っていたせいで正確ではないにしろ、血液の広がりかたからして、確実に致死量だと推察されている。逆に、何でそんなこと聞くんだって言われちまったよ」


 鑑識官に仕事を疑われたと勘違いされたのだろう、永井は苦笑した。


「この矛盾、どう解釈すれば良いと思う?」


 永井の問いに、礼儀は瞑目した。


(情報だけで考えるなら、致命傷の傷を負い、病院へ搬送されるまでに……いや、救急隊員が到着するまでに完治したということになる)


 常識ではあり得ないが、調査結果はこの事実を示唆していることになるだろう。

 困惑する永井も同じ考えに至っているのだろう。


「直接聞くしかない」


「聞くって、誰にだ?」


「娘に決まっているだろう。幸い、意識はある。ならば直接確かめれば済む話だ」


 そう告げてすぐに立ち上がった。

 永井もつられるようにして立ち上がりこそしたが、礼儀の発言を否定する。


「だが、娘さんの事情聴取は終わってるんだぞ? 矛盾こそあるが、彼女は被害者だ。何も知らんはずだ」


「今回の事件は異常なことが多過ぎる。この矛盾は事件解決の糸口になるかもしれん」


 それだけ告げると、礼儀は行動に移した。


「あ、おい! 待てよ、俺も行く!」


 永井の声が後ろから聞こえてきたが、礼儀は振り返らずに部屋を後にした。




 †




 正午を回る頃には優羽とさくらもある程度落ち着きを取り戻していた。

 ひとしきり泣いた事と、気心の知れた親友という存在によって安心したのだろう、次に感じたのは空腹だった。


「昨日から何も食べてないんだ。一緒に食堂にでも行かないか?」


「そうね。ちょうど良い時間だし、行こっか」


 私もお腹空いちゃった、と微笑むさくらに優羽も軽く笑んで返す。何気ないやり取りが心地良かった。


 二人そろって病室を出て白い廊下を進んで行く。会話こそないが嫌な沈黙でもなく、優羽は時折通り過ぎる入院患者や看護師の表情を見る余裕すらあることに、自分自身驚いていた。


(さくらには助けてもらってばかりだな)


 今ズボンのポケットに隠してあるペンダントも、さくらが見つけて届けてくれなければ警察が拾っていただろう。

 何がきっかけで剣に変貌するのか解らない今、警察預かりになればペンダントの秘密がばれていた可能性もゼロとはいえない。そうなってしまえば、返してもらうどころか面倒事が増えるだけである。


 優羽はポケットの中でペンダントを握り、その感触を確かめた。

 ペンダントの状態では刀身部分を触っても切れる気配はないというのに、剣になったとたん尋常ではない切れ味をもたらした。


 不思議という言葉では言い表せない超常現象は、一体何なのだろうか。

 遺跡から発掘されたこのペンダントは、果たして遥かな昔に誰がどんな技術を用いて作りだしたというのだろうか。


 優羽には何もかも解らない。


 解らないが、だからといって手放す気もない。

 必ず仇を討つと決めたからには、一度剣を手に執ったからには、今さら後には引けない。

 否、引く気などない。


(アレはこのペンダントが見せたんだろうか)


 一階のレストランへ向かうためエレベーターがやって来るのを待ちながら、ふと、夢に見た光景を思い出す。


(剣だけじゃない。全身が変わっていた。あれじゃまるで──)


 ──騎士のようだ。


 優羽は脳裏に浮かんだ単語を振り払うかのように頭を強く横に振った。自分には似合わなさすぎる、と。


「どうしたの?」


「いや、何でもない」


 さくらの問いかけにそう返したところで、到着したエレベーターのドアが開いた。

 大きい病院だけあってエレベーターも広く、数人の見舞客と思しき男女が乗っていたが、優羽とさくらが乗ってもまだ余裕があった。

 優羽とさくらは軽く頭を下げ、端の方に乗る。


 何故エレベーターに乗ると無言になり、階数が表示される液晶パネルを見つめてしまうのだろうかと、そんなどうでも良い事を考えつつ、優羽もほとんどの人がそうするようにパネルを見ていたのだが、奥の方に乗っていた女性が隣の男性に話しかける声が聞こえてきた。


