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2024年5月2日
今日は三限目も終わり、夜練もない。
さすがに体を休めないと持たないから、まっすぐ家に帰ることにした。
うちの大学のトライアスロン部は、推薦で入ってきた選手が一人もいないのに、なぜか毎年のようにインカレ(全国大会)に出場する部員が学年ごとに一人以上いる。……トンビが鷹を産むだよね。
とはいえ、設備はそれほど充実していない。唯一誇れるのは室内プールだろう。しかも長水路。
トライアスロンは泳ぐ・漕ぐ・走るの順で行われる競技だけど、「泳ぎの速い人が勝つ」とまで言われている。スイムが遅いと足切りに遭ってしまうからだ。だから、この長水路プールは大きな武器になる。
もっとも、プールは水泳部との共用で、使える時間は限られている。部員数も多いから、A〜Dのクラスに分かれてコースを使う。僕はまだ25mも泳げないので、特別に「Eクラス」という区分が作られてしまった。コースが空いていないときは、プールの袖で体幹トレーニングをしている。
今日は運よく泳げたけど──そのぶん授業には集中できなかった。
体はだるいし、眠たくて仕方がない。
シャーッ。
……猫ふんじゃった。でも店の前にある自転車に隠れている方が悪いと思んだけどな。
尾を踏まれた猫は、背を丸めて怒りをあらわにする。
「ぐるるる……」
威嚇の声を上げながらも、じりじりと後ずさっていた。やっぱり人間は、彼らにとって脅威なのだろう。
黒猫は僕を睨みつけ、一歩、また一歩と下がり──やがて僕の前を横切って逃げていった。
……その日から、僕の“奇妙な生活”は始まった。




