4話A 日常は再び不協和音を奏でる
あの出来事から約一ヶ月が過ぎた頃に再会するとは、私は思わなかった。
7月の始めの月曜日。それは学校のSHRだった。
「今日は新しい学友がこのクラスの一員となります。ではこちらへ」
教室のドアが開いた瞬間、クラス中がざわついた。
身長は155cmぐらいの女の子が教室に入ってきたのだ。
今、女優・歌手ともに人気のある霧生栞だ。
私もあれから少しだけチェックをした。知らないのはよくないと思っての義務感だったと思う。
「霧生栞です。難しいかもしれないけれど、芸能人の栞じゃなく学生の栞として接してくれると嬉しいです。卒業までいたいですが、どのようになるかわからないので……これからよろしくお願いします」
「え~空いている席は、丁度綿津見さんのところが開いているね」
2席開いていたが、多分先生は私なら、かかわらないと思ったんだろう。
1席は、教室の真ん中だから絶対に騒がしくなるのだから必然だったのかもしれない。
「霧生さん。あちらの席が霧生さんの席になります」
「よろしくね」
隣の女子生徒は緊張してどもりながら返事をした。
一応、私にも挨拶してきたので「よろしく」と一言だけ発した。そのまま私は、次の授業の準備をしていた。
「しおりさん……」
「そんなに緊張しなくてもいいよ。普通に栞でいいって、同じクラスメイトなんだし。それでどうしたの?」
「綿津見さんは、あんな感じだから……気分害したらいけないかなって思って?」
栞は、ちらって私を見ながら「ふ~んそうなんだ」って返事をしていた。
授業が終わったら栞は質問攻めにあっていた。私の目の届かない場所でやってほしかった。
私は、外の風景を見ていたのだけど、どうしても耳に入ってきて気になってしまう。
全く、何でそんなに気になるのか意味不明で、少しだけ気分が悪くなった。
午前の授業が終わり、人当たりの良い栞はすぐさま周囲と溶け合っていた。
私はそのまま弁当を取ろうとしたら、「綿津見さんもいっしょにどう?」って聞いてきた。
全くどういうつもりだろう。私にかかわらないでほしい。
「私はいい」
ここで食べるのも気が散るので、私は弁当を持って移動した。
「栞ちゃん。綿津見さん一匹狼だから」
背後からそんな言葉が聞こえてきた。
私は静かな屋上に向かっていた。
昼間は解放されていて、7月ぐらいになると熱いので誰もいないのでゆっくり食事をとれた。
弁当を取った後で、外を見ながらフェンスにもたれ掛かった。
なぜこの学校にくるの?
ここには芸能科なんて無い。
何の目的でここに来たの?
なぜこんなに私の心を乱すの?
人なんて表面は良い顔しているけれど、裏では何を考えているかわからない。
身内でもひどいことが起きる現代なのに、なぜ他人のあの子が気になるの?
あの子に会ってから、私は少し変だと思う。
こんな時はサッカーがしたい
でもまだ昼の授業があるから、そろそろ戻らなければいけない。
教室のドア前に行くと、話し声が聞こえた。
どうやら私のことを話してるみたいだ。
本人の目の前で言えばいいのに。なんか今日は、イライラする。
「あ・わ……綿津見さん」
なんか戸惑った感じで栞が私の名前を呼んでいた。
「ん・なに・霧生さん?よう?」
私はいつも通りに返事をした。
「ちょっと綿津見さん。栞ちゃんに失礼じゃない、そんな言い方」
名前の知らないクラスメイトがそんなことを言ってきた。
何かまずい言い方だったのだろうか?よくわからない。
「気に障ったらごめん。私こんな話し方だから」
私はその子の目を見ながらそう言ったら、なぜか一歩引いた感じで黙ってしまった。
周囲にいる人間さえもお通夜のように黙っていた。私が何かをしたのだろうか?
「「い……え……」」 周囲のクラスメイト達は引きつりながらそう答えてくれた。
「それで霧生さん何か用?」
私は自分の席に座り、栞にそれだけを聞いた。
「今度の土曜日学校休みだからみんなと遊びに行かない?」
「無理」
土曜日の予定は忘れてしまったけど、どうせバイトが入ってる。
バイトが入って無くても断るつもりだったけど。
「そっかぁ、残念」
「それだけ?」
栞がうなづくと、私は話が終わったと思い授業の準備と復習と予習をした。
今日は幸いアルバイトもないのでサッカー部に出たんだけど、いてほしい場所にいてくれない。
私がパスをすると、チームメンバーは数歩届かない。
今日は期末テスト明けの最初の部活だろうか?
どうやらみんな動きが悪いみたいだ。
どうやら一人で行った方がいいと思いシュートをすると軽く入ってしまった。
今日のサッカーはなぜか楽しくない。
その時だった。顧問の先生に呼ばれたので向かった。
「どうしたの綿津見さん?」顧問の先生が聞いてきた。
「なにがですか?私は毎日出れないので迷惑かけていますが、どうやら皆さん今日は体が重いような気がしたのですが」
先生は私の意見を聞いた後。
「そうかもしれないわね。綿津見さんには悪いんだけど、今日は家に帰宅してもらっていいかしら」
先生にも思うことがあるのかもしれない。私はそのまま家に帰宅した。
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