「ねぇ、さっきの速報、この近くじゃなかった?」


 小さい声ではあったが確かに聞こえたその声に、優羽は微かに反応する。


「ああ、そうらしいな」


 後ろの二人は見舞いに行った部屋のテレビでも見たのだろう。


「まったく、警察は何をやってるのかしら。もう何人も亡くなってるっていうのに」

「確かにな。いくら巨大っていっても、相手は狼だろう? 銃で撃っちまえばすぐに止められると思うんだがなぁ」

「どうせ、大きくなりすぎて飼い主が逃がしちゃったとか、そんなところでしょう? 迷惑じゃ済まされないわよ」


 そこまで聞いて、内容を理解した優羽は思わず液晶パネルから視線を外した。


「すみません、近くってどの辺でしょう。場所は解りますか」


 優羽は自分でも驚くほど平坦な声が出たと感じながら、視線は真っ直ぐその男女に向けられる。

 心臓が静かに、けれど、大きく鼓動し始めていた。


「え? あ、ああ、こっから平内川と真川を越えた先だって話だ。そんなに離れちゃいないし、君たちも気を付けた方が──」


 じょじょに早くなる鼓動。

 耳の奥で鳴る音が、答えてくれた男性の言葉を途中からかき消していく。

 こちらの身を案じてくれているのは解ったが、優羽の思考はそれを置き去りにするほど加速していた。


 エレベーターはまるで優羽の意思を感じ取ったかのように、タイミングよく一階に到着した。


「すまない、先に食べててくれ」


 その扉が開くのを待たず、優羽はさくらに告げる。


「え、ちょっと、優羽?」


 さくらの声に応える余裕は、もうなかった。

 チャンスがこんなにも早くやってきた。

 仇を討つ、そのチャンスが。

 その意思だけが優羽の身体を突き動かし、扉が開くと同時に駆け出した。


「ちょ、ちょっと優羽!? 優羽ってば!」


 後ろから聞こえてくるさくらの声は、もう聞こえていなかった。


(化け物が!)


 走る。

 すれ違う人にぶつからないように最速を保ったまま正面出入り口へと向かう。


(絶対に許さない!)


 走る。

 全速力を維持しているためか、出入り口から飛び出した頃には息が上がり始めていたが、それすらも関係ない。


(美紀を殺したあいつは!)


 走る。

 息が苦しくなってきたが、それでも優羽は速度を落とすつもりなどなく、むしろ更なる速さを求めて足を動かし続ける。


(私が必ず殺すッ!)


 そう強く願い、右手にあるペンダントを強く握った。


「ッ!?」


 一際大きく、心臓が脈打ったのを感じた。

 痛みや苦しみはない。むしろ足が軽くなった気さえした。

 一歩を踏み出す毎にその感触は強くなり、上がり切る直前だった息は、逆に落ち着きを取り戻していく。


(動く!)


 これで限界だと思っていた足が、少しずつ速く前へ出る。


(もっと……)


 足りない。

 優羽は自分の限界を超えた速度を実現しながらも、さらに速くなることを願った。

 今この瞬間にも誰かの命が食い荒らされているかもしれず、そう思うと必然、巨大狼の口から飛び出た美紀の足が脳裏に浮かんでくる。


(もっと……!)


 視界に移る風景が流れていく。


(もっと!)


 右手に質量が生じる。


(もっとッ!)


 肌がざわつき始める。


(アレはこんな程度じゃないッ!)


 先ほど見た不思議な夢。

 その世界での肉体は、認識すら追いつかない速度を実現していた。


 それを目指し、願い、駆け抜けたその先で──、


「zetta」


 優羽の口は、まるで夢の中の自分を模倣するかの如く、無意識のうちにその単語を告げていた。

 その瞬間、優羽の視界が何かに覆われた。


「ッ!」


 モニターを通して視ているかのような風景が広がる。視界の隅には見た事もない言語が並び、次から次へと流れて行くのが解った。

 言語は理解できないが、かといって気にもならない。

 なにより、これは夢ではないのだ。あの時感じた不自由さはなく、自らの意思でこの身体を動かすことができる。ならば何も問題はなかった。


 目的地は目前。

 パトカーがけたたましいサイレンを鳴らして走っている方向だ、嫌でも解る。


「うわ!?」


 誰かの驚きを置き去りに、


「と、止まれ!」


 誰かの静止を振り切り、


「なんだアイツは!?」


 誰かの疑問を聞かず、優羽はついに目標を視界に捉える。

 こびり付いた血で口元を赤黒く変色させた、醜悪な風貌と臭いを発する、巨大な狼。


「グルルルルルルルル……」


 銃弾を受けていたのだろうか、化け物の皮膚からは、所々血が滴っていた。


「はぁぁぁあああああああああああああああッ!」


 心に巣食う憎しみを吐き出しながら、優羽は掴んでいたソレを力任せに振り上げた。


「ゴォォォオオオオオオオオオオオオオオオッ!」


 巨大狼は、優羽の雄叫びでようやく気が付いたのだろう。血を流しながらもこちらに向かって突進する。

 遅い。

 対象の動きをそう感じた優羽は、躊躇いなく右手を振り下ろす。


「ぐッ!?」


 甲高い音を奏で、巨大狼の爪が優羽の刃を受け止めた。

 あまりにも禍々しく黒ずんだ、鋼鉄のような爪。

 それは、先日よりも固く凶暴さを増しているように感じ、思わず優羽はその場を飛び退いた。

 果たして、それは正解だった。


「ガアアアアアアッ!」


 振り抜かれたその爪は、傍に止めてあったパトカーを、その下のアスファルトと共に軽々しく切り裂いたのである。


 そう、切り裂いたのだ。


 単純な力だけであったのならパトカーはひしゃげ、アスファルトは打ち砕かれていただろう。

 だが、現実は違った。鋭利な刃物で粘土を斬ったかのように、その爪はパトカーを歪ませることなく真っ二つに断ち切り、アスファルトには深い溝を造り上げている。


 斬られたパトカーから零れたのだろう、ガソリンの臭いが鼻をつく。

 優羽は切断面を見た衝撃と漂う臭いに、思わず仮面の下で顔をしかめた。


(なんだこの切れ味はッ!?)


