表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/77

一章 波乱の舞踏会 2

 そんな様子を、私、ーーカレンナ・スカーレットは眺めており、

 「そろそろ始まるのか。…」

 と呟くと大きく深呼吸していた。さらに二階から手摺を伝って下の階へと降りていく。一歩ずつ前に進む毎に、辺りの様子を伺いながら鋭い視線を向けており、周りの招待客の挙動に目を光らせている。ようやく一階に辿り着くと、余計に険しい顔になっているのに気がついた。ただ普段の癖だと割り切った。

 ほぼ同時に周りから、多くの招待客の視線と声が聞こえてきた。

 殆どが若い女性の興奮した声が多い。

 「ねぇ、…あちらの方。…」「あの赤く短い髪、黒いドレスって、…」

 「…スカーレット伯爵令嬢だわ!!」

 「…いつ見ても、……凛々しいわね!!」

 と何処かの誰かが言った。

 すると他の招待客も交じって騒ぎだす。

 まるで囁く様に、互いに会話をしている人達いた。

 主に私や私の実家の事を噂をしているようだ。

 「あの娘か。…城代及び近衛騎士団を勤めるスカーレット伯爵の一人娘とは。」

 「なんと?!…スカーレット伯爵とな!」

 「おぉ!…数々の武勲を得て、名を馳せた剛将と有名な人だな!」

 「噂では娘も、…上位の実力者だと言うな?」

 「…あぁ。…女だてらに、国軍の正規兵士を打ち負かす程の剣の腕だとか。…軍服で兵士達と訓練をしているのを見たぞ。」

 「凄まじいな。……。」「…実は男ではなのか?」「いや、胸があるぞ。」

 「…あまり舞踏会では見かけぬ人だと聞いているぞ。…今回は参加されているのだな。…」

 「あら、知らないの?…だって、スカーレット伯爵令嬢って、…皇太子殿下の婚約者とは。…」

 と、また誰かの、お喋りな声がすると、ー

 途中で別の場所から、他の誰かが大きな声で話を遮る様に周囲に呼び掛けてきた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