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あいつなんか嫌いだね

「ねえ、隊長! せっかくイタリアまで遠征に来たんですから、混浴場にいきましょうよ」

 部下のリカルドがカカンボに両手を合わせる。

「あん? おまえ、上等じゃねえか。人が生きるか死ぬかって戦いをする寸前で・・・・・・」

 とげとげしい視線を送るカカンボ。

 リカルド、思わずあとじさる。

「でもぉ、ぼくんち、ハプスブルクみたいに入浴が一週間に一度って不潔なあれじゃないんですよぉ」

 のちのエリザベート王妃がびっくりしたんだってね。

「うっそー、きったなーい!」

 って。

 まじですから、これ!

「しょうがないなあ。じゃあ、これっきりだぞ」

「あ、ありがとうございます」

 ローマの温泉街は古代のカエサルの時代から賑わっていたので、その名残があり、静かとは言いがたかったが。

「いまだに使ってるというのがすごいな」

「だって、オーストリアに牛耳られてるでしょ。ブルガリア兵のためにここを開放したらしいですね。牛耳っているといえば、イタリアのパルマ村とか、ここローマもそう。見てくださいよ、あのローマ市民の熱烈な歓迎振り! まるで英雄扱いです」

「俺は実を言うと・・・・・・」

 カカンボは湯船に浸かってぶつぶつ独り言を言った。

「ナポレオン・ブオナパルテなんか、嫌いだね。傲慢だし、最近じゃあマリー・ルイーゼとかいう若いハプスブルクの姫にちょっかい出してるそうじゃないか。わからんね」

「解放軍の星じゃないですか」

「だからこそだよ。あいつはちっとも理解していない。これからどうなるのかも」

 

 

 カカンボは予想していた。

 ナポレオンの傲慢かつ強引な攻め方では、いつか計画倒れてしまうことを。

 そして、ナポレオン自身が、自滅していくことを。



「俺が皇帝なら絶対やらないことを、やつは、やってしまったんだよ」

「それはなんですか」

 カカンボは、言い渋っていた。

 そして出した答えは、

「自分で考えろ」

 であった。          

 一緒に考えて見ましょう。

 って、ナポレオンにはいやな箇所がいくつもあるので、どれを理由にしてもいいんだけどね。

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