 あのまま鍔迫り合いを続けていたら、斬られていたのは剣とこの肉体だったかもしれない。その恐怖は、わずかに優羽の判断を遅らせる。

 その瞬間、強烈な音を立てパトカーが炎を上げた。


「うッ!」


 衝撃と熱風が優羽を襲う。

 すぐにこの場を離れようと足に力を込めたが、巨大狼の方が速かった。


「グルォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!」


 絶望すら思わせる爪を振りかざし、眼前へと迫る脅威がそこにあった。

 前後は爪の餌食に、左は今しがた爆炎を上げたパトカーに塞がれ、右に避けても熱風によりバランスを崩してしまうだろう。


 退路はない。


「ッ!?」


 死への恐怖が身体を硬直させようとした、そのわずかな時間。脳裏に夢の中の光景がフラッシュバックした。


 人外の動きを見せていたあの肉体ならば。

 何かを切り捨て続けていたあの肉体ならば。


 この程度の危機、容易く乗り越えてしまうだろう。


 その核心を持って、優羽は地面を蹴り砕いた。

 尋常ならざる脚力により舞い上がったその距離は、軽々しく十メートルを超えていた。

 右手で握りしめた剣を振りかぶり、


「ぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああッ!」


 落下速度を味方に付けた剣を真下へと振り下ろした。


「ギャォォォォオオオオオオッ!?」


 負けじと爪を振り上げていたその前足ごと、オレンジに輝く刃が斬り裂いて行く。

 抵抗は感じない。まるで空気を斬っているかのように、巨大狼の身体は一文字に分断された。


「ッ、はぁ……ッ!」


 音を立てて崩れ落ちるその巨体の後ろに着地し、振り返る。

 断面から夥しい量の血を流し、絶命している巨大狼。

 自らが斬り捨てたその存在を目の当たりにして、けれど、優羽は勝利の余韻になど浸れなかった。

 斬った感触はほとんどなく憎悪はまだ燻っているが、何故か、手が震えている。


(くそ)


 気分が悪い。


 未だ熱風が吹き荒れる炎によって焦げた臭いしか感じないというのに、血の臭いが鼻の奥に残っていた。


 斬り捨てた。

 断ち切った。


 優羽は自らの意志によって、殺したのだ。

 感情に突き動かされるままに、さくらの心配をよそに、訳の分からない力を振りかざし──、



 殺してしまったのだ。



「ぅ」


 一歩、足が下がる。

 それでも、それでもだ。

 これ以上足を下げることは出来なかった。


(仇は討ったぞ……)


 きっと、美紀は喜ばない。

 危険なことをした自分をきっと美紀は叱るだろう。だが、優羽は心の中でそう呟くことしかできなかった。


「う、動くな!」


 唐突に声が上がった。

 その言葉で、優羽は初めて視線を周囲に向けることができた。

 十数台はあるだろう、そのパトカー越しに、警察官が自らの方へ拳銃を構えている。その表情のことごとくが、恐怖を表していた。

 相当混乱しているのだろう、拳銃を構える面々の後ろでは、無線や携帯電話に向かって叫ぶように声を荒げている者もいる。


(何で)


 置かれている現状に疑問が湧いたが、それはすぐに氷解することになる。

 パトカーの黒い窓ガラスに、答えはあった。


「──え?」


 身体を覆う黒い甲冑。

 全身に浴び、剣から滴り落ちる巨大狼の血液。

 それは、まるで現実感のない自らの姿だった。


「大人しく武器を捨てて、その仮面を外せ! 従わない場合、発砲する!」


 その言葉は聞こえていたが、優羽の身体は動かなかった。視線はガラスに映る姿に釘付けになり、思考が回らない。


(これが……、こんな姿が、私……?)


 映る顔は、黒い仮面に隠されて解らない。

 幽鬼のように佇み、今にでも斬りかかってきそうなほど、凶悪で恐ろしい。

 拳銃を向ける警察官の行動はなるほど、何も間違っていない。


「聞いているのか!」


 乾いた大きな音が響き渡る。


「ッ!?」


 威嚇であろうその発砲音を聞いた優羽の身体は、自然と動いた。

 剣を捨てたわけでも、仮面を脱いだわけでもない。

 自らの醜悪な姿に恐れ、発砲音に驚き、思わず逃げ出したのだ。


「待て!」


 警察官の言葉は、すぐに聞こえなくなる。それほどの速さで、優羽は巨大狼を斬り殺した現場から、走り去っていった。

優羽、自分の姿を見て完全にビビるの巻

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