賢者の石試作品
ちょっと待ちや!
この話は現代じゃないよな!? 私の方針は間違ってないよな!?
こ、こここれはフランス革命ごろの物語なんだってばよ!
ていうかね、カエデ嬢の家から逃げ出した兵士、私の愛人です(嘘。
それにしても、うそ臭い化け猫マーブルの賢者の石づくり、難航しているようですな・・・・・・。
何せあれをつくるには、かなりの年月が必要で、最低でも三年はかかる。
鉱石を練って、熱を加えて、醗酵させて。
とにかく一筋縄ではいかなかった。
「はあ。パラケルスス・ホーエンハイムや、アグリッパは成功したのににゃあ」
パラケルススは伝説の人だから、どうだか。
どうせならホムンクルスつくって、ヴァル○リー○ロ○ァイルのレザァドみたいに・・・・・・。
と冗談を言っている間に、マーブルが賢者の石づくりをはじめましたな。
しかし猫がこんなもんつくって、いったいなにするんだ?
「ワシは昔、人間だったにゃん」
とマーブルが言った。
「人間? 貴族だったのか?」
カカンボがふいごを踏みながら尋ねると、マーブルは手ぬぐいをかぶり、(手ぬぐいかよっ)汗をかいた手で練り物をしつつ答えた。
「そうだにゃん。貴族、それも、公爵のほうで・・・・・・」
「なにーっ、領主様か!」
カカンボ、驚きのあまり勢いよくふいごを踏んだ。
がしゅーっと音がし、空気が漏れて、マーブルは反動が大きくて身体を支えられず、転がってしまった。
「だいじょぶか」
クロードが支えてやると、マーブルはいつまでも離そうとしないクロードにけんかを売りはじめた。
「おい、いい加減離せよ」
「だーめぇ。だってマーブル、ふかふかなんだもぉん」
「はなせっちゅーにっ!」
クロードのキャラが変わってる・・・・・・。
猫フェチ・・・・・・。
「それはそうと、このふいごは、どうすればいいんだ」
どうやら、破けて使い物にならないらしい。
「カカンボ、お前は器用だろ。なおせ」
「猫に命令されて、やれるか! 俺帰る!」
背中を向けたカカンボに、マーブルはへっ、とえげつなく笑い、
「カエデちゃんとのこと・・・・・・いいんだぁ。カエデちゃんが・・・・・・」
カカンボはすっかり弱みを握られ、しぶしぶふいごを修理。
「それで、公爵様がなぜ、猫なんかに」
「話せば長いことながら」
マーブルの昔語りが始まった。
・・・・・・長くなるぞこりゃ・・・・・・。
題名が謎だ・・・・・・。
なにゆえ 試作品・・・・・・。